『露草協会』(一緒に晴らしませんか高瀬露の濡れ衣)

宮澤賢治がとても世話になった高瀬露。ところが現実は、露は〈悪女〉にされている。その濡れ衣を晴らさんとするブログである。

「第六章 告白する女、しりぞく男」(あやかし・前編)

2018-12-22 09:30:30 | 「Wikipediaの高瀬露」
《ヤマルリトラノオ》(平成30年7月19日撮影)

鈴木 では、その「第六章 告白する女、しりぞく男」において、露に関して述べられていることのうちでこれは「あやかし」だと私が判断している項目を以下にリストアップしてみたい。
 なお、
   断定できるだけの根拠がないものについては×印
   断定できる根拠があやういと思われるものについては?印
をそれぞれに付ける。
(1) ×(露は)自ら賢治に気持ちを告白する一途な女性で(138p)
(2) ×(露は)賢治のことを本気で愛したのだ。(142p)
(3) ?(露は)嘉藤治-賢治の音楽サロンにも参加していた。(142p)
(4) ×(露の)女のこころにあこがれの小さな火がともる(142p)
(5) ×あこがれた賢治がきんりんにやってきて、ひとりで暮らしている。露のこころが騒いだ。(142p)
(6) ?「先生にわたしを紹介してくれませんか」露はそう頼んできた。(142p~)
(7) ?「わたし(露)は先生の洗濯物や買い物の世話をしたいと思っています」(143p)
(8) ?女(露)のほうから「紹介してくれ」と言ってくるのだから、時代と場所を考えるとその積極性は特段のものであろう。(144p)
(9) ×女(露)はすでに恋が始まっていた。(144p)
(10) ×露の行動は、自然と大胆になってくる。(144p)
(11) ×露は真剣だった。(144p)
(12) ?(露は)やがて貸してほしいとも言い出した。賢治が親しんだ本を、自分も読んでみたいという申し出である。(145p)
(13) ×それにしても物怖じしない女性である。野性的な情熱であるといってもよい。(145p)
(14) ×本を返すのは名目であり、あるいは借りるのも名目であった。賢治に会いたい。すがたを見たい。露の恋ごころは重症化してきた。(145p)
 そして以下が、拙著で引用した部分に関わるもので、
(15) ×無邪気なまでに情熱が解放されていた。(145p)
(16) ?露は賢治がまだ床にいる早朝にもやってきた。(145p)
(17) ×一日に何度も来ることがあった。(145p)
(18) ×露の行動は今風にいえば、ややストーカー性を帯びてきたといってもよい。(145p)
 …………
吉田 これで、先ほど話に出てきた個所までが終わったから、ここで一休みして、これらについて検証してみた方がいいと思うのだが……それにしても、これだけ×印が多いということに唖然とするね、僕も。
荒木 んだんだ。それにしても、たったここまででこんなにあるんじゃ先が思いやられるべ。最後の2ページ144p~145pなんか×印の天こ盛りじゃないか。
鈴木 ただし、もう少し丁寧に言い換えて繰り返すが、
 ×印の項目は断定できるだけの典拠等はないし、澤村氏が検証したものだとも言っていないもの。
そして
 ?印については誰かが言ったいうことになっているが、それはただ一人のそれであり、当然それだけではそのことを根拠にして断定はできないというもの。
だ。
 だからまず、少なくとも×印や?印の付いた事項は「あやかし」であるということを知ってほしい。そしてこれらについては吉田の言うとおり、ここで検証する必要はあろうが、後ほど、「Wikipediaの高瀬露」との関係でいずれ検証せねばならないだろうから、その時まで待ってくれないか。
吉田 それもそうだな。
鈴木 なお、×印や?印はまだ他にもあるかもしれないが、そこはお目こぼしを。
荒木 たしかにお前はちょっとそそっかしいところがあるからな……
鈴木 おいおいはっきり言いすぎだよ……
荒木 俺は嘘は言えんからな。でもまあ、お前が今言ったことがもし真実であったとするならば、これらを典拠とした論考は砂上の楼閣だべ。
吉田 たしかに。僕の知る限りでも、基本的には鈴木のさっきの見方とほぼ同じだから。
荒木 じゃもう結論は見え見えだけど、「Wikipediaの高瀬露」を検証するとなれば、この「唯一の出典」であることになる「第六章 告白する女、しりぞく男」についてだけは最後まで今のようにリストアップせねばなんねぇべ。
鈴木 わかった。でももうちょっと休ませてくれ。我ながら、こんなにリストアップすべき項目があったのかと今更ながら吃驚しているもんで。

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