昨日、今日と王位戦第4局。今回は渡辺九段の先手で、矢倉模様の将棋を目指すが、藤井王位は居飛車から中飛車に構えて対応。1日目の最後の封じ手に渡辺九段は2時間半近く考える。そのあと、2日目が始まるまでずっとその先を考えていたらしいが・・・。選んだ手は、激しい攻めの手ではなく我慢の手。そのあと、藤井王位が一気に攻めにかかる。渡辺九段もいろいろと手は尽くしたが、結局そのまま藤井王位が攻め切って勝利した。これで七番勝負は藤井王位の3勝1敗で防衛に王手。翌週の第5局は藤井王位の先手かあ。これは渡辺九段、かなり厳しくなったなあ。
昨日、今日と王位戦第2局。先手番の渡辺九段が採用した戦型は、第1局の千日手指し直し局と同じく、相掛かり。途中まではその指し直し局と同じ流れだったが、途中で藤井王位が手を変える。途中で角を交換し、互いに打ち合ったところで1日目終了。
2日目は、渡辺九段の指し手がさえわたる。前の日からどうも藤井王位はやや不利と感じていたらしく、ひねった手を繰り出すが、それを見て渡辺九段がうまく切り返す。そのあとは、藤井王位の力を出させず、そのまま押し切って渡辺九段勝利。これで1-1のタイに戻した。この七番勝負、面白くなりそうだ。
この前の土日から王位戦七番勝負がスタート。今回藤井王位に挑戦するのは、数々のタイトルを獲得した実績のある渡辺明九段。振り駒の結果、藤井王位の先手番で始まる。
戦型は前例のない相居飛車の力戦型に。互いに隙を作らず、なかなか本格的な戦いが始まらない。結局2日目の夕方くらいに、両者とも打開ができず同じ手を繰り返す千日手に。
指し直し局は、持ち時間は藤井王位より渡辺九段が1時間ちょっと多く、しかも渡辺九段が先手に。これはちょっとしたアドバンテージだ。戦型は相掛かりに。藤井王位が誘導して、渡辺九段が馬を作る展開に。このあと渡辺九段がうまく指して、あと一歩のところで勝利というところまできたのだが・・・。だがこの長い詰め手順、AIは当然のごとくわかっていて、藤井王位も気がついていたようだが、持ち時間がなくなっていた渡辺九段がまだ気がついておらず、詰め手順とは違う方向へ。将棋はおそろしや、詰め手順を逃すと一瞬にして形勢が逆転してしまう。結局、藤井王位の玉を詰ますことができなかった、渡辺九段が投了。藤井王位が王位防衛に向けて先勝した。
問題はこの次の第2局。渡辺九段が先手番で勝って追いつけるかどうかが、この七番勝負の行方を左右しそうな気がする。
今日は棋聖戦第3局を観戦。
先手番の山崎八段が用意した作戦は、本局も相掛かり。早めに5六に銀が出て、力戦にひきずりこもうとする。すると、あっという間に互いに角と銀を交換する展開になる。そのあと、さらに飛車も交換することに。だが、この後の藤井棋聖の指し手が鋭かった。山崎八段もあの手この手で粘ったんだが、いかんせん相手が強かった。山崎八段が仕掛けたワナにも動じず、藤井棋聖が相手玉を詰ませて勝利。3連勝で棋聖戦5連覇と同時に、永世称号も獲得。このシリーズは完勝だったなあ。
今日は叡王戦の最終第5局。最終戦ということで、先後を決めるのは振り駒。記録係が念入りに振って、出た結果は藤井叡王の先手番。うーん、藤井叡王もってるなあ、とこの時は思ったものだ。
戦型は角換わりに。割と進行が早い。だがちょっとずつではあるが伊藤七段の方が持ち時間を使っている。藤井叡王が歩交換をした直後に、伊藤七段が切り返し、敵陣に角を打ち込む。それに対してすかさず藤井叡王も角打ちで応戦。ここからは藤井叡王が怒涛の猛攻。だが、そう簡単には崩れない伊藤七段。しっかり受けてしのぎ切る。
そのあと、伊藤七段が反撃の一手を繰り出す。これに対して、藤井叡王は攻める手もあったが、選択したのは受けの手。ここから今度は伊藤七段が猛攻に出る。今度は藤井叡王が受けで粘る。このあと、誰もが予想しなかった藤井叡王の攻撃の手が飛んでくる。受けか攻めか。伊藤七段は攻めの手を選択し、藤井叡王をほぼ受け無しに追い込む。あとは、伊藤七段の玉が詰むか詰まないか。
それから藤井叡王が繰り出す怒涛の王手ラッシュ。一歩間違えれば詰みで終了のところだが、伊藤七段は間違えずに応対し、伊藤七段の玉は詰まず。これがはっきりしたところで藤井叡王が投了。これで、伊藤七段が勝利し、叡王のタイトルを奪取した。
ついに全冠保持が崩れる時がきたか。それも同年代の棋士か。当面はこの両者がリードしていくことになるのか、はたまた後を追ってくる棋士が現れるのか。直近は、棋聖戦と王位戦の番勝負が見ものだな。特に王位戦は、かつて名人と竜王のタイトルを持っていた渡辺明九段がリベンジで挑戦してくるし。
今日は棋聖戦第2局。本局後手番の山崎八段が用意した戦法は、みんな予想外の向かい飛車。これに対して、藤井棋聖はこの前の名人戦第5局とは異なり銀冠に構える。陣形整備を進めるのかと思いきや、昼前に山崎八段が五段目に桂馬を跳ねて、突然戦いが始まる。
この後、戦いがいったんおさまるかと思いきや、藤井棋聖が鋭い攻めを繰り出す。この後の流れで、山崎八段が飛車金両取りをかけたが、それは藤井棋聖の読み筋なのか、無視して桂馬を打って一直線の攻め合いに持ち込む。その先もお見通しだったのか、先に玉を打ち取ったのは藤井棋聖だった。これで棋聖戦2連勝で防衛まであと1勝に。うーむ、強い。この勢いで木曜の叡王戦最終決戦も勝利するか?
