ルート:小同心バンド
日時 :8月2日
メンバー:Mar、岩ひばり、S原、S藤、T嬢、U山
8月例会山行は地元の山 八ヶ岳をもっと知ろうをテーマに、
小同心のマイナールートの見学、登攀に行ってきました。
この日は5:30に美濃戸口に集合し、大同心稜を経て小同心クラック取り付きに9時過ぎに着。取り付きに他パーティーの姿は無し。
本日の計画は、登山大系に載っている小同心のマイナールートを見て、登れそうなものがあったら登りましょうといういきあたりばったりのもの。
まずは存在感は十分ながら登ったという話をとんと聞かない右岩峰を見てみようと、小同心基部に続くバンドを下って右岩峰基部に登り返す。
<小同心基部のバンドを下る>
<小同心基部のバンドを下る>
すると、目の前の岩にリングボルトが一本、そこから上にも何本かの残置が続き、すぐに右岩峰正面ルートを確認できた。
<小同心右岩峰正面壁 クリックで拡大>
ちなみに、当会では過去に右岩峰の事故で一名が亡くなっている。
当日は、うっかりそのことを忘れていて(バチがあたるかも)、現場で皆でそれを共有することができなかったけれど、
参加した皆さんはあの場所がそういう場所であったことを憶えておいて下さい。
ラインは小同心左岩峰の小同心ルンゼ側の側壁のバンドを伝ってルンゼ上部の緩傾斜帯に抜けるというもの。
小同心クラック取り付きに戻っていったん休憩後、もう一本のマイナールートの小同心バンドルートに目をやる。
このルート、昭和の時代に登攀をやった人間なら一度はその名前を耳にしたことがあるのではないだろうか?
なので、けしてマイナーではないはずなのだが、同時にそこを登ったという話をとんと聞いたことが無いのも事実で、
もしかしたら時代とともにマイナーに降格してしまったのかもしれない(昭和世代のMarさんもS原さんも同じことを言っていた)。
<小同心バンド 1P目>こちらは右岩峰と違って下から見てもルートの様子はわからないが、登山大系によれば、ピッチグレードは3級と低いし、
傾斜も緩そうだったので、取り付いてみることになった。
ラインは小同心左岩峰の小同心ルンゼ側の側壁のバンドを伝ってルンゼ上部の緩傾斜帯に抜けるというもの。
登ってみればクライミング的な面白さは全くないのだが、小同心ルンゼに向けて下って行く2P目は、
ルンゼの奥底の探検に向かうような雰囲気があってそれなりに楽しめる。
<2P目>
<終了点手前>
全体を通して残置はほとんどないので(見かけたのは3本)、ランニングやビレイ点は主に岩角や岩コブでとった(何箇所かカム、ストッパーもとれた)。
2P目の終了点手前(バンドの終端)にはけっこう新しいハーケンが打ってあって、”最近でも登る人がいるんだ”と妙に感動してしまったが、
マイナーというのは我々の勝手な思い込みで、もしかしたら頻度は低いもののコンスタントにトレースされているのかもしれない・・・。
2P目の終了点手前(バンドの終端)にはけっこう新しいハーケンが打ってあって、”最近でも登る人がいるんだ”と妙に感動してしまったが、
マイナーというのは我々の勝手な思い込みで、もしかしたら頻度は低いもののコンスタントにトレースされているのかもしれない・・・。
<終了点>
緩傾斜帯に上がったら、その先、小同心ルンゼの草付きを2P登って左のクラックルートと合流し、横岳直下の短い岩場にロープを出してピークで終了。
<小同心ルンゼの草付き>
<小同心クラックと合流>
<横岳直下の岩場>
頂上からは穂高、後立もくっきり見える大展望が得られたが、3,000メートル近い山の稜線とはとても思えないような暑さに強い違和感を憶えた。
下降は大同心稜を蝶の舞いや可憐な花を楽しみながら下る。
<大同心稜下り口><大同心手前のコル>
<蝶>
<花>
<撮影会>
鉱泉を経て赤岳山荘に5時帰着。心配していた夕立に降られずに何よりだった。
山荘で話を聞けば今日は標高1700mのここでも27℃あったそうで、稜線といい、ここといい尋常でない暑さに
地球温暖化が一線を越えてしまったのではないだろうかと懸念をおぼえる。
このままいったら今日見た蝶や花も近いうちに見られなくなってしまうのではないだろうか・・・?
せめて、自分が山に登れなくなるまでは、山が今のままで在ってほしいと願うばかりである。
以上
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