京の一枚

京都紅葉今が見ごろ 平家物語の祇王寺


京の都を囲む山並みはひと朝ごとに彩りを増し、やがて深山の古刹、裾野の大寺を錦に染め上げます。


四季の風情がそれぞれに美しい京都ですが、やはり紅葉の古都は格別です。


美しい竹林と小倉山の裾野に並ぶモミジの寺院。


秋になれば多くの参拝客で賑わう嵯峨野ですが、かつては世捨て人たちの隠遁の地でした。




紅葉の話


奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の~、百人一首で有名な猿丸大夫の歌にもあるように、紅葉は華やかな中にもどこかもの悲しい雰囲気が漂います。


春の桜もはかないものですが、花が散った後は新緑のシーズン。


田植えも始まり、野山に生命力が満ちあふれる春と、その後に長い冬を控える秋はやはり異なります。


最近はライトアップが人気で、華やかさを増すばかりの京都の紅葉ですが、日々移ろいゆく自然に美を見つけ、「もののあはれ」に感じ入った日本人の感性も忘れたくないもの。


縁側に座って紅葉の庭を前にしたとき、目に飛び込んでくる色彩の美しさだけでなく、黄昏の季節に無常の世を重ね、またその風情を愛した古の人々の心象風景も眺めてください。


 
萌え出づるも枯るるも同じ野辺の草 いづれか秋に逢はで果つべき平清盛の寵愛を失った白拍子・祇王が清盛の元を去る際、障子に書き残していったという歌。


仏御前はこの歌を聞いて、自分の立場もまた常ならぬものと悟り、出家への思いを募らせたといいます。






■アクセス


JR京都駅より


京都バス72系統「護法堂弁天前」下車徒歩10分


※シーズン中の休日などはバス利用は避けた方が無難。




■JR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」から嵯峨野めぐりを楽しみながら歩くか、レンタサイクルで。


※写真は全て過去のものです。







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