このところ、キノコのニュースが続いた。
北部のスペインとの国境に近い村や町で、天然のキノコの即売やレストランでのキノコ料理が話題になっている。
そのあたりでは、村の老人たちが籠と杖を持って付近の山でキノコ採集。それを農協に持っていって買い上げてもらう~そして農協には集めたキノコをスペインやフランスなどから買い付けに来る、というのが、今までのニュースの定番だったが、今年はちょっと違う。
キノコといえば、スーパーなどで売っているコギュメロス(マッシュルーム)ばかりを食べていた人々が、野生のキノコ祭に出かけて袋詰めを買っている。今までと流れが違う!
私たちが山で採ってきた野生のキノコを見せたら、「こんなの食べたらオエ~だよ」と笑い飛ばしていたポルトガル人たちの目線が変わってきたのか!
そういえば、近くの里山を歩くと、なんとなく人の歩いた気配がする。
キノコの知識を持った人が探し回ったような感じがする。このごろ東欧からの移民が急激に増えているが、彼らは山のキノコのことをよく知っている。
私たちはキノコの写真を撮ることが目的で山を歩いているが、食料としてキノコ探しに来ている人にとっては毒キノコなどはとんでもない!と思うのか、ときどき蹴っ飛ばした跡がある。
先日もタマゴテングダケの写真を撮ろうと出かけたところ、立派な大きさに育った猛毒のタマゴテングダケ?が蹴飛ばされて無残にも砕けていた。
このキノコは、日本ではほとんど見られないとかで写真を撮りたくても、撮れないらしい。でもポルトガルでは11月半ばからぼこぼこと出ているから、ひとつやふたつ蹴飛ばされてもしょうがないかもしれないが、姿の良いキノコの写真を撮れなくて無念。
蹴飛ばされてしまった猛毒のタマゴテングタケ?と幼菌。
キノコのニュースの舞台になった北部の山岳地帯では、驚くべきニュースが伝えられた。
オオカミが出るという。
山裾の村では、羊や小牛が襲われて腹を食われた無残な姿で死んでいた。牧用犬も2頭やられたらしい。ロバは無事だったそう。
そういう村では老人が多い。彼らは数頭の牛や羊を飼い、それが唯一の収入なのだろうと思う。それを殺されたのでは、泣くに泣けない。
ヨーロッパではオオカミはすでに絶滅したと聞いたことがあるが、ポルトガルの山に生息していたとは!
以前から山猫はいるらしいと聞いていたが、オオカミまでいるということは、恐ろしい。
私たちも近くの里山だけでは満足できなくて、ちょっと遠くの山まで行ってみようかと思い始めたところだが、オオカミがいるとなったら、うかうか山歩きなどできないな~。 MUZ
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