🎨 田舎の画家の呟き 🎨

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うららかな朝

2022-08-22 19:58:55 | 日記

                                  うららかな朝  333 × 242 cm  F4号

 

 

「うららかな朝 」この絵画は令和三年 (2021)の制作です。

奥秩父の名も分からぬ集落を車を転がしていて偶然に遭遇しました。

桜が平地より半月ほど遅く今を盛りに咲きほころんでいます。

してその奥には農家の古民家が佇んでいて、雨戸はまだしまっています。

日曜の朝早くこの場所は時間がゆったりして何故か心が引き付けられました。

絵画を制作する5年も前のことです。

心内で「おじゃましまぁ~す」と声を掛け無断でよそ様の庭へ入りこみレンズを向けました。

良い子は真似をしないようにね無断で侵入は犯罪ですよ。

主役は勿論古民家ですね。

さくらには申し訳ありませんが脇役です。「すいません」

私の好きなアイテム軽トラが行儀よくしています。「かわいい~ぃ」

何故か制作に至るまでに5年も要してしまったのか自身も分かりませんがきっと心の何処かで

そっとしておきたかったんだろうと今になって思います。

 

さて、今回は日本で二番目に高い山北岳の頂上での国際的いざこざを書いてみます。

北岳は(3193.2m)、南アルプスの北部に鎮座する富士山に次ぐ標高を掲げています。

大樺沢~左股沢~八本歯のコルのは岩場の急登で北岳に続く分岐へと着く、この日は

秋の低気圧が近づき天候は今一つ冴えない状態でたっぷりと水分を含んだ黒みを帯びた雲が向かってくる。

「これは荒れるなぁ」と山の友が言う。

「早めに頂上を攻めて北岳山荘まで走ろう」ともう一人の山の友の声。

「おぉ!」と威勢のいい声で返すパーティー等の声で北岳の頂上へと登る。

 

この時の山行メンバーは少し変わっていました、なぜなら国際パーティーです。

日本隊3名ドイツ隊3名の6人です。

当時ドイツのアルパイン会員メンバーは何故か私の家がベースキャンプでした。

ドイツの長い夏休みも終盤になり心置きなく戯れるメンバーで白根山山縦走の決行となった。

 

縦走路は完全にガスって3m程の視界の中迷う事はないが稜線からの滑落には気を付けねばならない。

「おい、山頂らしき物が見えるぞ」「それに既に登山者が数人いるようだなぁ」

そんな言い合いをしている間に山頂へ辿り着いた。

風が雨を含んでいるのか雨が風を含んでいるのか一段と強く横殴りに雨具を揺らす。

 

既に頂上には大人3人子供1人の人達が寒さに震えていた。

よく見れば雨具など着けておらずジーンズやジャンパーなどの軽装でましてや男の子などは全身濡れネズミに

なり唇が何気なく青い様子なので私はおもむろにザックからチョコレートだし男の子へ食べなさいとあげた。

 

その刹那女性の怒鳴り声が強風に負けず劣らずの大声で私へ怒鳴り着ける。

女性が居たのかなどと、どうでもいい事を考えている間もその女性は私を怒鳴りつけていた。

正直なところ訳が分からないというところです。

 

そこへ我らメンバーのB氏がドイツ語で仲裁に入ると向こうの男性も参加してきたのでこちらのドイツ人R氏も参戦する。して外人3人同士でもめている。

「何でこうなるんだ」分け解らず我らJAPAN3人組はそれを観戦していた。

 

天候はますます悪くなる遭難者が出てしまうではないか。

「B嵐がひどいから小屋へ急ごう」と伝えると彼は親指を立てた。

 

嵐の中を駆け足状態で来た登山道を下り北岳山荘へと逃げ込んだ。

素泊まりなので我らで夕餉を揃えて北岳頂上での出来事を聞いた。

彼らは東ドイツの人で東京の大使館員だと言う事だった。

そして私の行いを諫めたのは勝手な振る舞いは許せないとのことで私へ注意したのだと。

時と場合には日本式マナーも受けることも必要ではないかと話している内に男たちと国の話になり

我ら日本人とのことや当たり障りのない話をしたとのことでした。

 

