ベルゲンはノルウェーの南西の沿岸部に位置するノルウェー第二の都市です。中世ヨーロッパの商人連合であるハンザ同盟の拠点として、ノルウェー名物の干しダラ貿易で一山当てて繁栄した港湾都市は、美しい町並みと多くの文化施設を有するノルウェーの古都です。街の美しさに加え、フィヨルド観光の拠点でもあることから、観光地としても大変人気があります。ノルウェーで唯一、夏季限定ながら日本からの直行便が運行されています(首都であるオスロへは季節を問わず直行便はありません)。ベルゲン市民は歴史ある美しい街を誇りとし、自己紹介の際には「ノルウェーから来ました」とは言わず「ベルゲンから来ました」と言う、という有名な話があります。
港町であるベルゲンには魚市場があり、朝から夜まで観光客で賑わいます(札幌でいうと二条市場のような感じですかね)。露店では獲れたてのエビやサケ、タラなどの串焼きや、名物であるフィッシュスープが売られています。


刺身クオリティのサケやタラの串焼きは、レアで提供されます。どれも美味しいですが、特にエビは怖いほどぷりっぷりで歯応えがあり、味も最高でお勧めです。
ノルウェーの魚文化には日本と似ている点が数多くあります。サケやマス、タラはもちろんですが、その他にも日本人には馴染みの深い食材を目にすることができます。

サケの切り身に混じって、アンコウが一匹まるまる置いてあります。後日改めてご紹介しますが、アンコウ料理はベルゲン名物の1つです。

左側はサバの開きです。日本の開きよりも燻製香が強く、「開き」というよりは「燻製」です。また、右側はニシンの燻製です。

そして、欧米では極めて珍しいクジラ肉(中央)です。「これ何?」と尋ねたドイツ人が、正体を知って「うぇ、マジかよ。。。」と顔をしかめていました。ノルウェーでは日本と同じ程度にクジラ肉が売られており、ベルゲンの魚市場ではクジラステーキやクジラバーガーなどが売られています。クジラ料理もベルゲン名物ですが、魚市場のクジラ肉はイマイチなので、食べるならレストランで食べることをお勧めします。
さて、魚市場のすぐ近くには、ブリッゲン(Bryggen)と呼ばれる木造建築群があります。ブリッゲンはハンザ同盟時代の木造倉庫群で、世界遺産にも指定されています。

左側の小さな三角屋根のカラフルな木造建築がブリッゲンです。ブリッゲンは同じような形状の木造建築が文字通り密着、まさにゼロ距離で並んでいます。ゼロ距離の木造建築群なんていかにも火事に弱そうですが、実際に何度も火災に見舞われ、その度に同じものを再築したそうです。とんだ意地っ張りですね。ブリッゲンは現在もレストランや博物館などとして利用されていますが、いかんせん古いので、適宜修繕しながら利用しているようです。裏側や内部も見ることができますが、あちこち補強してあるのが分かります。

上の写真でも金属製の補強の柱が確認できますが、この補強がなければもはや建築物として成立しません。「崩壊の危機」と「その場しのぎの修復」を繰り返す、ちびっ子の秘密基地のようなドキドキする構造に仕上がっています。
ブリッゲンに限らず、ベルゲンの建物の多くはすこぶる密着しています。また、町全域に坂が多いことも特徴です。似たような形状の建物が坂道に林立する様子は、見る分には美しいですが、実際に住むとなると困難も多そうです。特に雪が積もると、街中が滑り台になりそうです。楽しそうではありますが、毎日だと飽きますね。以下の写真は、ベルゲン出身のノルウェー人に教えてもらった、観光客は通常足を踏み入れない散策スポットから撮影したものです。特にHaugeveienとØvre Blekeveienという通り付近からは、かわいい町並みと素晴らしい眺めが楽しめます。





「駐車禁止」と書かれていますが、車が進入する余地はありません。
市街地のある中心部は平地で、美しい町並みの中に多くの美術館や博物館、湖や広場、ノルウェーに4つ(!)しかない大学の1つであるベルゲン大学(大脳半球機能差研究で著名なKenneth Hugdahl教授がいらっしゃいます)などの文化施設が多数有ります。

美術館前の広場からの町並み

美術館前の広場にある、集中放水を浴びる子ども像

ベルゲン大学

魚市場前の通りに座り込む、うらぶれた男性像

美しい煉瓦造りの聖ヨハネ教会
美しい町並みと充実した文化施設は、さすが古都です。町並みの美しさはオスロより上だと思います。
ベルゲンは港町であると同時に、周囲を7つの山に囲まれています。そのうちの2つであるフロイエン山(Fløyen)とウルリケン山(Ulriken)には、交通機関を利用して頂上の展望施設に行くことができます。
フロイエン山へは魚市場の近くからケーブルカーが出ています。山の高さはそれほどでもありませんが、ガラスの柵で囲まれた展望台からの眺めは、ベルゲンの町並みを適度な距離感で一眸できます。ベルゲンの雲は高度が低いため、雲下に広がる町並みも美しく、晴れの日はもちろん多少天気が悪い場合も十分に楽しめます。雨上がりには、銀色の雲の合間から古都に光が射し込む幻想的な光景を見ることができます。

撮影:妻
一方、ウルリケン山の展望台へは、ロープウェイで行くことができます。ウルリケン山は高さが643mあり、展望台正面にはベルゲンの町並みやフィヨルド、背後には大自然が無限に広がっており、まさに360度の大パノラマです。


