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ハギ

2015-10-09 21:34:42 | フラワー・園芸

秋の七草のひとつに数えられる、マメ科の落葉低木。

夏から秋にかけ、紫色の小花を咲かせ、

古来より日本人に親しまれてきた、野山の花木、ハギ(萩)"Lespedeza"

 

若い人は、ハギといって、その花がピンとくるひとは少ないかもしれないが、

ススキキキョウ、ナデシコらと一緒で、秋の七草のひとつに数えられる。

他に、フジバカマ,クズ,オミナエシが加わる。

ただ、春の七草と異なり、秋の七草は食べるものではない。

古くは万葉集にも登場し、水墨画や浮世絵にも好んで描かれており、花札の図案にもなっている。

現在もシニア中心に、絵手紙や水彩画などに好んで描かれる。

 

ハギの花

福岡県直方市ふくち山麓はな公園にて。

以下写真すべて同場所で撮影。

 

ぼたもち,おはぎのエピソードでも有名。

春の彼岸で食べるのが、その時期の花、牡丹に例えて"ぼたもち”

秋の彼岸で食べるのが、この時期の花、ハギに例えて"おはぎ"なのだ。

牡丹は解らなくもないのだが、ハギは厳しいと思う。

つぼみが密集しているのが、ご飯や小豆に見えなくもない・・・かな?

 

 

ハギとおはぎ

 

あとは仙台銘菓、"萩の月"にも、このハギの花が描かれている。

お菓子の由来もそのまんま、黄色いまんじゅうは秋の美しい月を現し、

この時期に咲くミヤギノハギの花が一緒に名前に充てられている。

山口県の萩市は何か関連あるかと思って調べてみたけれど、

とくにこのハギの花とは関係がないようだ。

 

 

いくつか種類があるようだが、一般的なのがヤマハギ、マルバハギ、

宮城県の県花にもなっているミヤギノハギ、そして白い花を付けるシロバナハギだろうか。

夏の間にぐんぐん枝を伸ばし、小さな丸葉を密に茂らせて、

秋にその先端に、小さな紫色のマメの花をたくさん咲かせる。

マメ科の植物なので、花は藤やルピナスなど、同じマメ科のそれによく似る。

冬は落葉し、細枝も枯れてしまうが、春から初夏にかけて凄まじい勢いで伸びる。

幹だけでなく、根元からも新しい枝が伸びてきて成長する。

雑木林など自生している場所での真夏の生育期の姿は、実にうっそうとしていて、

花を付けた秋の涼しげなイメージとは対照的だ。

 

 

 

木に分類されているものの、幹はそんなに太くならず、

弾力があってしなっており、生い茂って来ると重みで株が曲がる。

キンバイカやコデマリのように、弓なりに曲がった枝に花を咲かせた姿が美しいので、

伸びた枝が邪魔にならないように、植え付け場所に考慮したい。

しだれてきた枝葉が他の植物と干渉するのを避けるため、

株元やすぐそばに別の庭木や草花を植える場合は、

予め成長したハギの動きを見極めておく必要がある。

 

シロバナハギ

まだ花が開いてなかった・・・。

 

花は長く続くものの、単体では短命ですぐに散るうえ、

葉は水枯れしやすいので、基本的に地植え。

一度水枯れを起こして、焼けて枯れた葉は元に戻らない。

見た目が台無しになるので、水枯れは避けたい。

園芸店ではこの時期、矮性のものがポットで出回るが、

大き目の鉢に植え替えて水枯れに注意しなければならない。

 

冬場は地上部はほとんど枯れてしまうので、

花が終わり、葉が散って枝もチリチリになる木枯らしの頃、

枯れてしまった枝をばっさり剪定してしまっていい。

株自体は生きているので、鉢植えの場合は、

真冬も水やりを忘れないようにしなくてはいけない。

 

 

 

挿し芽で簡単に増やすことができるが、

はっきり言って増やす必要がないほど、大きく育っていく。

病害虫にも強く、肥料や用土にもとくにうるさくなく、育てやすい庭木だ。

 

庭木として植えられているのをたまに見かけるものの、

よく探せば、雑木林や野山のあちこちで茂っている。

花の白いシロバナハギなどは目立つので見つけやすいかも。

山道ドライブや、登山道をウォーキングする際、

ススキやクズと一緒に、ハギを探してみるのもいいかもしれない。

持って行くおやつは、もちろん"萩の月”で。

 

ハギとツワブキ

 

 

カミハルムイ城に居る、侍女のハギさん(中央)。

向いのベニバナさんと会話中。

 



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