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元たばこ屋夫婦のつれづれ

つれづれなるままに

週刊アエラのスクープ「新東京駅」ができる

2010-04-22 | 煙草
   毎週月曜発売のアエラの4月26日号にスクープとして「新東京駅」丸の内に出現の報道を目にした。早速手にして真っ先に70頁を開くと「実現すれば東京から成田までが37分、羽田までは22分に」と言うサブタイトルが白抜きで待っていた。
   記事の冒頭には「寝耳に水のような話だが、国土交通省は三年前から調査を進めてきた。4月13日には、建設候補地も絞り込まれた。何が起きているのか。と誘引して本文に目を進ませている。
   ”「丸の内仲通り」は、JR東京駅と皇居のちょうど真ん中を南北に貫く、石畳の美しい通りだ。 2002年からの再開発で丸ビルや新丸ビルが建て替えられ、ティファニーやバーバリー、コーチなど高級ブランドが出店して、東京の新名所として国内外からの観光客を集める。アエラは、この石畳の地下に「新東京駅」を造るとしるされた国土交通省の資料を入手した。実現すれば、現在は成田エクスプレスで50分かかる成田空港までの道のりが37分に短縮される。・・・中略・・・突然の浮上のようにみえて、この計画は三年前からスタートしていた。旗振り役は国土交通省。これに東京都、京浜急行電鉄、京成電鉄が加わって、非公開の会議を重ねてきた。”
   ”毎年、調査費として税金が投入され、四年目となる10年度も予算は計上済み。4月13日にまとまった新たな計画案では、、東京駅周辺の三箇所に絞られていた新東京の候補地が丸の内仲通り地下に落ち着いたことがしるされ、ぐっと具体的に成っている。ビジネス客の多い大手町に近く、大手町駅との連結も考慮されているのだろう。計画案によれば、一連の工事費の上限は4700億程度。国や都だけでなく、京成や京急も負担することになっているものの実現すれば、高校授業料の実質無償化3900億円に匹敵する、かなり大きな公共事業だ。”とある。
    三年前からといえば自民党政権下で進められてきた計画である、「羽田ハブ((拠点)」の構想を披露していた現政権の考えにこの計画は逆行するように思えるので、これには今後必ず賛否両論が出るであろう。どういう結論になるか見守るしかない。

5月に煙ゼロ・火ゼロのたばこ新発売

2010-04-17 | 煙草
   たばこの煙が健康を害すると言うことで分煙なる新語が発案されると、それがただちに法制化され各所に喫煙室が設置される騒ぎとなった。いまや愛煙家は各所で隔離されるという異常な社会構造が生まれている。
   それなのに何ら反発もせず、それを受け容れているたばこ業界の弱腰には、販売店として大不満である。造られた世論のまやかしに翻弄されるようで情けない。
   しかし受け容れた以上は、そのなかで泳がなければならず、試行錯誤の上に、新商品が開発されている。それが今回の新製品「かぎたばこ」の登場である。発売は5月中旬で東京都限定。新しい商品名は「ゼロスタイル・ミント」定価は300円である。一箱にはパイプ一本にタバコの葉が詰まったカートリッジ二本が入っている。使い方はパイプ本体にカートリッジをセットして吸引する。火も使わず、煙も出さずにタバコの味・香りを楽しめる無煙タバコである。    
   「火を使わず煙が出ない」というので周囲の禁煙家に迷惑をかけないでタバコの味・香りを楽しめると言う。口あたりは軽快で、ペパーミントのフレッシュな甘い香り立ちと清涼感が、タバコの風味と共に楽しめるというのである。このほか詰替用カートリッジ(4本入り)400円も同時発売される。パイプ本体は繰り返し使用できるが、カートリッジは味が薄くなったら交換である。吸い方によるが半日から一日が目安となっている。
    なお、賞味期限が巻きタバコと違って短いので、東京都限定販売と同時に選ばれた店での販売となるので、タバコ小売店のどこにでも置いていると言うわけではない。当店でも取り扱えるかどうか現在は分らない状態である。
    
