れいの如く

朝鮮半島関連の所感を書きます。

梁葉津子「冷たい豆満江を渡って」

2021-07-04 21:28:41 | 感想文
 韓国ではもちろんのこと日本でも脱北者の手記は多数出版されていますが、その内容は多様で脱北者の数だけ物語があるといっても過言でないでしょう。
この「冷たい豆満江を渡って」は“「帰国者」による「脱北」体験記”のサブタイトルの通り、日本からの帰還者の脱北記です。
 まず、著者が北へ帰還するようになった経緯から始まり、北での生活そして脱北を決心するまでが語られます。
 いざ脱北を試みたものの一度は失敗します。その後、再度、挑戦し成功しますが、すぐには日本に来られず、しばらく中国に滞在せざるを得なくなります。
 個人的にはこの部分がとても興味深かったです。中国朝鮮族の“脱北ブローカー”の実態や図們拘置所内での様子は初めて知ることが多々ありました。
 万事が整い、著者たちは日本へと旅立つことが出来るようになりますが、その時、同行した日本領事館職員の言葉や態度は冷たいものでした。著者たちを厄介者視しているのがありありと分かりました。
 この部分を読んで、筆者は日本政府は拉致被害者たちを本当に取り戻す気はあるのかと思いました。拉致被害者が自力で脱出し帰国してしようとする時、果たして暖かく手を差し伸べてくれるだろうか、不安に感じました。
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