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元たばこ屋夫婦のつれづれ

つれづれなるままに

侍ジャパン・WBC完全な二連覇

2009-03-28 | 煙草
 2006年の第一回WBCでは、アメリカに破れ、韓国には一勝二敗と負け越しながらの優勝であったが、連覇を目指した今回は、強敵キューバを完封で連勝、野球の母国・アメリカに完勝、宿敵韓国にも3勝2敗と勝ち越しての完全優勝であった。
 世界16カ国の頂点を決める準決勝・決勝の熱戦は、日本中の野球フアンをテレビに釘付けにし、沸きに沸いた。特に決勝の韓国戦は、息詰まる接戦で延長10回の攻防は物凄く、イチローのドラマチックな決勝打には、飛び上がり、抱き合い、涙して喜ぶフアンの姿が各所で見られた。
 翌日から、更にこのフィーバーは盛り上がり、テレビ、新聞のニュースを独占する騒ぎであった。深刻な不景気に曇っていた日本人の顔が久々にほころんだのをみた。
 原フアンの妻の熱狂ぶりに圧されたが、涙して喜んだのは私であったのには、驚いた。原監督をはじめ日本の代表選手の奮闘に心から感謝、大拍手で締めくくる。裏も表もない純粋なスポーツは本当にいいものです。

歴史的建物・旧吉田茂邸が全焼

2009-03-23 | 煙草
  十人が死亡した群馬県渋川市の高齢者施設の火災が問題となっている矢先、神奈川県大磯の旧吉田茂邸が22日の早朝出火、木造2階建約900平方㍍を全焼した。
  この吉田邸は、吉田茂元首相の養父・吉田健三郎氏が1884年に建設し、吉田元首相が戦後、外国の要人を招くために増改築を行った。約3㌶の敷地に日本庭園もあり二階建て総ヒノキ造り数寄屋風の邸宅は、外国要人の接待をはじめ、日本の政財界の大物が「大磯参り」と称されるほど、ここでの政治活動があり、戦後保守政治の舞台となった歴史的・文化的遺産でもあっただけに、惜しんでも惜しみきれないものである。
  神奈川県内では、15日に国の重要文化財「旧住友家俣野別邸」が全焼。更に2007年5月と2008年1月には、昭和初期の洋館「旧モーガン邸」の本棟,別棟が全焼するなど、歴史的な建造物の消失が続いており、県警も厳戒体制を布いているようである。 

WBC第二次ラウンド・1組決勝・韓国を下す

2009-03-21 | 煙草
  WBCの二次ラウンド・1組の1位決定戦は、19日宿敵韓国と4度目の対決となり、6対2で快勝して同組1位で準決勝進出を決めた。日本は今大会で1勝2敗と韓国に負け越しており、特に2敗目を喫した時、韓国の選手がマウンドに駆け寄り韓国の旗を埋め込むという日本をあざ笑う姿を見せたのには、あきれたが、そのマナーの誤りを勝負で決めたのをみてスカッとした。まさに侍の心意気を示したものとして心が洗われた。
  この日の日本は、中島を除く野手全員で15安打の巧打をみせ、7投手の継投も決まり、理想的な勝利で、いよいよ準決勝戦に臨む事になった。その対戦相手は
野球王国アメリカである。前回のWBCでの戦いで、アメリカの抗議に判定を覆されて破れた日本は「世紀の誤審」によって奪われた勝利を取り返すチャンスとして
闘志を燃やしている。