 

高校生の授業中の態度調査

2010-04-15 | 煙草
   世論調査流行の感があるマスメディア、今度は高校生の授業中の行動調査である。この調査は日本の財団法人「一ツ橋文藝教育振興会」と「日本青少年研究所」が、昨年夏から秋にかけて、日本・米国・中国・韓国四カ国の高校生約六千二百人を対象に実施したものだそうである。
   項目は七点で、授業中にどんな態度を取るか。(順位)
    ①きちんとノートをとる  (日本、米国、中国、韓国)
    ②居眠りをする      (日本、韓国、米国、中国) 
    ③近くの人としゃべる   (米国、日本、韓国、中国)
    ④ものを食べたり飲んだりする (米国、日本、韓国、中国)
    ⑤メールを打ったり教科以外の本を読む(米国、日本、韓国、中国)
    ⑥ボーッとしている   (米国、日本、韓国、中国)
    ⑦積極的に発言する   (米国、中国、韓国、日本)
   悪い行動は、日本、米国が群を抜いている。ただ良い所は、きちんとノートをとるところ。そのほか積極的な発言も駄目、居眠りするでは逆に45%の高い率である。この四カ国では中国の高校生の勤勉さが際立っている。
   調査方法にも問題があるかもしれないが、日本の高校生の不勉強さが明らかにされたようで寂しいかぎりである。 

作家井上ひさし氏の逝去

2010-04-13 | 煙草
   作家・劇作家の井上ひさし氏が肺がんの為に4月9日75歳で逝去された。作家としては上・中・下の3巻からなる長編小説「吉里吉里人」(きりきりじん)が有名。だがどちらかと言うと劇作家としての活躍が印象深い。また戯曲やエッセイなどの多彩な分野でも名を成している。
   多くの親子に愛されたNHKの連続人形劇「ひょっこりひょうたん島」を劇作家として台本を書き続けたのを知る人は多い筈である。また小説の原型となった放送劇「吉里吉里独立す」は1973年にNHKのラジオ小劇場のために書き上げている。
   ただ名だたる遅筆で、舞台公演に間に合わないと役者が台本を請求に駆けつけたなど「はらはらどきどき」の実話もある。
   私も長編小説の名前だけは知っているが読んだことはない、ただ井上ひさしの名言・モットーは、心に残る「むずかしことをやさしく・やさしいことをふかく・ふかいことをゆかいに・ゆかいなことをまじめに」である。これを繰り返し繰り返し読み返していると実に含蓄がある。深遠なる囲碁の研鑽にも生かせると深くかみしめている。

孫の高校入学式に参列して

2010-04-08 | 煙草
    初孫として腕に抱き手を引いた健斗の高校の入学式に、新入生の父兄として参列した。先に着いた息子夫婦が席を確保していたので父兄席の最前列に着座、静かに開会を待つ。定刻に進行担当の第一声で新入生がクラス別に入場。参列の父兄席の温かい拍手に包まれた。8クラス342名が着座したところで入学式の開会となる。
    日本国歌の斉唱で「君が代」が流れる。全員起立しての斉唱であるが、新入生からも後部の父兄席からも声が聞こえてこない。続いて新入生全員をクラス別の担任が呼び上げ、返事をしながら起立する。残念ながら声が小さい。中には蚊の鳴くような返事もあるのには驚いた。これがあすを担う若人の出発式かと思うと愕然とした。いいしれぬ憤激がむくむくと沸いてくるのをぐっと飲み込んだ。
    学校長の祝辞では、「剛健・中正・努力」が本校の指導要綱の3本柱であることを力説したあと「中学までは、両親に支えられての勉学、例えるなら塗り絵を塗っていたようなもの、しかし今日からは自立への勉学に入る。諸君は優れた才能を持っているが、いまだ自覚されていない。その秘めたる才能を自ら引き出すために努力を傾けてほしい。磨けば磨くほど光輝くように未来に向かって自分自身の生きていく方向をしっかりつかむような自立への勉学に最大の努力を・・・」「その学業生活の中でも忘れてはならないものは君たちを常に支えてきたご両親のことである・・・ 」等の言葉が耳に残った。
    来賓の祝辞、卒業先輩の激励、父兄代表の謝辞・新入生代表の宣誓、校歌吹奏などなど、1時間に亘る厳粛な式典は終了したが、この間拍手は一度も起こらず、感動も生まれず、時代の流れとはいえ、思い描いていたかっての入学式の雰囲気は全くなく、このままではきわめて大事なことが失われていくのでは、現行の教育課程の見直しを真剣に検討すべきと強く感じて戻った。「でもこれがほとんどだよ」という息子の一言が寂しかった。 

