京の奥座敷」として親しまれている貴船は、市内よりも気温が低いため、一足早く紅葉が見られる。
貴船神社は鴨川の源流、貴船川沿いに参道が続く古社で、11月上旬には参道の階段や本殿周辺が紅葉に包まれ、多くの参拝客の目を楽しませる。
この時季、京都では多くの神社仏閣で御火焚神事がおこなわれる。
水や火の恵みに感謝し、火の霊力によって罪穢れを祓い清めて、神様の蘇りと皆様の氣力再生を祈願します。
まず本殿で、ロクロヒキリと呼ばれる古来からの火をおこす道具で神聖な火をおこし、境内斎場の約1万本の火焚き串を円柱に汲み上げた護摩壇が築かれ、神官の祝詞が奉上された後、点火されます。
御火焚竈
貴船神社の「御火焚竈」は、他の社寺では見られない特殊な形をしている。
直径約2メートル、高さ約1.5メートル。中心部は空洞になっており、上方に丸みをもたせて御火焚串を積み上げる。
中を空洞にするのは、燃えた御火焚串を中に崩していくための工夫だという。
その技術は、責任役員であった檜皮師・山本末二氏(故人)が先代から受け継ぎ、さらにそれを氏子の若い人に伝授したもの。
毎年、御火焚祭の直前に氏子若中が集まり、全国の崇敬者より御奉納いただいた約1万本の御火焚串を使い、特殊な技巧によって1本1本根氣強く積み上げられる。
『日本書紀』には、次のように記されている。
「一書(あるふみ)(第七)にいう。
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が剣を抜いて、かぐつち(火の神)を斬って、三つに断たれた。
その一つは雷の神となった。
一つは大山祇神となった。
一つは『たかおかみ』となった。」
一説に、本宮には『たかおかみのかみ』、奥宮には『くらおかみのかみ』が祀られていると伝えられているが、社記には「呼び名は違っても同じ神なり」と記されている。『本朝神社考』によれば、『たかおかみは龍神也、貴布禰明神是也』とある。
別名は「貴船もみじ祭」。
雨天(御火焚神事のみ)順延(小雨は実施)。
■場 所: 貴船神社
■期 間: 11/7(※毎年同じ日程です)
■時 間: 11~12時頃
■料 金:拝観無料、護摩木:1本300円(当日の11時まで受付)
■アクセス:京阪電車「出町柳」駅より 叡山電鉄鞍馬線「貴船口」駅
貴船口駅から無料送迎バス運行(貴船口 10時半発、10時45分発)
■お問合せ: 075-741-2016
■詳細ページ:http://kifunejinja.jp/
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