🎨 田舎の画家の呟き 🎨

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レンブラントが好きだつた頃とその後。

2023-08-27 18:05:27 | 山が好き

                  一寸・英吉利 333 × 242 F4号

 

「画家で一番好きな人いますか」。と聞かれたら「レンブラントです」と即答します。

皆さんもレンブラントと言うオランダの画家を耳にしたり或いは画集で見たりしたでしょうか。

光と影の明暗を明確に表現する技法を最も得意とする1600年代のオランダの画家です。

闇の中に美しく表現される世界観がとても素晴らしいんです。

 

ある日、私の好きなレンブラントの思いを打ち破った一人の洋画家が居ました。

その人は日本人洋画家です。

もう。 40年以上前の出来事ですが良かったら聞いてください。

 

当時の私は横浜の港に絵を描くため週末毎に通っていました。

横浜の港には、やはり週末私同様に多くの画家達が通い様々な場所で絵を描いています。

今、思いだしてもいい時代だと懐かしさが体内で高まります。

現在はMM21で見事に現代的な変貌に姿を変え当時の面影は残念ながら感じません。

 

ある年の夏、ある女性から (面識は既にありました) 「来週末妙義山へ一泊で絵を描きに行きませんか」

突然声を掛けられキョトーンとしている私の顔を覗きながら更に「私都庁へ勤めていて都の絵画クラブ

で絵を描いている小百合と言います」面識はあったものの初めての会話が唐突過ぎます。

「画家さんに合わせたい先生が居るんです。その先生に是非会ってください」熱望アピールに負け承諾してしまった。

 

妙義山は秋の佇まいでとても艶やかに着飾っていました。

都の絵画クラブの皆と挨拶を終え小百合さんと共にイーゼルを立て居ると先生が「もう長いのかね、絵は」

と声掛けをしてくれる「中々思うようには・・・」と謙遜すると「そうか そうか」一区切りして

「小百合君が、連れて来るんだから何かあると思うんが」謎を残しながら他の生徒へと移って行く。

 

秋の暖かい日差しと幸福に満ちた時間の中で絵は着実に進んでいきます。

その時私の背で「なるほど、そう言う事か」と先生は独り言のように呟いた。

「画家君、付いてきなさい」と言うなりソクソクと歩きだしその後を私は追う。小百合さんも何故か付いて来る。

先生が描いている場所には先生の絵がイーゼルに掛かっているカンバスに描かれた絵の色具合が私の色具合に似ていた

いや、失礼も甚だしい先生の足元にも及ばない私の絵をいやしくも同じように思うとは何たる事かと自分を戒めた。

 

「ねっ、先生世の中には偶然だとしてもこんなにも似ているんですね」と笑った。

「こちらの先生は I.T先生よ」

「I.Tさんですか? 名前は存じていましたが最初から先生だと知っていたらきっとココへは来ていないかも」

「小百合さんも人が悪いですよ」TVドラマのような会話をしたのを思い出す。

 

私の絵は先生の絵には遠く及ばないが、先生の素晴らしい色使いを私に見せて付け感動を打ち付けた。

何気ない描きこみにも鋭くも優しい色をスッと描く技術には舌を巻くしかなかった。

I.T先生の裸婦像の肌の色は健康的な肌をしている、明るく健康的な肌をどのように思いついたのだろうか。

小柄で優しくて画家としての自信が人としての重みになり、信頼と希望を私にくれた。

先生は平成10年に90歳で永眠しました。

 

 

今回はこの辺で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


本業画家の話をしてみよう。

2023-08-20 22:03:27 | 日記

                  村の小川 -  333 × 242  F4号

 

たまには本業の絵を描くと言う事を、気張らず書いてみます。

子供の頃から色を使って何かを描くことが好きな少年でした。

それなりに上手に描いていたと思う。

近所でも「末は画伯だ」などと大人たちが言っていたのを聞いたことがあるような気がする。(笑)

 

私はあることによりバラの絵を描くことが出来なくなった。

今でも鮮明に思い出せるほどだ、小学4年の夏休みの宿題の為母から買ってもらった三輪の黄色いバラ、

今この目の前に有るかのように思い出させる黄色のバラの花。

とにかく一心不乱に描き仕上げた絵を母も褒めてくれた事を覚えている。

 

二学期が始まりクラスの皆が宿題のテキストや絵日記などを先生の机の上へ積み重ねて行く、私も皆に続いて

自信を込めた黄色いバラの絵を一番上にして提出して自分の席へ戻るいなや、画家君チョッと来なさいと呼ばれた。

てっきり褒めてくれるのかと少し頭の何処かで勝手に思っていたが先生の厳しい目が私を指していた。

 

「君ね。大人に描いてもらった絵はダメでしょう」と先生は乾いた声で言う。

「僕が描きました」

「嘘、おっしゃい」 「描ける訳ないでしょ。小4ですよ君は」

「ハイ、持って帰りなさい」

 二学期のスタートから私の小学生活は闇の中へと落ちて行く。

 

学校からの帰り道の何処かで先生から返されたバラの絵を細かく破いて捨てた。

覚えているのはそこまでだが以降花の絵は数多く描いてきたがバラの絵だけは一切描けなくなった。

 

これからは画家の面の私の内面や絵画教室などでのエピソードなどを記していきますのでよろしくお願いします。

ではこれで。