東京タワーを抜いた東京スカイツリー

2010-04-01 | 煙草
   我が店の入り口の小さなショーウインドウに建設中の東京スカイツリーの進捗状況の写真を飾っている。きっかけは、東京タワーのミニチュアを飾っているのに目を留めた愛煙家の島田さんが、建設中のスカイツリーを、工事現場の近くで撮影した写真を提供してくれたのが始まり。現在は2枚目で1月5日に撮影されたもので254メートル地点である。
   近いうちに3枚目と入れ替える予定であるが、3月29日に遂に東京タワー333メートルを抜いて338メートルになり高さで日本一になったと言うニュースが飛び込んできた。完成は2011年を予定し、高さは実に634メートルに達するという。
   東京タワーがパリのエッフェル塔を抜いて世界一高い電波塔になったのは完成の昭和33年のこと。日本の復興と成長のシンボルとして輝いたのを想い起こす。あれから半世紀を超えて完成する東京スカイツリーはどんな輝きを放つか、期待は膨らむばかりである。
   ツリーが伸びるにつれ地元の墨田区、隣接の台東区は、すでに明年完成の祝典を目指しての前哨戦の盛り上がりをみせている。特に2012年の開業に焦点をあわせて台東区の浅草は積極的。隅田川を挟んだ眺めが人気を呼んでるのに目をつけて、すでに数々のイベントを立ち上げているようである。
   区のホームページでは、浅草地区を中心に、合羽橋交差点、上野の国立西洋美術館など区内約20箇所を”東京スカイツリーおすすめビューポイント”として紹介している。浅草ビューホテルでは、27階のフランス料理店で、午後のティータイムにスカイツリーを眺望しながらデザートと紅茶などを楽しめる「スカイツリーセット¥1500円」などを始めているという。
   また浅草観光連盟は、地元の町会や企業などと共に今秋「2012年・祝東京スカイツリー開業記念・浅草大観光祭実行委員会(仮称)を発足させる予定が報じられている。そのほか面白いイベントが次々に立ち上げられているようで、浅草の活力が発揮される日が見えるようである。

外国の箴言(シンゲン)に思う

2010-03-31 | 煙草
   3月31日の読売新聞の編集手帳に外国の箴言を取り出して課税についての面白い風刺が載っていた。箴言とは、教訓の意を持つ短い句。戒めとなる言葉である。曰く”<あなたが酒も飲まず、たばこも吸わず、車も運転しないなら、納税義務を回避している>外国にそんな箴言があった。無論、取りやすい所から取る、と言う税制の一面にむけた皮肉であろう。””これからは下戸でもコーラやサイダーなどが大好きなら、堂々たる納税者として胸を張れる時代が来るかもしれない。米ニューヨーク州が、砂糖入り清涼飲料税の導入を目指している。今月末に州議会で採択するそうだ。””課税する理由は、甘い清涼飲料が肥満の人を増やし、州政府の医療費も膨らませているからと言う。まぁ何となく、もっともらしい理屈である。・・・酒そして清涼飲料へとまるで健康を強要するような論理で増税の動きが広がるのは薄気味悪い。・・・税金に関する外国の箴言をもう一つ。<この世で最良のものは無料であることだが、政府は絶対に課税する方法を見つけようとする>日本では御免蒙りたいものだ。”と。
   思わず吹きだしてしまった。ただ残念なことは”たばこならば受動喫煙の被害もあり、課税強化が支持されるのは分るものの”と言う下りである。この受動喫煙こそ無理やりにこじつけた論理であろう。これを健康被害というならば、その範囲は恐ろしいほど広がるであろうと思うが、いかがか。  

