よろず戯言

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アニメージュとジブリ展

2022-07-05 00:03:16 | アート・文化

福岡アジア美術館

(博多リバレイン センタービル)

 

休みを利用して展覧会を観に行った。

“アニメージュとジブリ展 一冊の雑誌からジブリは始まった”。

アニメ専門の雑誌、徳間書店の“アニメージュ”。

その編集者であった、鈴木敏夫氏が見出した高畑勲や宮崎駿ら。

アニメージュ発刊から、「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」が誕生し、

日本に一大アニメブームが到来し、“アニメ”というものが文化として定着する。

アニメ一大ブームが起こる創刊時の1978年から、

ジブリが誕生する’80年代までに焦点を当て、当時のアニメージュの記事や資料とともに、

今や、日本が世界に誇れるようになったアニメ文化の歴史をたどった企画展。

 

 

ジブリに関していえば、3年前に行った“ジブリの大博覧会展”。

あれは凄い展示品の量で印象的だった。

子ども連れ、迷惑なガキが多くてゆっくり鑑賞できなかったが、

なんだかんだで、自分はジブリが好きなんだなと再認識させられた展覧会だった。

 

そして今回のアニメージュとジブリ展。

アニメ専門雑誌、アニメージュ。

学生の頃から その存在を知ってはいたが、

購読したこともなければ、手に取って立ち読みしたことすらない。

まだニュータイプの方は何度か読んだ覚えがある。

その雑誌タイトルからも判るように、

表紙をガンダムが飾ることが多く、記事もガンダムのものが多かった。

あとなぜか中学の図書館にニュータイプが毎号置かれていたっけ。

 

 

自分はそれほどアニメおたくじゃない。

それほどというか、そういうふうに見られてしまうけれど、

アニメおたくではない。

ガンダムおたく、“ガノタ”ではある。

だが、アニメおたくではない。

なので、アニメージュに縁がなかったのは必然。

 

だが、これにジブリが絡んでくると話は別。

そしてそのジブリが、この雑誌によって生まれたと言われれば、俄然興味が湧いてくる。

言われてみれば、ナウシカやシータ,キキなど、

ジブリアニメのヒロイン達が表紙を飾っていた記憶がある。

アニメの歴史にも興味があるし、これは観に行くべきだと思い鑑賞に臨んだ。

 

 

リバレイン1階、美術館入口にある巨大な絵画モニュメント。

アジアをイメージしたイラストだろうか。

 

福岡アジア美術館。

ここへ来るのは山下清展以来、実に11年ぶりだ。

地下駐車場に車を入れて、専用エレベーターで7階へ―。

土曜の午前、もうすでにたくさんの来場者があった。

チケットを購入し、会場に入る。

 

 

最初に現れたのは、歴代表紙がずらりと並んだコーナー。

アニメージュの説明や歴史とともに、

いろんなアニメキャラの表紙がずらりと並ぶ。

歴代といっても、この展覧会の趣旨にもあるように、

平成~令和の最近のものはない。

創刊時から’80年代までなので、平成のはじめくらいまでか。

 

 

ジブリだけじゃなく、ルパン三世や、未来少年コナン,

じゃりん子チエや、マクロス,パトレイバー、

あとは・・・判らないんだけど、なんか見たことのあるキャラ多数。

ザブングルやイデオン,ダグラムなど富野作品も多い。

そして・・・ガンダムもたくさんあった!

初代ガンダム,ZにZZ,逆シャアにポケ戦まで!

ガンダムって、ライバル誌のニュータイプが独占していたわけじゃないのね。

 

 

順に展示ブースをのぞいてゆく。

ジブリが誕生するより以前、そこはガンダム一色だった。

宇宙戦艦ヤマトで大人もアニメを観るようになり、

機動戦士ガンダムでそのブームに火が付き、アニメージュが創刊される。

確かにガンダム公開年とアニメージュ創刊年は、おなじ1979年だ!

 

でも・・・おかしいな、初代ガンダムって視聴率悪くって打ち切りになったんだろ?

全51話が43話へ縮小されてしまい、後半のストーリーが駆け足になり、

クスコ・アルなどの登場キャラもカットされたって、ガノタの間じゃ有名な話なんだが・・・?

プラモデルを作る若者や、大人に人気が出ただけで、

チビッコのハートが掴めず、視聴率に繋がらなかったってことなのか?