一方の東側はパーティーは我らパーティーから遅れること30分後に小屋へ入るのを確認した。

翌日の快晴の中縦走を続ける我らと会っても挨拶もしないし我らの西側の者とも一切の話をせず

彼らは下るルートへと消えて行った。

 

 

西ドイツと東ドイツの人達が日本の中央の山頂で嵐の中井戸端会議を行いました。

以上、現場からお伝えしました。

 

長文になってしまいました。

 

 

 


「私、尾瀬に行くの」とお嬢様は言う。

2022-08-06 18:34:57 | 日記

                                                                    上  尾瀬沼と燧ヶ岳 F6号 下尾瀬ケ原と至仏山 F6  共に 410 × 318cm

 

 

「私、尾瀬に行くの」とお嬢様は白い歯を輝かせ言う。

高校時代です。 お嬢様は二つ先の教室の生徒で私とは同級生になる。

小麦色の肌からこぼれる白い歯が眩しくて「あっ あぁぁ」と訳の分からない言葉で答えに成っていない返答を返す。

黒目がちの瞳が遠くを見がちに輝く。

何故か恥ずかしくて下を向いてしまった青春の一コマ。

 

尾瀬・尾瀬 なんて響きの良いワードなんでしょうか。

いつか尾瀬に行こうとその時に思ったのは確かです。

 

尾瀬国立公園 群馬県、福島県、新潟県の3県にまたがる高原で、

♬夏が来れば思い出す♬と誰もが知るところの水芭蕉で有名です。

 

 

「尾瀬に行こうぜェ」と山仲間に言った。

「アルプス命のお前が尾瀬?」彼は呆れたように目で笑っていた。

 

大清水から一ノ瀬そして1760mの三平峠、眼下に尾瀬沼の全容が6月の陽をなかで輝くその向こうには燧ヶ岳のが聳える。

尾瀬沼を左に見なが6月の爽やかな大気の中を馬鹿を云いながら楽しく歩む気楽な山行です。

沼尻休憩所でその名の通りに小休止をする。

下田代十字路を抜けその先の竜宮十字路を北へ今夜のねぐらの東電小屋への道へと歩む。

ヨッピ吊橋まではほんの僅かの距離二人は相変わらずの馬鹿な話で大笑いしながら歩む。

 

「すみません」後ろから声がかかる。

「うん!」といったかわからないが振り返る。

「NHKの者ですが、番組とってますので少々待っていてください」

「あっ そうですか。分かりました」と気前よく答えた。

すると夏服のハイカー仕立ての服装の女性が付き人らしき者と我らを通り越して服装点検など付き人が気遣っている。

眼鏡のNHK男子は、「あの女性の方知りませんか?」と当人へ指をさしながら聞いてくる。

「知りませんね」素直に答えると「女優さんですよ」とNHK眼鏡が催促するので我ら二人な声を揃えて[「知りません」

 

東電小屋へ宿泊手続きをして早速三条の滝へと向かう。

三条の滝は大迫力な容姿で迎えてくれた豊富な水量は見事なものです。

 

その夜は、満足な行程でビールがとても美味しかった。

彼もまんざらでもないように尾瀬を称賛してくれた。

彼のその瞳はあのお嬢様の眼のように遠くを見つめているようです。

白い歯をこぼしながら「私、尾瀬に行くの」と言ったお嬢様。

恥ずかしくてバカのようにうつむくあの頃の自分。

気持ちよい酔いに誘われ寝具に収まると夜は深く沈んゆく、朝は明ける。

 

今日は鳩待峠までの間3時間と少しの行程なので我らの歩みは弾んでいる。

彼は山の歌を謡いながら歩む私もつられ後に続き歌う。

相変わらずの音痴だよなぁー」いつものお決まりを口にする。

 

お嬢様が歩いたコースを今終わろうとしている。

 

その後尾瀬には両手に余るほど行きました。

燧ケ岳、至仏山、早春のクロスカントリーと遊んだ。

季節の花々と大きな空がいつも迎えてくれる尾瀬です。

 

じゃぁまた。