意識あるのに自分の意思が伝えられない

2010-03-30 | 煙草
   3月21日の夜、NHKスペシャル「呼吸器を外してください」のテレビに引き込まれた。生きていながら全身の筋肉が動かなくなり自分の意思を伝えられないと言う難病を患っている照川貞喜さんとノンフィクション作家・柳田邦男氏との交流の実録であった。
   意識ははっきりしているのに、自分の気持、意志を相手に伝えることが出来ない、そこで、頬のわずかな動きをセンサーに捉えて貰い、奥さんの介護によってはじめて言葉となる。実に、意志が示されるまで数々課程を経ての伝達である。
   奥さんが、あ行を声を上げて読み上げる。「あ」の時にセンサーの音が出て、まず「あ」が確認される。このようにして一文字、一文字を繋ぎ合わせて「ありがとう」の単語が出るのである。本人も受ける人もどんなにもどかしいことか、しかも自分の身体であっても全く動かせない。この現実を見ると「生きる」と言うことの意味をどうとらえるのか考えさせられる。
   この病状を「閉じ込め症候群」と呼ぶのだそうであるが、この難病を患っている人たちの苦しみは、言葉で表わすことはできない。この照川さんが「完全な閉じ込め状態になったら死なせて欲しい」と綴った要望書が出されて波紋を広げていると言う。
   「命は家族と共有している側面もある」と話しかける柳田さんに「家族や社会のために生きろといわれても分りません」と答える照川さんの言葉は、なんとも切なく重い。
   そして、つい先日のパラリンピックで障害のハンデをものともせず勇躍して競技に飛び込んでいく姿を思い起こしていた。自分の意志で闘う彼らの喜びは、健常者には知りえない命の輝きがあるのであろう。それに引き換え五体満足でありながら命の喜びを知らずにいる人の多きことを思う。



浅田真央・トリノの世界選手権で優勝の快挙

2010-03-28 | 煙草
   オリンピックでは、涙を呑んだ浅田真央選手が、3月27日・イタリアのトリノで開催されたフィギュアスケートの世界選手権でキムヨナ(韓国)選手を抑えて堂々の優勝を遂げた。日本女子で世界選手権を制した選手は5人を数えるが、2008年に続いての二度目の優勝は初めての快挙である。
   ”五輪まで征服し切れなかった重厚な曲<鐘>を、ついにねじ伏せた満足感が、氷上にあふれた。”と、読売新聞はその会心の演技を讃えている。ほぼノーミスに近い演技、全力を出し切った真央選手は「五輪でミスしたジャンプも跳べ、最後のステップには力強さを込めた。自分の中では、ほぼパーフェクト。それが本当にうれしい」と声を弾ませていた。
   また、この数日前に男子の高橋大輔選手が優勝しており、日本初の男女アベック優勝と言う大記録も生まれた。暗いニュースばかりに包まれていた日本人に大いなる勇気を与えてくれたスポーツ界のビッグニュースであった。
   