WBC第二次ラウンド・敗者復活戦キューバに快勝

2009-03-19 | 煙草
 前日、WBCニ次ラウンドの韓国戦に敗れたさむらいジャパン(日本)は、準決勝進出をかけて19日・強敵キューバと対戦。日本選手の一投一打に固唾をのんで見守るなか、5-0との快勝に熱狂的な妻と興奮を爆発させた。
この日のヒーローは、なんと言っても先発の岩隈の快投である。強打を誇るキューバを相手に、負ければこれで終りという逆境を背負っての登板。「緊張もしたし、プレッシャーもあった」と言うが、責任回数の6回を完封した投球は落ち着いていて頼もしかった。
 この後を継いだ杉内も好投、キューバを二試合連続完封という快挙を演じた。試合後の原監督は「尊敬するキューバに連勝することが出来たのは、日本野球の大きな一歩となる」と語ったのが印象的である。
 打線も好調で、チャンスを生かして5点をあげたが、中でも不振を極めたイチローが二安打を放ち復調の兆しが見えたのが大収穫であった。ズブシロの野球フアンが生意気なことを言うなと叱られそうだが、チャンピオンをめざしての戦いにこれからもウンチクをかたむけて行きたい。頑張れ原監督。 


独身一人暮らしの介護の悩み

2009-03-14 | 煙草
 弟の話題が続くが、独身一人暮らしで病に倒れると、こんな事態になるという実例として、記録に留めようとブログを利用することにした。弟は今年の2月11日で70歳を迎えたところだった。北坂戸から池袋のTKS商事に勤務、定年後も嘱託としてとどまっていた、なれた仕事なので苦にはならなかったようで楽しんで通勤している様子であった。2月に入って、突然五年前に亡くなった義姉の未処理の土地(雑木林)100坪の売買問題が浮上。遺産相続と絡んで面倒くさい事になってきた。
 すべて生前中に処分されていると思っていた親族にとって、煩わしい問題であった。その整理のために相続権のある弟を呼んで話を進めるうちに、難しい問題は考えるのもいやだからと言うことになり、前々から交渉ごとの苦手なことを知っているので、次の弟に頼もうと言うことで別れた。それから三日後、その経過を知らせる話し合いの中で異状をキャッチしたのが始まりであった。
 その翌日、妹二人と北坂戸に飛び、自宅訪問から事態は急変した。乱雑な部屋に
驚く私の前に展開する生活状態は想像を超えるものだった。しかも会社にも出られず部屋に閉じこもっている姿は、親族にも見せられないものだった。
 インターネットであらかじめ調べていた近くに医院に連れ出し、診察を受けさせたが、糖尿病から来た脳の一部の詰まりという判断で、血流をよくする薬をもらって戻された。ただしMRIの検査を受けてから正式な病名判断ということで3月6日にMRI検査の結果、約二週間前に脳梗塞を発症して、そのまま今日まで経過している状態、すでに固まっているので入院治療ではなく、通院治療との判断がなされた。
 問題はここから始まった。日時の記憶があやふや、ひとりでの通院は不可、三度の食事、薬の服用が心配。となると誰かが生活を共にしなければならぬ、現状では寝泊りできる部屋がない、その上それぞれの家庭事情で、付き添う親族はみあたらぬ。頭をかかえたが妙案が浮かばない。病の弟自身は「大丈夫・大丈夫、心配かけて申し訳ない」などという。置かれている状況が解っていないのが不憫である。
 車で20分の近距離に弟夫婦がいるが共稼ぎで、弟だけが何回か足を運んで妹と共に病院まで付き添ってもらったが、妹達のような自発的な行動ではないのが、いまひとつという感じである。介護認定の手続きも妹達が二回に亘り越谷市・八潮市から飛んできて立ち会ってくれた。みずほ台にいる娘が急を聞きつけて二回出向いてくれたのが救いである。いつまでも妹達に苦労かけるわけにはいかぬ、実は妹とも病いを抱えている身なのである。あれやこれや考える事が多すぎてストレスが溜まるのがいけない。なんとかせねば・・・



