さて、「ダークナイト」も公開終了に近づくにつれてじわじわと人気が上がっていたようではありますが、それでもアメリカに比べると日本の盛り上がりはさびしいかったですね。
しかしいよいよBDorDVD発売も近づいてきた。
映画の好き嫌いというのは人それぞれであるので、僕がどうこう言ってもしょうがないが(特にこの作品はすき嫌いが分かれるだろうしね)ネットなどで様々なレビュー、批評を読んでいると明らかに間違った理解をしていて、その間違いを基に批判しているものが多々見られるので、勝手にQ&A方式で勘違いor疑問に答えてみたい。
もちろんコレは僕個人の考えであり、DCコミックス及びワーナー等製作者の公式な答えではないことを明記しておく。
Q1 自分の知ってるバッドマンと違うんだけど?
A 最初に、バッドマンではなくバットマンです。ティム・バートン監督の「バットマン」の昔から数多く間違われてきました。中には文脈上正しい使い方もあるが(例「バットマンならぬバッドマンであり・・・」)大抵ただ間違ってるだけです。以後気をつけましょう。
さて、あなたの知っているバットマンとはいつのものでしょう。1966年のテレビシリーズですか?それとも1989年から始まる映画版でしょうか。
バットマンは1939年にデビューした70年近い歴史を持つ作品です。その流れは一貫したものではなく、戦時中は日本軍と戦ったり、50年代から60年代は宇宙人と戦ったりしたこともあります。現在のバットマンは1970年代以降に作られたイメージが主流です。特に80年代の2つの傑作「ダークナイト・リターンズ」と「キリング・ジョーク」によってダークヒーローが決定付けられました。
バートン版の「バットマン」はその影響上で作られたものですが、ジョーカー=ジャック・ネイピアというギャングの幹部、という設定は映画独自のものです。ジョーカーの設定はむしろ今回のほうが近いといえます。
「ダークナイト」はシリーズの6作目ではなく、「ビギンズ」から続く2作目です。過去のシリーズとは切り離して見るほうがいいでしょう。
Q2 ヒロインが不細工な女性に変わってるんだけど?
A レイチェルを演じたマギー・ギレンホールが不細工かどうかは人それぞれなので、多くは言いませんが、あなたにとって映画の価値はそれだけですか?美人が出てるかどうかだけが作品の評価ポイントなのでしょうか。だとしたらとてもさびしいといわざるを得ません。確かにマギーは凄い美人ではないかもしれませんが(僕は十分美人だと思うが)そもそも、今回のレイチェルの役柄は知的で芯の一本通ったキャリア女性。マギーは十分その役を演じきったと思います。唯一の欠点は「バットマン・ビギンズ」と連続で見たときに統一性が保たれないということでしょうか。
もしも、美人が目的なら、女刑事ラミレス、ロシアのプリマドンナ、フェリーのお母さんなどをお薦めします。でも何度でも言うけどマギーは決して不細工じゃないよ!
Q3 上映時間が長すぎます。もう少し短くないと・・・
A 伏線がこれでもかというほど詰め込んであるのでもし短くなると、余計にわけが分からなくなると思います。まあ、確かに映画の上映時間というのは人によっては苦痛に感じるほど長く感じる体質の人もいるでしょうが。
作品自体には無駄が極限までそぎ落とされて、すべてのシーンに意味がある、と僕は思ってますので、これでも短い気がしますが。後30分あってもいいと思います。「タイタニック」だって3時間あったわけですし。
Q4 ジョーカーは金に興味もないし、部下をすぐ殺すのになぜあんなに部下が付いてくるんですか?矛盾しませんか。
A 矛盾はしません。思い出してください、ジョーカーがギャンボルを殺したシーンを(「Why so serious?」のあのシーンです)。あそこで出てくるジョーカーの部下たちはマフィアというには幼い少年たちです。あのぐらいの年齢だとジョーカーのような強烈なカリスマに当てられて付いていってしまうのではないでしょうか。現実より理想を追い求めてしまう年齢です。
後はトーマス・シフ君に代表されるアーカム出身者。アーカム・アサイラムは犯罪者専門の精神病院で前作「ビギンズ」のラストで大量の脱走者を出してしまいました。アーカム出身者は一般の価値観が通用しない人たちです。まさにジョーカーの部下にふさわしいといえるでしょう。
若者とアーカム出身者。この二つがジョーカーの部下の中心だと思われます。どちらも金以外に価値観を求め、ジョーカーのカリスマに当てられた人たちです。
それ以外に爆弾を実際に用意したりした人たちがいると思われますが、おそらくマローニやチェチェンからジョーカーの下に出張った人たちなんかもいると思われます。この人たちはジョーカーの部下というより、マローニ達の部下としてジョーカーの命令を聞いてる、という感じなのでしょう。
Q5 バットマンは何故ジョーカーを殺さないの?
A バットマンは自警者ですが、けっして相手を殺しません。法を犯すという意味ではバットマンも犯罪者も同様ですがそこが違うところです。彼が捕まえた相手は大抵、イカれているのでアーカム行きになりますが、それでも彼は挫けません。
もしも問答無用で殺してしまうヒーローの方がいい場合は、マーベルの「パニッシャー」(近々三回目の映画化作品が公開されます)をお勧めします。これはこれで考えさせられる作品です。
Q6 デントの変貌が急すぎませんか?
A そうかもしれません。しかし、それをじっくり描くとそれこそ3時間あっても足りませんよ。
あれはデント=トゥーフェイスというファンなら当然知ってる観客の心理を利用したのでしょう。実際僕はそれほど唐突には感じませんでした。勿論、知らない日本の観客向けではなかったかもしれません。
と、こんな感じですかね。Q&A方式にしたので少し上から目線です。不愉快に感じた方もいるかもしれません。その時はすいません。なお僕も完璧超人ではないので間違えている可能性も。フォローはBDを観てから。
さて、それではまた、BDが出た後で。待ち遠しい!
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