今日から棋聖戦の五番勝負が始まった。今回、藤井棋聖(八冠)に挑戦するのは、山崎隆之八段。他人にはなかなか真似ができない独特の指し回しをする棋士で、研究が通用しないと思われる難敵。今日の第1局、振り駒の結果、山崎八段の先手で始まる。
戦型は山崎八段がよく採用する相掛かり。でも、歩が7五まで進んで、やはりなかなか見られない形に。それに対応したのか、藤井棋聖は3筋に銀を繰り出してそちらから圧迫する感じになり、じわじわとやや押し気味に。不利と見た山崎八段、いろいろと勝負手を繰り出していくと、中盤から突然激しい攻め合いの終盤に。その攻め合いの読み合いは藤井棋聖が上回ったようで、先に相手玉を詰まして勝利。後手番で先勝したのは大きそうだ。
今日は叡王戦第4局。先手番となった伊藤匠七段が藤井叡王から奪取なるか、という一番。戦型は伊藤七段得意の角換わり。最初は割と早いテンポで進んでいったが、中盤からは伊藤七段がより時間を多く使う展開に。
中盤、盤面の左で戦いが始まる。ここから交換した角の働きで明暗が分かれてしまった。先に伊藤七段が角を打ったが、藤井叡王の飛車先を止める苦心の角打ち。この後今度は藤井叡王が角を打ったが、これが2方向を睨む好位置。それから、うまく藤井叡王が角をさばいて馬にして、また好位置に引き付ける。これで、盤面左側の戦いを制圧する感じに。あとは藤井叡王が香車を歩の裏から打ってさらに攻めを加速させ、勝負あり。これで藤井叡王がトータル五分に持ち込み、いよいよ最終第5局へ。さてどんな戦いが待っているのかなあ。
昨日、今日と名人戦第5局。
本局、後手番の豊島九段が採用した戦型は振り飛車。ついに出たか。先手番の藤井名人の動きに対応したのもあるのだろうが。四間飛車に振った時はおっと思う。これに対して、藤井名人は穴熊に囲う。しかも金銀4枚のがっちりした固い囲い。
今日、盤面の左側で開戦。飛車角を交換する派手な戦いで始まる。豊島九段が藤井名人の穴熊の金を1枚はがしたものの、藤井名人が馬を引き付けて、結局固さが全く変わらず。その後、藤井名人が香車を打ったところから、藤井名人の攻め、豊島九段の受けの展開が鮮明になる。以後、豊島九段に攻めのターンは回ってこず。藤井名人の的確な攻めの前に、豊島九段の粘りも及ばず、藤井名人勝利。藤井名人の穴熊は金銀3枚が残ったまま。完勝だったなあ。
これで、藤井名人は名人位の防衛に成功。さて、問題はカド番に追い込まれている叡王戦か。今度の金曜日、果たしてどうなるか。
この前の土日は名人戦第4局。土曜日はずっと観戦、日曜は帰り道にちらちらとチェックし、帰ってからはじっくりと。
先手番の豊島九段が本局に用意した作戦は、横歩取り、というか解説者に言わせれば横歩取らせ。先手番だが3手目にあえて1六歩とついて、先後があたかも逆になり、後手番が先に横歩を取る格好に。これまた、普段はあまり登場しない戦型。1日目の内に、豊島九段が角を切って金を取り、その金を使って藤井名人の飛車を取るという、激しい戦いに。すでに1日目の午後あたりから、藤井名人の苦戦状態だったようだ。
2日目はしばらく桂馬しか動かない超スローペースで進む。いったんはAIの形勢判断が五分に戻ったようだが、豊島九段が取った飛車をど真ん中に打ったあたりから、再び形勢判断が徐々に豊島九段の方へ傾き始める。それからは、豊島陣にいた、藤井名人の馬と銀を一掃し、憂いをなくしてから攻め立てる。本局はそのまま豊島九段が攻め切って勝利し、一つ返してトータル1-3に。次の第5局は、今度の日月か。月曜日はじっくり観戦できそうだな。