介護認定に奔走する妹たち

2009-03-14 | 煙草
  弟の安否を朝・夕の電話で確かめるのが日課になっている。今朝はめずらしく話中の信号、少し間を置いて電話するがまだ話中、こんな長話をする筈がない。
電話が外れているのではと心配になる。電話局に調査以来、電話がはずれているのが判明、心配が膨らむ。だが今日は、吉川病院から車で看護師が迎えに来てくれる日なので、それで何かが分る筈と、気をとり直す。
  そんな最中に娘から電話が入る。「いま紀おじさんに電話を入れていたのだけど、朝から受話器が外れていたんだって・・・」話のやり取りから心配が晴れた。近くにいないと言う事は、電話一つでも、心配になる。家族があると言う事は、互いに支えあっているのがこんな時に出るものである。
  介護認定を直ぐ手続きするようにとの要請に、草加・越谷在住の妹たちが奔走してくれている。それぞれ家庭があり、家計を助けての仕事を持っているのを知っているが、いざと言う時、力になるのは二人の妹夫婦である。妹たちを快く送り出してくれる、ここぞと言う時は、一緒の行動をとってくれる二人が私にとって心強い味方。いままでもどんなに助けられたか、忘れた事はない。かく言う私も妻の支えあればこそ店を預けて動けるのである。心の絆を深める試練として、この問題も希望をもって乗り切って行く。
  
  

高齢化社会の不安が現実に

2009-03-11 | 煙草
  高齢化社会の不安は突然現実となった。70歳になったばかりの独身の弟が倒れたのである。その異状に気づいたのが、義姉のわずかな遺産処理の問題が起きたのが、きっかけであった。相続問題にからんでの話を進める中に「難しい事柄が考えられなくなった」と言い出したのが、始まりであった。
 「どうも記憶が切れる」ということになり「会社で仕事のミスが続く」「自宅に戻るのにとまどった」などの言葉を耳にして、これは何か異変が起きてると察知して、弟・妹達に緊急の連絡をとり、その対応に追われた二週間であった。
在住の北坂戸の病院の診断では、二週間前に脳梗塞を発症している、その部分が幸いしてこの程度で済んでいるが、少しずれたら半身不随・言語障害が生じてるところであった。それにしても職場の直近の病院で常に見てもらっていたのにどういうことだとなったが、記憶がとぎれているので話しの持って行きようが無い。職場に問い合わせたところ、そのころ眩暈がしたことを訴えていたことを思い出してくれた人がいたが、その後の行動はつかめなかった。
  問題はここからである、一人住まいの弟の処遇をどうするか、入院治療に手を尽くしたが、二週間を経過し、固まっているので入院は不可が結論。となると親族の支えであるが、これも問題山積で暗礁に乗り上げている。前々から心配しての助言を与えていたが、元気な時は耳に入らなかったのであろう。住居・介護・生活の全般の検討事項を抱えて心休まらない毎日である。あれもこれも考えることが多すぎる、欲しいものが多すぎる。されど退く事あたわず。ここを何とか切り抜ければと・・・夫婦二人少々バテぎみである。
 