 

それはさておき、ガンダムのブースをつぶさに見る。

絵コンテや原画なんかも展示されてある。

この辺は大河原邦男展や、富野由悠季の世界展でも見たことあるようなのも並ぶ。

アニメージュ誌においての、当時のガンダムの記事が面白い。

若かりし頃の富野御大、安彦良和氏のインタビュー記事や対談記事なんかも。

アニメ誌なのに、ガンプラ特集なんかもあって面白い。

撮影可能な、当時のガンプラを使用してのジオラマも数点展示されていた。

人が多くて撮影は断念した。

 

そこを過ぎると、ルパン三世や未来少年コナン、じゃりん子チエなど。

ジブリが生まれる前、宮崎駿や高畑勲らが携わっていたアニメたちだ。

ここから両氏の才能を見越した、アニメージュの編集者、鈴木敏夫氏。

宮崎駿を誌面で特集し、「風の谷のナウシカ」の連載が始まり、

それを原作として徳間書店がナウシカを映画化して大ヒット。

スタジオジブリが発足し、天空の城ラピュタの制作へと繋がる・・・。

 

 

ここからはジブリ一色。

ナウシカとラピュタを中心とした様々な資料が展示される。

絵コンテやセル画、設定画に企画書、連載漫画の原画など。

模型なんかも多数展示されていて、後半には巨大なジオラマや、

ナウシカの衣裳や武装の模型なんかも展示されていた。

撮影可能だったのでいくつか撮影した。

 

巨神兵の亡骸から芽生えた胞子、その胞子の森で形成された腐海のジオラマ。

 

虫までリアルに作り込まれていた。

撮影に夢中になっていたら、「もうちょっと離れろ!」と、スタッフに注意された・・・。

 

宙に浮かぶラピュタの模型。

あのロボットが居ないかと、ぐるっと回って探したけれど、見つけられなかった。

 

少し離れたところに・・・。

 

パズーとシータが乗ったグライダーが!

 

ナウシカ公開時の手描きの劇場看板!

でかい!

昔は映画館の看板を描く職人さんが居たんだよな。

 

ラストはアニメージュから派生したいろんなものの展示。

当時モノの雑誌の付録のトランプやポスター、

通信販売のグッズ、アニメージュ文庫や、音楽CD、etc・・・。

ガンダムのモビルスーツ図鑑ポスターなんかもあったが、

今のアニメージュの読者層には到底考えられないような、子ども向けな内容。

 

逆に堂々と“ロリコン”と表示された、

ロリコンキャラばかりを特集した小冊子やトランプなども。

その名前がロリコン専門誌からきているという、

ZZガンダムに登場したキャラクター、エルピー・プルも取り上げられていた。

 

’80年代はロリコンが社会問題にもなった時代。

あの社会を震撼させた事件、連続幼女誘拐殺人事件が起き、

ロリコンやアニメおたくが社会的に非難に晒されることに。

今の世相じゃ公然と販売できやしない内容のものばかりだ。

このブースも撮影OKだったのだが、さすがに撮るのが恥ずかしくてやめた。

プルがピックアップされたやつだけでも撮っとくんだった。

 

いよいよラストは大きなスクリーン。

創刊から現代までのアニメージュの表紙が2年ぶんずつ次々と映し出されてゆく。

40数年の歴史、こうやってみるとアニメのタッチもガラリと変わる。

平成初期、自分が中学,高校くらいのときのすら、もう懐かしく古めかしく感じる。

らんま1/2は、アニメは恥ずかしくて見れなくて、それでもシャンプーが好きだったなあ・・・。

ふしぎの海のナディア・・・アニメはただの一度も観たことがないのに、ナディアには惚れた。

あれがエヴァンゲリオンと同じひとの作品だと知るのは、ずっと後になってから。

 

2000年代になったら、もうさっぱり判らん・・・。

種ガンダムとかもあるな。

名探偵コナンや鬼滅の刃,進撃の巨人は判るわ。

これは“プリキュア”だな、これは“けいおん”ってやつかな?

バスケットボール選手・・・“黒子のバスケ”ってやつ?

サッカーキッズ・・・“イナズマイレブン”ってやつ?

なんとなく判るのもある。

ここ数年は腐女子向け雑誌になっているのか、やたら野郎が表紙のものが目立つ。

女子も公然とアニメおたくを主張できる時代。

こういう時の流れを感じられるのも面白い。

 

展示室を抜けてお待ちかね、物販コーナー。

すごい人でごった返していて、ゆっくりと商品を見れない。

ただ、ほとんどがジブリグッズなので期待外れ。

アニメージュの表紙そのままのポストカードやクリアファイルがあったけれど、

ガンダムのものがなくて残念。

版権の関係でガンダムはアウトだったのかな?

ZやZZのが欲しかった。

 

福岡の会場限定で、ナウシカやラピュタのかっこいいデザインの、

博多織のコースターやブックカバーなんてのもあったが、

どれも高額過ぎて庶民にゃ無理。

あんな高いと購入しても実用できないわ。

本そのものよりも高いブックカバーて・・・本末転倒じゃない?

  

王蟲と腐海の胞子たちがデザインされたTシャツを買った。

 

とりあえずナウシカとラピュタが表紙のポストカード、

あと懐かしさもあって、ミンキーモモとクリィミーマミが表紙のポストカード。

いや、ふたつとも妹が観てたから一緒に観ていた記憶があるが、内容をほとんど覚えていない。

魔法少女モノだと、ひみつのアッコちゃんだけは印象に残ってるが・・・。

それと大好きなイラストレーター、天野喜孝氏がキャラクターデザインを務めた、

アニメージュのオリジナルアニメ、“天使のたまご”っていうOVA作品のポストカードを購入。

その原画も数点展示されていたが、やっぱり天野氏のイラストは神秘的でカッコイイ!

