よろず戯言

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魔女の宅急便の世界展

2011-04-20 00:50:30 | アート・文化

先日の休みに、最寄りの美術館、田川市美術館へ、

角野栄子の魔女魔女ワールド 『魔女の宅急便』の世界 展”を観に行った。

 

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高校2年のとき、この美術館で美術の県展(運動部でいう県大会みたいなもの)があり、

地元高校の美術部員として、作品の搬入から展示作業、展覧時の受付やらフロアスタッフやら・・

みんなといろいろやった、実に思い出深い美術館。

自分が初めて描き絶賛され出品した油絵が、搬出時に紛失した思い出深い美術館・・・。

油絵は後にも先にも、この失われた一品しか制作していない。

 

入館してチケットを購入しようと受付へ――。

ここでギョッとする・・・。

受付のおねえ・・・いや、おばさんが魔女コスプレ!

トンガリ帽子にマント、黒ずくめの出で立ちで、

「一般一枚ですね~。」と、普通に対応してくださる。

 

展示フロアにも、魔女が!!

学芸員のおねえ・・・いや、オバちゃん達が、皆、魔女コスプレ!!

これはある種、貴重である。

いや、オバちゃんばかりでよかった。

ヘタに若くてきれいなおねえちゃんだと、作品観覧どころではなくなる恐れがある。

 

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宮崎駿 監督のジブリアニメの作品として有名な、『魔女の宅急便』。

それの原作である、角野栄子 氏の代表作の児童文学、『魔女の宅急便』。

1985年から2009年の24年に亘って、全6巻が刊行され、物語は完結している。

魔女として終業の旅に出た少女が、見知らぬ街で人と出逢い、別れ、

恋をして、悩んで、成長し、やがて結婚して、またその娘も新たに修行に旅立つというストーリー。

 

複数のイラストレーターによる、その文庫本の表紙絵や挿し絵などの原画が、

作品中の主立った文章とともに、魔女の宅急便の世界観を堪能できる。

原作者、角野氏の呼びかけによって、縁のある絵本画家やイラストレーターたちが集い、

“魔女からの手紙”という、共通のテーマで、それぞれが制作したイラストも展示されている。

 

また角野氏が個人的に収集している、人形など世界の魔女グッズのコレクション、

海外で販売されている、魔女の宅急便の本や、

蜷川幸雄 演出のミュージカルのポスター、

宮崎駿監督のアニメ映画のポスターやパンフレットなども展示されていた。

欧州では忌み嫌われている“魔女(Witch)”という言葉は使われず、

タイトルは“KiKi's ~”のように変更されている。

各国の歴史背景とともに、文化の違いも学ぶことが出来る。

 

『魔女の宅急便』という作品が生まれるきっかけとなった、

角野氏の実の娘さんが中学生のときに描いた、魔女のコミカルなイラストも展示されていた。

これが、黒いトンガリ帽子に黒いマントに、黒いとがった靴、

デカくとがった鼻をした老婆で、ほうきにまたがり、

大きな鍋で何かをグツグツ炊き、いわゆる典型的な魔女なのだが、

ほうきにラジカセをぶら下げて、音楽を愉しんでいたりする姿も描かれており、

このイラストから、現代風の魔女の物語をインスピレーションされたという、角野氏の言葉が解る。

子どもならではの発想が、ベストセラー作品を生むきっかけになったのだ。

 

展示された作品数は少ないものの、原作ファンにはたまらない企画展だろう。

自分は原作を読んだことはないが、この展覧会を観て、全巻読みたくなった。

隣接する市立図書館に立ち寄りたくなった。

 

この企画展、作品の展示のみならず、

子どもや家族連れ向けに、面白い企画もやっていた。

展示コーナーが終わると、いきなりコスプレコーナーが現れる。

 

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美術館は撮影NGだが、ここから先は撮影OKとなっていたので撮影。

 

帽子やほうきを自由に借りて、写真撮影ができるようになっていた。

空や巨大な額縁をバックにして撮影できる、ブースも用意されていた。

子どもを連れて、また来たい!

 

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そして、ほうきの運転免許テストコーナー!

なんじゃそりゃ!?

 

チェックリスト

1.ほうきにまたがり、鏡で姿をチェック。

2.ほうきにまたがった状態で、つるされたかごの中身を箸でつまんで、

  となりのかごに移す。(かごの中身がなぜか骨)

3.ほうきにまたがって助走をつけてジャンプ!

  (フロアマットが一直線に敷かれていた。)

 

美術館としては面白い試みである。

それ以外にも、おまもりや指人形が作れるコーナーもあり、

ラストは魔女や魔法使いが登場する絵本などがたくさん置かれてあり、

自由に読めるようになっていた。

完全に子ども連れをターゲットにした企画展といえる。

 

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さらに、自分が行った日は開催される日ではなかったが、

期間中、ほうき作りや、トンガリ帽子づくりなど、いろいろな企画も催されるし、

魔女のコスプレして行けば、観覧料がタダになる日も設けられている!

変装しなくとも、トンガリ帽子や、ほうき、マント、杖など持参して行くだけでもOKらしい。

 

隣接しているレストランでは、“魔女のグルメ便”なる、特別メニューも提供されている。

自分は夕方近くに行ったため、これを食べることができなかった。

期間中の限定メニューとして提供されるようなので、

機会があったらどんなものなのか食べてみたい。

料理の内容がどんなだか知らないのだが、

まさか、カエルの目玉スープとか、イモリの黒焼きなんかは出てこないだろうけど。

 

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正面の木に、ほうきが!!



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