ポンコツ政治その2

2009-03-05 | 煙草
 「日本経済が好調な間は、円滑に機能する官僚制と有能な企業経営者が十分な経済成長を国民にもたらし、政治家は富のおこぼれを地元選挙区にばらまくだけでよかった。だが89年の冷戦終結とその後のバブル崩壊をきっかけに、自民党支配の欠点が徐々に露呈し始める。組織の硬直化が進んだ自民党は経済問題への危機対処能力を失った姿をさらけだし、たとえば銀行の不良債権処理をめぐって何年も迷走を続けた。」
  「その後も自民党は明確な方針を打ち出せなかったが、何とか与党の座は維持し続け、活力を失ったまま生きながらえた。21世紀初めには、短期間だけ復活の
兆しが見えたこともあった。日本経済が立ち直り、カリスマ的魅力をもつ改革派の小泉純一郎が首相を務めた01~06年だ。小泉は国民に直接訴えかけ、自民党の抵抗勢力との戦いを演出することで改革の大波を起こした。」
  「政治家は大きな構想を有権者に直接語ることができる存在であり、そうすべき責任があると言う考え方を定着させたのも小泉の功績だ。更に小泉は官僚の力をそいで内閣を強化し、自民党の派閥を骨抜きにしていった。だが小泉退任後の自民党は一気に先祖返りを起こし、現在も多くの問題をかかえている。なかでも気になる病状は、世襲政治家の多さだ。過去7人の首相のうち、6人は世襲議員。評論家
の塩田潮によれば、現職国会議員の4分の1は元議員の子供で、自民党に限れば40%が世襲政治家だという。伝統の破壊者に見えた小泉も3世政治家だ。」
 「世襲が増えたせいで自民党の政治家は軟弱になったと言う批判もある。たとえば元外相を父に、元首相を祖父にもつ安倍晋三が唐突に辞任を表明すると、地元では"甘やかされた人生"を送って来たから"根性とタフさ"がないという声が上がった
と、民主党の北神圭朗衆議院議員はいう。」
 「自民党の閉鎖的体質は、首相が専門分野の能力ではなく個人的つながりで閣僚
を選ぼうとする傾向にも表われている。実際、安倍と麻生の組閣は"お友達内閣"と
揶揄された。"過去5年間、悲惨な政治状況が続いている理由の一つがこれだ"と、政治評論家の歳川隆雄は指摘する。」
 「ここから自民党と並ぶ日本のもう一つの病根が浮かび上がる。ひどい政治家を国会に送り続けている有権者だ。日本の有権者は相変わらず政治家に説明責任を求めないことが多いと、民主党の北神はいう。" あまりにも受身すぎる。その結果、出来上がった生ぬるい環境が無能な政治家を権力に居座らせている"だが近い将来
ようやく変化が始まるかもしれない。その担い手になりそうなのが、過去10年間
に少しずつ勢力を伸ばし、07年7月の参院選で、遂に第一党となった民主党だ。
今では、多くの日本人が次の総選挙で自民党を権力の座から引きずり降ろせば政治は活性化すると考えている。」
 「国民は民主党を政治刷新の理想的な担い手とみなしているわけではない。小沢
一郎代表は、元自民党の大物で、国民の人気は低い。民主党の訴えている政策には
一貫性がなく、多くの党幹部は経験が驚くほど不足している。それでも国民の間には、野党が総選挙で勝てば古い政治を一掃するきっかけになるかもしれないと言う期待感が強くある」「つまり、自民党支配というシステムがようやく終りを迎えつつあるかもしれない。そろそろいい頃合だ。いや本当はずっと前に終るべきだった。今の日本が直面する多くの問題を考えれば少しでも早い変化が必要だ」とまとめている。指摘されている事が恥ずかしい日本の現状である。