いよいよやってくるタバコの増税

2010-03-25 | 煙草
   どんな反対運動をしても、聞く耳を持たない行政機関。病気の原因を全てタバコになすりつけ、「健康」を錦旗の御旗としてのヒステリックな規制、規制の禁煙運動。マスコミもこぞって一方的な報道を煽るのみで反論意見に対しては封鎖同然の対応をしている。こんなに愛煙家を貶めていいのか、手の裏を返すとはこのこと。将来かならず臍を噛むときがくるに違いない。
   3月24日の夕刊読売のトップに「新年度予算が今夕成立」の大見出し、その横に「税制法案も・たばこ10月値上げ」が躍る。この法案が成立することにより、10月には、タバコ1本当たり5円程度の値上げが実施されることになる。財務省では、これによって生ずる影響を20%減と試算していると言うが、そんな机上論が通るか疑問である。
   今回の値上げに対する愛煙家の憤りは、今までとは違うものを感ずるし、タバコ小売り店としての対応も、当然、従来とは違うであろう。いつまでも言いなりになるわけには行かない決意で、この値上げへの推移を見つめていく。
   平成に入ってからの連続の不況。一度として好景気に沸いた商店街を見たことがない。ここをのりきれば、必ず道は開ける、そんな夢を見ながら肩を組んできた仲間は次々に姿を消している現状は、どこに怒りをぶつけたらいいのかと問う思いである。






不況の嵐と冷たい雨に泣く商店街

2010-03-09 | 煙草
   今日も午前中から雨。傘をさして足早に通り過ぎて行く人もまばらな商店街、降りそそぐ雨は一段と冷たい。どの店も冬場の雨は苦手、客足を遠のかせるからである。アーケードもない、駐車場もない、特別のこだわりの食べ物も商品もない。あるのは店主の笑顔だけ、これでは消費者の心を動かすことは出来ない。
   それにしても2月は、ひどい落ち込みで3月に望みをつなげているが、3月もすっきりした好天気は殆どない、寒暖の入れ替わりが
めまぐるしく、寒さばかりが身体に堪える。歳はとりたくないものである。
   商店主の挨拶も冴えない。”なんかいい話はないかね””話すのも憚るような不景気な話題じゃ聞くのも嫌でしょう””仕事が少なくなって、先が見えない””客足が途絶えて不安が募る”などなど、明るい話題はトンと聞こえてこない。
   これが、地元商店街の実情。区内の商店街のあちこちの仲間に様子を打診してみても、殆ど似通っている。これが現在の偽らざる姿
であろう。
   それにしても国会の論戦は、低次元で、いい加減にしろといいたい。「目糞・鼻糞を笑う」様な揚げ足取りのやりとり、本質を突いた質疑の応答はなかなか届かない。どちらも二言目は国民のためなどというが、本心は自党の為であるのが、透けて見える。国事に奔走する議員を選出したのに、何をやっているのか、「公僕」などの言はすでに死んでいることを確認するばかりである。