 

自分がポストカードを物色していたら、後ろで女の子二人組。

ひとりが興味深そうに近づいてきて、もうひとりに何か言っていたが、

そのもうひとりが、「自分で描いた方が早くね?」とか言いやがる。

はぁ?

こいつプロ気取りか!

見れば、いかにもな腐女子。

アニメ好き,ゲーム好きの女友達が欲しかった・・・なんて淡い思いを抱いていたけれど、

実際こういう子ばかりなんだと思うと、やっぱおたく女子は嫌だわ。

 

購入したポストカード。

ラピュタとナウシカ表紙。

他にもたくさんあったが、収拾つかなくなるので、この二点だけで我慢。

 

クリィミーマミとミンキーモモ表紙のポストカード。

’80年代を代表する魔法少女アニメ。

今になって感じる、ミンキーモモのハマーン様感。

帰宅して このポストカードをじっくり見て思い出した!

ミンキーモモの隣に居る謎の動物、コイツのぬいぐるみが、昔 家にあった!

妹が持っていたのだろう。

 

天野喜孝氏がキャラクターデザインを務めた、天使のたまごの表紙のポストカード。

この作品の絵コンテや原画なんかも展示されていたが、すごくかっこ良かった。

天野氏のファンだけど、このアニメ作品は知らなかった。

 

ポストカードのスタンプ部分は、それぞれのアニメのシンボリックなマークが!

これ他のアニメのやつも見てみたかった!

 

この展覧会とコラボして、福岡アジア美術館が入っている商業ビル、

博多リバレイン内の飲食店で、ジブリ作品をイメージした限定メニューがあった。

美術館を出たのが ちょうどお昼。

どれどれ、せっかくだからコラボメニューを食べてみようじゃないか!

そう思ってメニュー一覧を見てみたが・・・名前だけやん!

しかもバカ高い・・中洲川端価格!

 

名前こじ付けコラボメニュー。

参加した飲食店側、ジブリ作品にあんま思い入れないだろ。

もうちっと考えられなかったのかと。

 

もっとこう、シータのシチューとか、パズーのハムエッグトーストとか、

ドーラがかぶりついたロブスターとか、おばあさんのニシンのパイとか、

サツキのめざしと桜でんぶのお弁当とか、キキのホットケーキとか、

ピッコロ家の晩餐のスパゲッティとか、リンがかっぱらってきた饅頭とか、

地球屋のじいさんのアツアツ鍋焼きうどんとか、

千尋のお父さんが吸い込んでいた謎の料理とか、サンが口移しでくれた干肉とか・・・。

そういう再現されたやつを期待していたら、料理の名前だけでジブリらしさ皆無だった。

けっきょく何も食わずに帰宅してカップ麺食べましたとさ。

 

すごかったのがこれ。

段ボールで作られた王蟲!

宮城県にある梱包資材メーカー作。

リバレインの1階に展示されていた。

ゴジラ展で見た、段ボールゴジラもこの会社制作だったんじゃ?

・・・と思って調べてみたら、違ってた。

 

全長2mほどだったけれど、凄い迫力だった。

こんなのがリアルでいて、遭遇でもしたら死を覚悟するな。

 

福岡展は今度の日曜まで!

 



2 コメント

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Unknown (mcm0815)
2022-07-05 08:57:05
学生の頃、声優グランプリとアニメージュを買ってたから(すぐにお金が無くなってた)ね。

しかし、凄い展示会ですね!
これは、是非行ってみたいです。
北海道に来ないかなぁ?
見どころたくさんでは無いですか!

レストランね、そんなもんですよ。。。
たけおさんが思うようなメニュー並べたら、絶対に人入ると思うんだけどな。
しかし、口移しの干し肉はさすがに(笑)。

王蟲2mでも死を覚悟するって凄い迫力だったんだろな。
実際はカラーだし動くし。
確かに恐ろしす!

すごくワクワクする展示会でした!
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4mのリアル王蟲も見ましたよ ()
2022-07-05 19:06:39
みはねさんこんばんは、コメントありがとうございます。
 
声優専門の雑誌なんてのもあるんですね、知らなんだ。
そして、アニメージュの愛読者だったんですね。
だとしたら、行くべき展覧会ですよ。
 
ただ、巡回スケジュール確認したら、福岡の後は広島で開催され、
その後は福島で開催で、それ以降は予定が記載されていません。
福島でフィナーレの可能性もありますが・・・。
 
既に東京や大阪などは終了していますが、
北海道での開催はまだのようですね。
福島の後に開催されればいいですね。
 
王蟲はもっと巨大なリアル模型を見ました。
段ボールではなく、本物のようなリアルなやつを。
子どもたちが泣き叫んでましたね・・・。
そのときの記事もありますので、よかったらどうぞ。
 
https://blog.goo.ne.jp/takeo_1213/e/22a6edebf000e4e31ab912c3eb819a0d
 
コラボメニュー、せっかくなんだから何か食えばよかったなと後悔しています。
ブルジョア向けの商業施設なんで、飲食店もランクが上。
ふだん食べることのないものが味わえたかも・・・。
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