世界があきれる日本・「ポンコツ政治」そのⅠ

2009-03-04 | 煙草
 新聞記事を見るたびにため息の出るニュースがあふれかえっている。明るく楽しい話題はないものかと週刊誌を拾っても駄目。地域の人々に目を転じても、笑顔も
見えない。ということで、ブログもストップしてしまったが、気を取り直して、デスクに向かう。
タイトルはニューズウィーク日本版の表紙を飾る見出しである。本文の大見出しには重ねて「リーダー不在のポンコツ日本政治」とある。サブには"日本・・首相は一年で交代し、財務相は醜態を世界にさらすー「世界第二の経済大国になぜ無能な指導者しか生まれないのか、チェンジできない自民党支配は一日も早く一掃すべきだ」とクリスチャン・カリル(東京支局長)柏木明子氏の言である。
 主要七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の会議後の記者会見に深酒を疑われる状態で出席。ろれつが回らず、世界中にその醜態をさらした中川財務相は、帰国後、辞任に追い込まれたが、本当の問題児は別であると指摘している。
 「中川を主要閣僚に起用した麻生太郎首相の支持率は、一部の世論調査で一桁に落ち込んだ。戦後最悪とも言われる深刻な景気後退に見舞われていると言うのに、現政権の政策には一貫性が見えない。それでも麻生自身は首相の座にとどまっている。麻生は失言を繰り返し、攻勢を強める野党と折り合いをつけることにも失敗した。日本は今こそ強力なリーダーシップが必要だが政治はマヒ状態に陥っている。
だが麻生と与党・自由民主党の苦境は、さらに重大な問題を浮き彫りにしている。
きわめて深刻なリーダー不足だ。日本国民が信頼できる政治家の不在を之ほど痛感したのは、今回が初めてかもしれない。」
 「日本はビジネス、文化、テクノロジーの分野で、世界の主要プレーヤーだが、政治は不安定な中南米諸国のようだ。なぜこんなことになったのか。総選挙の洗礼を受けていない麻生が厳しい政権運営を強いられているのは必ずしも意外ではない。それに前任者二人もリーダーとしての強さに欠けていた。福田康夫前首相は昨年9月1日、在任一年間で政権を投げ出した。前任の安倍晋三元首相も就任から一年後に、目に涙を浮かべて"健康上の理由"で辞任すると発表した。だが麻生の仕事ぶりは、こうした低レベルの基準からみても、いただけない。」
「麻生政権は、昨年9月の誕生以来、国会の手詰まり状態に苦しみ、総額2兆円にのぼる定額給付金の問題に振り回されてきた。中略 麻生や自民党の同僚議員が不適切発言を繰り返す理由は、いくつも指摘されている。まず能力より年令を重視する日本の伝統に原因があると言う説。日本の硬直した教育を槍玉にあげる向きもある。政界と経済界に深く根を下ろした"身内びいき"のせいで、真剣な政策論議より仲間内の取引が優先されているという意見もある。だが最大の元凶は、何かについては、ほとんどの識者の意見が一致する。1955年の結党以来、ほぼ一貫して権力を独占してきた自民党そのものだ。」
 「日本では長い間、自民党以外に政権の選択肢はないも同然だった。冷戦時代、社会党や共産党の急進的な主張についていけない多数派の国民は、自民党に投票するしかなかった。自民党は、その間に経済界との癒着を強め、うまみの大きい公共事業や業界に有利な規制と引き換えに政治献金を手に入れた。その結果、密室の裏取引が横行し、国民への説明責任をないがしろにする政治文化が生まれ、現職議員などの既得権益層と体制順応派、日和見主義者ばかりが優遇されるシステムが出来上がった。それでも日本経済が好調な間は、この欠陥は目立たなかった。」(続く) 


 