フィヨルドと同様に、非日常的な色彩コントラストで遠近感がうまく伝わりませんが、切り立った斜面の遙か下に町並みが見え、その更に向こうにフィヨルドや他の山々が見えます。美しい町並み、フィヨルド、雄大な山々を一度に見ることができる展望台というのは、世界にもそうないと思います。ウルリケン山ツアーバスに"You haven't seen Bergen until you've been up Mount Ulriken"(ウルリケン山に登るまではベルゲンを見たとは言えない)と書かれていますが、大口を叩くだけのことはありますので、こちらもお勧めです。
港町であるベルゲンには魚市場があり、朝から夜まで観光客で賑わいます(札幌でいうと二条市場のような感じですかね)。露店では獲れたてのエビやサケ、タラなどの串焼きや、名物であるフィッシュスープが売られています。


刺身クオリティのサケやタラの串焼きは、レアで提供されます。どれも美味しいですが、特にエビは怖いほどぷりっぷりで歯応えがあり、味も最高でお勧めです。
ノルウェーの魚文化には日本と似ている点が数多くあります。サケやマス、タラはもちろんですが、その他にも日本人には馴染みの深い食材を目にすることができます。

サケの切り身に混じって、アンコウが一匹まるまる置いてあります。後日改めてご紹介しますが、アンコウ料理はベルゲン名物の1つです。

左側はサバの開きです。日本の開きよりも燻製香が強く、「開き」というよりは「燻製」です。また、右側はニシンの燻製です。

そして、欧米では極めて珍しいクジラ肉(中央)です。「これ何?」と尋ねたドイツ人が、正体を知って「うぇ、マジかよ。。。」と顔をしかめていました。ノルウェーでは日本と同じ程度にクジラ肉が売られており、ベルゲンの魚市場ではクジラステーキやクジラバーガーなどが売られています。クジラ料理もベルゲン名物ですが、魚市場のクジラ肉はイマイチなので、食べるならレストランで食べることをお勧めします。
さて、魚市場のすぐ近くには、ブリッゲン(Bryggen)と呼ばれる木造建築群があります。ブリッゲンはハンザ同盟時代の木造倉庫群で、世界遺産にも指定されています。

左側の小さな三角屋根のカラフルな木造建築がブリッゲンです。ブリッゲンは同じような形状の木造建築が文字通り密着、まさにゼロ距離で並んでいます。ゼロ距離の木造建築群なんていかにも火事に弱そうですが、実際に何度も火災に見舞われ、その度に同じものを再築したそうです。とんだ意地っ張りですね。ブリッゲンは現在もレストランや博物館などとして利用されていますが、いかんせん古いので、適宜修繕しながら利用しているようです。裏側や内部も見ることができますが、あちこち補強してあるのが分かります。

上の写真でも金属製の補強の柱が確認できますが、この補強がなければもはや建築物として成立しません。「崩壊の危機」と「その場しのぎの修復」を繰り返す、ちびっ子の秘密基地のようなドキドキする構造に仕上がっています。
ブリッゲンに限らず、ベルゲンの建物の多くはすこぶる密着しています。また、町全域に坂が多いことも特徴です。似たような形状の建物が坂道に林立する様子は、見る分には美しいですが、実際に住むとなると困難も多そうです。特に雪が積もると、街中が滑り台になりそうです。楽しそうではありますが、毎日だと飽きますね。以下の写真は、ベルゲン出身のノルウェー人に教えてもらった、観光客は通常足を踏み入れない散策スポットから撮影したものです。特にHaugeveienとØvre Blekeveienという通り付近からは、かわいい町並みと素晴らしい眺めが楽しめます。





「駐車禁止」と書かれていますが、車が進入する余地はありません。
市街地のある中心部は平地で、美しい町並みの中に多くの美術館や博物館、湖や広場、ノルウェーに4つ(!)しかない大学の1つであるベルゲン大学(大脳半球機能差研究で著名なKenneth Hugdahl教授がいらっしゃいます)などの文化施設が多数有ります。

美術館前の広場からの町並み

美術館前の広場にある、集中放水を浴びる子ども像

ベルゲン大学

魚市場前の通りに座り込む、うらぶれた男性像

美しい煉瓦造りの聖ヨハネ教会
美しい町並みと充実した文化施設は、さすが古都です。町並みの美しさはオスロより上だと思います。
ベルゲンは港町であると同時に、周囲を7つの山に囲まれています。そのうちの2つであるフロイエン山(Fløyen)とウルリケン山(Ulriken)には、交通機関を利用して頂上の展望施設に行くことができます。
フロイエン山へは魚市場の近くからケーブルカーが出ています。山の高さはそれほどでもありませんが、ガラスの柵で囲まれた展望台からの眺めは、ベルゲンの町並みを適度な距離感で一眸できます。ベルゲンの雲は高度が低いため、雲下に広がる町並みも美しく、晴れの日はもちろん多少天気が悪い場合も十分に楽しめます。雨上がりには、銀色の雲の合間から古都に光が射し込む幻想的な光景を見ることができます。

撮影:妻
一方、ウルリケン山の展望台へは、ロープウェイで行くことができます。ウルリケン山は高さが643mあり、展望台正面にはベルゲンの町並みやフィヨルド、背後には大自然が無限に広がっており、まさに360度の大パノラマです。


フィヨルドと同様に、非日常的な色彩コントラストで遠近感がうまく伝わりませんが、切り立った斜面の遙か下に町並みが見え、その更に向こうにフィヨルドや他の山々が見えます。美しい町並み、フィヨルド、雄大な山々を一度に見ることができる展望台というのは、世界にもそうないと思います。ウルリケン山ツアーバスに"You haven't seen Bergen until you've been up Mount Ulriken"(ウルリケン山に登るまではベルゲンを見たとは言えない)と書かれていますが、大口を叩くだけのことはありますので、こちらもお勧めです。