どこにも存在しない世論を乱発する報道の欺瞞

2010-03-04 | 煙草
   サピオの紙面より、端的に解る報道の欺瞞を挙げてみる。「マスコミは頻繁に世論調査を行い、その結果をもとに”これが世論だ”と主張する。だがそのようにしてマスコミが作る”世論”は本当の世論なのであろうか。埼玉大学教授で、同大学社会調査研究センター長の松本正生氏が論じる。」との前書きの後、本文にはいる。
   「国民人気の高い小泉純一郎氏が01年に自民党総裁、首相に就任して以降、自民党にかぎらず民主党もマスコミの世論調査報道に大きく影響され、総裁や代表を決めるようになっている。ちょうどその頃から世論調査の回数が増え、政局が動くたびに世論調査が行われるようになった。以前は各社とも年に5、6回だったが、05年の小泉郵政解散選挙の際、朝日新聞は1ヶ月足らずの間に実に8回も世論調査を行い、去年9月の鳩山内閣発足以降でも、読売新聞は今年2月の調査までで8回の世論調査を行っている。このように頻繁に世論調査が行われるので、政治の側が世論調査の結果を重視せざるを得なくなっている。」
   「世論調査が頻繁に行われるようになった背景には、調査方法の変化がある。10年以上前までは、主に調査員が調査対象者を個別訪問して行う”面接調査”方式が採用されていたが、現在は”RDD”方式が主流となっている。これはコンピュータがランダムに数字を組み合わせて作成した番号にオペレーターが電話を掛けて回答を得るという方法で、これまでと違い、・・・・調査にかかるコストや時間も大幅に減少した。そのため”今すぐ調査をしたい”という無理な注文に対応することが可能になり、乱発されるようになった。」
   「私は調査会社が実施している世論調査の現場で、対象者とオペレーターの電話での会話をモニタリングしたことがあるが、とにかく回答が早いことに驚いた。選択肢が4つあったとしても、2つ目を読みあげる頃にはもう回答が返ってくる。対象者には早く終らせたいという気持があり、オペレーターが長文の質問を読み上げていたら、途中で電話を切られかねない。いきおい、質問文も選択肢も極めてシンプルになるので、当然のことながら、ざっくりとした調査しかできなくなる。”サイレント・マジョリティ”である一般人は、ふだんから内閣を支持する、支持しないなどと考えているわけではなく、質問
されて初めて考える。しかも早く調査を終えてしまいたいという心理から、熟考することなく反射的に”イエス””ノー”と答える傾向が強いのだろう。」
   また「”重ね聞き””言い回し”による回答結果への影響もある。たとえば内閣支持率で”支持しますか、支持しませんか”という質問に”解らない”などと答えた回答者に再度”あえて言えばどちらですか”と聞くのが”重ね聞き”だ。これを積極的に行えば、必然的に支持率、不支持率の数字は高くなる。また、質問文の”言い回し”が回答に影響を与えることがある。例えば、内閣改造時の世論調査で単に”00内閣”と言って支持、不支持を聞く場合よりも”00改造内閣”と言って聞く方が支持率は高く出る。改造という言葉のプラスイメージに回答者が影響されるからだ。この”重ね聞き”や”言い回し”の影響が大きく出たと思われるのが、08年8月にマスコミ各社が行った福田内閣に対する緊急世論調査だ。同じ時期に同じ調査手法で実施されたにもかかわらず、新聞大手3紙と日経で、支持率が24%から41%まで大きな開きが出たのである。最も低かったのは朝日で、高かったのが読売である。専門家の間では”世論調査の信頼性の危機”と言われたほどだ。実は、朝日、毎日が”重ね聞き”を行ってこなかったのに対し、読売、日経は行なって来た。また他の新聞と違い、読売だけは”福田改造内閣”という言葉を使って支持、不支持を質問していた。」
   「また、RDDは20代の若者、特に男性の意見を掬いあげにくい。若年層は固定電話を持っていない割合が高いためアプローチしにくいからだ。全有権者中20代が占める割合は約14%だが、今の世論調査の回答者に占める20代の割合は5%程度と3分の1ほどに過ぎないことが多い。・・・・・」
   「このようにRDD方式で出た世論調査結果、それに基づいてマスコミが喧伝する世論は、実際の世論より誇張されて報道される傾向がある。・・・・・小泉内閣以降はマスコミが報道する世論が政治政局を動かし、首相をつくるのは世論だとすら言われてきた。選挙に関する世論調査の結果が実際の投票行動に影響を与えることもある。世論調査の結果をもとに、ある候補、ある政党が有利と報道されると勝ち馬に乗る投票者が増える”勝ち馬効果”がうまれるのである。」   「忘れてほしくないのは、民意の動向を探る世論調査はレファレンダム(国民投票)の代用品ではあるが、あくまでもシミュレーションであるということだ。今の世論調査は、その時々の人々の反応を映し出しているだけに過ぎない。私はそれを”お返事世論”と呼んでいるが、”内閣改造がありましたがどうですか?”と呼びかけたら、”いいんじゃない”と軽い返事が返ってくるだけだ。にもかかわらず、世論調査の結果が政治の行方を左右したり、選挙への流れを決したりしたら、議会や選挙の存在意義が危うくなると言わざるを得ない。・・・世論調査を多用するマスコミの側も問題だが、答える世論の側の衒(てら)いのなさも想像を超えるようになってきた。原因はあまりに頻繁に行われる世論調査に国民も食傷気味になってきたからではないだろうか。そう考えると、”世論調査政局”や”世論調査民主主義”も、そろそろ賞味期限を迎えたといえるかもしれない。」
   このように結んでいる。世論調査対象は1000人程度、その
他の大多数派の声は、一体どうなるのか、これで民意といえるのであろうか、マスコミのご都合による世論調整の正体見たりである。
      

