れいの如く

朝鮮半島関連の所感を書きます。

映画「めぐみへの誓い」感想

2021-06-27 20:37:13 | 感想文
 話題の映画「めぐみへの誓い」、遂に鑑賞しました。本来ですと映画館へ行って観たいところですが昨今のような状況ですのでネット配信を利用しました。
 ストーリーについては、既に御存知のことと思いますので、ここでは筆者の感想を記します。
 まず、扱いに難しい内容を映画化した制作スタッフ、出演者、その他関係者の皆様には敬意を表し、感謝を申し上げます。限られた予算と時間の中で、これだけの作品に仕上げるためには様々なご苦労が多々あったことでしょう。本当に素晴らしいことです。
 ただ、内容的には個人的に気になった点がありましたので少し書いてみたいと思います。
 人々に拉致事件について伝えたいという思いは強く感じましたが、そのためにあれこれ詰め込んで〜田口八重子さんと金賢姫の話等〜内容が散漫になったように思いました。横田さん御一家のことに話を絞った方が、物語がすっきりとして観ている人に分かりやすかったのではないでしょうか、タイトルも“めぐみへの誓い”ですし。
 それと北の工作員に協力する在日の人々の描き方についてですが、もう一工夫すればよかったのではと思いました。
 例えば在日の社長(小松政夫さんが好演)に拉致協力を強要する際、北にいる親族の手紙や写真を見せるのです。親族のために嫌々ながら協力せざるを得ない在日の人々の状況を伝えれば、在日の人々に対する理解も広がると思います。と同時に、この作品を見た人々の映画評の中にあった“映画によって在日に対する偏見がひどくなるのではないか”という懸念も生じなかったでしょう。
 一時期、拉致をテーマとしたドラマやドキュメンタリー番組がTVでもよく放映されたことがありました。この映画が契機となって、拉致事件に関するドラマや映画、ドキュメンタリー等々が再度作られるようになり、この問題に関心が集まるようになればいいと思います。多くの人々がこの問題を風化させてはならないと言うようになれば、事態は動くだろうし、また、北側も何らかの反応を見せるでしょう。
 とにかく一日も早く被害者が全員家族や故郷に戻れることを願い、今後も自身の出来ることをしていきたいと思います。


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