「おくりびと」の原作者

2009-02-27 | 煙草
 アカデミー賞の「おくりびと」の人気が沸騰、上映の劇場はいずこも入場者が列をなしているという。オスカー像を抱く監督をはじめ演技の俳優陣、脚本家を始めとする関係者の喜びはマスコミにあふれかえったが、原作者の名前も声も出てこないのが不思議であった。
 確か、納棺夫日記(著者・青木新門・文春文庫)を手にした主演の本木雅弘氏がさかのぼること十数年前、非常な感銘を受けて、この作品の映画化を切望し15年がかりで実現したものだというのを週刊誌で目にしたことがあったからである。
 作品のタイトルロールにも、原作・著者の名前も出ていないので、何故と言う思いがあったが、原作者自身の言葉で了解した。ご本人は、週刊文春の誌上で語る。
「脚本と原作の違いを、どこかできちんと一線を画そうと、私のわがままで映画に関して著作権を放棄しました。私は"後の世を渡す橋とぞ"と言うつもりで書いたけれど、脚本は世を渡る納棺夫の姿を描いている。わかりやすくいえば、私の本の50%は宗教のことを書いたのに、それをカットしている。しかし、納棺の部分は原作の通りの心が伝わっていますから、自由に使ってくださいと」
 また「モックンの感受性というか、五感で認識する力は素晴らしい。私も頭ではなく、五感で認識した思想なんですね。触覚の世界と申しますか、(遺体)三千体触ってきた後に生まれた思想ですから。そういう意味で本木君とは言葉でなく、以心伝心で意気投合しているんです」「映画化されるまでの十何年間の紆余曲折は全部知っています。結果論ですが、すんなりと映画化できなかったからこそ、本木君の心の中の闘い、撮影時の火花を散らすような闘いが、絶妙のバランスの映画作品を生み出したんじゃないでしょうか。これでいいのかと迷い歩いていかれる。本木君は実生活でもそうなんですが、求道者のようなところがあるんです」と。
 原作者の青木さんは、文学を志しながら、富山市内で飲食店を経営していたが、
うまくいかず倒産。1973年に地元の冠婚葬祭会社に就職。その現場で体験したことをもとに、1993年に「納棺夫日記」を著わしたという。
 「本を上梓して間もなく、モックンから突然電話があったんです。彼がインドの紀行本を出すのに、”納棺夫日記"の一文を引用させて欲しいと。快諾してしばらくして送られてきた本の中で、インド・ペナレスのガンジス川の岸辺で、送り火を手にした上半身裸の彼の写真に一文が添えられていました。<蛆も生命なのだ。そう思うと蛆たちが光って見えた>と。」真夏に亡くなった一人暮らしの老人、死後一ヶ月も放置されていたのを納棺に行った時の事を書いた一節であったという。
 「アカデミー賞にノミネートされました」1月23日、弾むような声で本木さんから電話があった。その時、青木さんは「必ずオスカー取りますよ、蛆が光って見えたという、その光はオスカーの黄金の光につながってますから・・・」と声をかけたという。原作者と主演の本木氏の心の深いつながりを感ずる話である。 

日本映画界が感動「おくりびと」がオスカー像を獲得

2009-02-24 | 煙草
 2月22日(日本時間23日)に行われた第81回米アカデミー賞で、日本の「おくりびと」(滝田洋二郎監督53歳)が外国語映画部門のオスカー像を獲得。また、短編アニメーション部門でも「つみきのいえ」(加藤久仁生監督31歳)も選ばれ、ダブル受賞の栄に輝き日本映画界に大きな感動を巻き起こした。
 日本作品の外国語映画賞の受賞は、名誉賞と呼ばれていた24回に(1951)「羅生門」(黒澤明監督)。27回(1954)「地獄門」(衣笠貞之助監督)。28回(1955)「宮本武蔵」(稲垣浩監督)に続くものであるが、1957年に単独の賞として現在の名称になってからは、初の邦画受賞となる快挙である。
 選考過程は、監督、俳優、製作者ら映画関係者約5800人のアカデミー会員に
よって賞が選ばれる。まず、それぞれの所属する部門内で候補を選出する。ただし、長編アニメーションと英語以外の言語で製作された作品を対象とする外国語映画の二部門は、さまざまな部門の会員で作る委員会で候補作が選出される。
 今年はこの外国語映画部門には、67カ国からエントリーがあったという。賞を
決めるのは会員全体の投票、だが、長編ドキュメンタリー、外国語映画、短編の作品、アニメ、ドキュメンタリー各部門は、候補作をすべて見た会員だけが投票できることになっている。
 映画評論家・品田雄吉氏は「オリエンタリズムやエキゾチシズムではなくて、生死という普遍的なテーマを扱った作品が、正しく評価された点に意義がある。"おくりびと"という日本独自の文化が、世界に感動を与えた。短編アニメ部門とのダブル受賞は、今後の日本映画界に勇気を与えるだろう」と語る。
 「おくりびと」は、死者を棺(ひつぎ)に入れて送り出す納棺師の男性が、仕事に戸惑いつつも生を見つめ直し、成長していく物語である。十数年前から納棺師の
著書にひかれて死の問題に深い関心を抱いた俳優の本木雅弘さんが映画化を提案して主役も演じたというものである。放送作家小山薫堂さんによる脚本も秀逸で、滝田洋二郎監督の手腕とあいまって素晴らしい作品となったのである。  