マスコミに振り回される世論の危険

2010-03-03 | 煙草
   私の知るかぎりであるが、新聞の活字、テレビの報道をうのみにして、あたかも自分の知識のような発言をする人が多いのに非常な危険性を感ずる。新聞活字に弱いのは、一般の人ばかりか相当な知識人でも多い。テレビに至っては、チャンネルを替えても朝から晩まで同じ方向のニュースを、これでもかこれでもかと流し続ける。だからそれが常識となる。白黒がはっきりしている事は、許せるが、事柄によっては両方の主張を取り上げて、正論に導く姿勢が必要ではないのかと強く思う。
   活字にすると言うことは、その論旨に責任を持つべきであろう。公共の電波に至っては尚のことである。そしてそれが誤りの時は、素直にその誤りを訂正するべきである。何故こんなことをいうかと言うと、特にこのところのマスコミの偏頗な報道が多すぎること、しかもどこも論調が同じであることが気がかりである。煽り立ててること夥しく、あたかも真実は、これしかないと言う方向に誘導しながら結末が全く逆になっても、責任は何時も転化するだけでとろうとしないからである。
   こんなことを考えているところに、國際情報誌・サピオの3月10日号が目に留まった。”マスコミの「虚報」世論の「暴走」”の見出し、さらに大きくは”中国が「日本」を買い尽くす”サブの項目には「銀座の一等地の老舗デパートも!」「高級リゾートも億ションも!」「防衛機密企業も国境の島も!」「ブランド食品も労働者も!」とある。早速手に取ると、うなずくことばかり、心ある人に一読を勧めたい事柄ばかりの特集である。 
   その中から、マスコミの虚報についての警告を取り上げてみると、やはりと思うことが裏づけされたのに愕然とした。少し長くなるがそのまま抜書きしてみる。まず出だしに溜飲をさげる。「公共の電波を使って、お笑い芸人やタレント崩れが政治から経済まで幅広く論じる惨状は、いまさら指摘するまでもないが、一応、”それらしく”見える新聞報道も疑ったほうがよい世の中になってきた。かつてはどの新聞社にも上司の”政治的配慮”などそっちのけで突っ走る名物記者がいたし、元旦ともなれば、各社がスクープを競ったものだ。ところが、現在の新聞はどれがどの新聞だか分らないほど同じ内容しか書いていない。一方で、情報の受け手の”曲解が世論を形成することもよくある。メディア・リテラシーの現状を検証する。」と。
(メディア・リテラシーとは、情報メディアを主体的に読み解いて必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き、活用する能力のこと。”情報を評価・識別する能力”とも言える。但し”情報を処理する能力”や”情報を発信する能力を呼んでいる場合もある。)
  具体的な事例を挙げては、次でまとめることにする。(続く) 
   


オリンピックの主役は選手ですね

2010-02-26 | 煙草
   サンデー毎日3月7日号の「今週のブーイング」のコラムで松崎菊也氏(戯作者)が、オリンピック開会式を見て「主役は選手だろう」と、次のような一文を寄せている。
   「オリンピック開会式の入場行進で、何時も首をかしげてしまう光景がある。選手団の最前列に、さも晴れがましそうに年寄りの役員が、あたりを払って行進する。あれは何とかならんものかね。入場行進を中継するテレビカメラが正面から迎えたりするもんだからもういけない。”なんだなんだ、選手団っていうけど、オッサンばかりじゃないか!”」
   「高校野球の開会式の先頭に野球部の監督が行進したらどうなるか?相撲の土俵入りの先頭に親方が肩で風を切って入場したらどうなるか?ましてや、運動会の生徒入場の先頭に校長やら教員が行進したらどうなるか?」「オリンピックぐらいじゃないのか、のっけからオッサンたちが先頭切って引率するのは。・・・」ソシテこれをもじって駄洒落をとばしたあと「役員は裏方。競技場の裏で汗をかくがよろし。」で締めくくっている。
   日本の代表となるまで、数々の苦闘を乗り越え、必死に耐え抜き、重圧を切り開いてきた選手が、胸を張って行進するところに感動があるのではないか。
   前回に続いて五輪の話題を取り上げたが、同じような見方をしている人が、かくも小気味いい駄洒落で風刺するのはいいもんですね。役員諸氏、少しは応えるだろうか。いやいや、応えそうもないのが透けて見えるが残念である。