G7の共同声明の要旨は

2009-02-23 | 煙草
 G7の話題は、酔っ払い大臣の醜態が中心で、その続報がマスコミのエジキになり、出るは出るは、過去の酒豪暦が、これでもかこれでもかと出て来ている。よくもこんな人物が、自民党の幹部となり閣僚にまで入り込んでいたものである。
 選挙のたびに上位で当選させてきたのは、日本人の政治意識の低さが温床にあるのではと、嘆かざるをえない。ところで、G7の共同声明とは、どんな内容であったのか、その要旨を確認しておかねばと、報道記事をめくると、要旨は次のようであった。
「世界経済と金融市場の安定化が依然、最優先課題。成長と雇用を支え、金融部門を強化するため、あらゆる政策手段で協働することを改めて確認した。」
 「金融機関の資本基盤強化、不良資産の処理促進などの施策は、経済に正常な信用の流れを取り戻す。金融システムへの完全な信認を再構築するため、あらゆる追加的措置を取る。」
 「金融危機は実体経済に影響し、世界中に広がっている。厳しい減速が2009年は続く見通し。」
 「G7各国の政策対応は迅速で力強い。政策金利は非常に低い水準で、必要に応じ、非伝統的な金融政策が取られている。大規模な追加的財政刺激策は、国内需要と雇用創出を刺激し、歳出と税制措置の適切な組み合わせなどで効果を増進させる。」
「G7以外の各国の迅速なマクロ経済上の対応を歓迎。中国の財政措置と柔軟な為替レートへの取り組みを歓迎する。」
 「為替相場の過度の変動は経済金融の安定に悪影響を与える。為替市場を注視し、適切に協力する。」
 「開かれた世界貿易・投資システムは世界の繁栄に不可欠。G7は保護主義的な施策の回避を約束。世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の妥結に向けて取り組む。」
 「改革された国際通貨基金(IMF)が不可欠。日本のIMFへの融資を歓迎する。」
 以上8項目が要旨であるが、「内需拡大や雇用創出に向けての財政出動の必要性が強調されたが、すでに各国が巨額の景気対策を打ち出した後で新味ががない」と指摘する声もある。 


ペア碁選手権は羽根・加藤ペアが優勝

2009-02-19 | 煙草
 さる1月31日、東京・恵比寿ザ・ガーデンホールに於いて行われた注目のリコー杯プロペア碁選手権2009の決勝戦は、注目の史上最年少ペア・謝依旻女流本因坊・女流名人&井山裕太八段と、絶好調ペア・加藤啓子女流最強位&羽根直樹本因坊の熾烈な戦いとなり、波乱万丈の展開の後、268手目を持って熱戦の幕を閉じ、半目の勝負は絶好調ペアの逆転勝ちとなった。
公開決勝戦は、昨年から対局場と大盤解説会場の二手に分かれての設営となり、
大盤解説場には大盤の上に大スクリーンが張られ、対局者4名のアップが写しだされ、対局情景が手に取るようにわかる工夫がなされ、会場を埋め尽くした愛好家の感動を呼んだ。
 大盤解説は、石田芳夫二十四世本因坊、聞き手は小川誠子六段。辛口コメントの石田本因坊に、軽妙に切り返す小川六段、丁々発止のやり取りに会場を大いに沸かせた。終盤の息づまる寄せ合いに静まり返る場内、スリリングな一手一手にかたづをのむ、解説の石田本因坊の「名局ですね」とため息をもらした熱戦に、場内を埋め尽くした愛好家は大満足。囲碁の魅力に心酔の一日であった。
 この対局場の雰囲気を肌で感じたもののみが知る興奮をどう今後に活かせるか、
課題の多い二人の足どりは軽かった。