五輪選手の勇気ある告発

2010-02-25 | 煙草
   日刊ゲンダイの2月26日号(25日発売)に「スポーツ予算をムダ食いする・JOCの役員メンバー」と題して日本のスポーツ行政の誤りが指摘されている。実は前日、囲碁の友人の大関氏のブログで長野五輪金メダリストのスケート選手・清水宏保氏が朝日新聞紙上に告発した「スポーツ後進国日本の実情」をとりあげての一文を読んだばかりだけに特別目に付いたのである。
   清水氏の告発によれば「日本には国立スポーツ科学センターがある。韓国にも同じような施設がある。韓国ではそこに選手が集められ、召集された時点で日当が出る。日本では利用するのに料金が発生する」「バンクーバー五輪では、JCCの役員、メンバーが大挙して
現地入りしている。予算は限られている。そのため、選手を手塩にかけて育てたコーチやトレーナーがはじき出され、選手に快適な環境を
提供できていない。お金の使い方が逆だろう」「五輪の時だけ盛り上がって、終ったら全く関心がないというのでは余りに悲しい」・・と結んでいる。 
   これを取り上げて、「清水と言えば、前回のトリノまで4大会連続で冬季五輪に出場。金、銀、銅を獲得した日本を代表するメダリストだ。JOCにも世話になり、しがらみもあるだろう。内部告発に
至ったのは、国やJOCのあり方が、よほど腹に据えかねていたに違いない。事実、日本のスポーツ行政は腐っている。バンクーバー五輪の日本選手団205人のうち、純粋な選手は94人だけ、残りはコーチや医師、JOKの役員やスタッフだ。役員の中には・・・物見遊山気分で訪れている役立たずも多い。」と切り捨てている。
   また「冬季、夏季を問わず、選手の強化対策もお寒い限りだ。
北京五輪までの1年間に日本が国庫負担で賄った選手強化費は27億円に過ぎない。274億円のドイツの10分の1.米国165億円、英国120億円、中国120億円、オーストラリア110億円、韓国106億円などと比べても、極めて低い。」”強化費の分配方法もデタラメです。国からJOCに渡り、JOCの差配で、個人やチームにではなく、所属する競技団体に支給される。その差配には、各競技団体のトップにおさまる国会議員の政治力が、モノをいうのです”とスポーツジャーナリスト・谷口源太郎氏の言である。
   更に「各競技団体が強化費を何にいくら使っているのかも不透明だ。トリノ五輪後には、日本スケート連盟の元会長が裏金を作り、私的流用していた事件が発覚した。わずかな予算にえたいの知れない
連中が群がり、中間搾取して選手の手元に渡る頃には、”すずめの涙”。長期化する不況のあおりでスポンサー企業も激減だ。そのため、オフにはバイトに励み、自己負担で国際大会に出場している五輪選手も少なくない。韓国では国のほか、各財閥が後ろ盾になって、選手個人を金銭面でサポートしている。金メダルを取れば賞金のほか、終身で毎月100万ウオン(約8万円)を支給し、男子メダリストは兵役免除など”ニンジン”も充実している。日本のデタラメ政策とは雲泥の差。メダル獲得数で3倍以上の差がつくのも当然だ」とある。
メダル・メダルと騒ぎすぎるマスコミの喧騒も選手にとってははなはだ迷惑だと思うが、それ以前にスポーツ行政の全面的な見直しが急務である。