世界に醜態をさらした中川財務・金融相

2009-02-18 | 煙草
 2月15日のTVニュースで流れたG7の記者会見の映像を見て驚いた。白川日銀総裁と並んで出てきた中川財務相が、目がうつろでへろへろの状態、そのうえ言語不明瞭で、記者の質問にも対応できぬ状態の姿を見たのである。一過性の脳血管障害でも起こしているのではと心配したが、とんでもない酔っぱらっていたのだと聞いて、あきれかえった。
 問題はこのひどい記者会見が、日本国内だけではなく世界に報じられたことである。それのみならず米ABCは、中川財務相が会議中に居眠りしていたことも報じて、こう皮肉った。"15時間のフライトで時差ぼけがあるとしても、トヨタや日産のような巨大自動車会社が数万もの人員削減をするほどの危機は、大臣の目を覚まさせるのに十分だろう。それでも足りないなら、エスプレッソでも飲んだらどうか"
 今度のG7は世界金融危機の真っ只中、その対応を話し合う大事な首脳会議だったのである。その真剣な会議の最中に居眠りをしていた。記者会見でロレツが回らない、これが日本の代表とは、何たることか、随行員は何をしていたのか、注意する人もいないとは、なんたることか、しかも随行の記者からも批判のニュースはあとだしである。
「時も時、所も所、職責も職責、それを考えれば、やはり、あのていたらくを許容範囲とするのは無理だった。G7後の記者会見で世界に醜態をさらした中川昭一財務・金融相のこと。"進退は総理がお決めになること"とご当人。総理は"職務に専念してもらいたい。体を大事にきちんとやるように(中川氏に)話した"と続投を指示していた。しかし、それでは持たなかった。このままなら、野党は問責決議案を提出する構え。予算案はじめ国会審議の見通しもたたない。そんな判断もあってだろう。財務・金融相はきょう午後に至って辞任を表明した。(2月17日)・・・あのG7の後の会見は"無能な酔っ払いのようだった""ろれつが回らなかった""数字を間違えた"と世界のメディアが報じた。"眠気覚ましならエスプレッソがあったのに"という皮肉にも、あの映像を見ては笑えない」と、よみうり寸評
にものる。道義国家日本は昔の話、恥という言葉も読めぬ閣僚が多いのに
驚くのも遅すぎるのだ・・・

大旱魃に苦悩する中国

2009-02-16 | 煙草
 G7が共同声明のなかで、中国の景気刺激策を歓迎する異例の文言が盛り込まれているが、その頼みの中国がいま深刻な大旱魃に襲われている。
 送られてくるニュースでは、58年ぶりの旱魃は、河南省を始め、河北、安徽、山東省など黄河流域八省を中心として15の省に広がりを見せている。被害を受けている農地面積は2月5日現在で、約一千万ヘクタール。これは日本の国土のほぼ四分の一に匹敵すると言う広大なものである。
 しかも、このうち、約三百万ヘクタールは深刻な状況におかれており、すでに麦が枯死しているのが約八万ヘクタールにも及んでいるという。なかでも河南省は、百日以上も雨が降らない地域がある上に、平均気温が47年ぶりの高さで推移するなどで二百万ヘクタールに広がる旱魃となり、穀物作付け面積の63%が被害を受ける惨状となっている。
 農産物の品目別では、中国北部を中心に、夏に収穫する冬小麦への影響が大きく、作付け面積の43%が壊滅的な被害を受けている。また、飲料水不足も深刻で農村部を中心に429万人、家畜207万頭が飲み水にも事欠く状態に陥っているという。
 この惨状打破をめざす中国政府は、灌漑設備の拡充などに約二百億円の緊急支援策を検討すると共に、山西省などでは人工降雨作戦も展開中である。また建国以来、初めての第一級の緊急旱魃対策を発動している。
 これに加えて昨年冬からの世界的金融危機のあおりを受け、企業倒産が相次ぎ、中国沿岸都市部で、仕事を失った農村部からの出稼ぎ労働者約二千万人が大移動、内陸の出身地に戻ったが、この旱魃被害に生活困窮は一段と深まり、各地で不満が拡大し、暴動発生の危機が予見されている状態である。期待どころか救援の手をさしのべなければならないのでは・・・。