偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

日本沈没~地味にリアルに有害な人々

2021年11月14日 17時30分16秒 | ◎ツッコミ思案neo
「週刊フジテレビ批評」という地味な土曜早朝の30分番組ではクールごとに、各局のドラマについて語り合う「各局ドラマ辛口放談」という定例座談会企画がある。
 毎期2週またぎでくりひろげられるという地味番組のなかでは気合いの入った企画だ。
レギュラーは
梅田恵子(日刊スポーツ芸能記者)
木村隆志(ドラマ解説者)
吉田潮(コラムニスト・イラストレーター)


今回はドラマ大好き芸人の橋爪ヨウコという人が加わる。
先週放送の前編の終盤で司会者が
「今回はTBSの日曜劇場をオススメにあげる方がいないというのは意外ですが」
とふると、梅田氏は
「原作はSF小説の金字塔なんです
なのに今ドラマはサイエンス感がまるでない。
むかしの映画は、ほぼほぼサイエンスですからね
それを令和の映像技術でどう見せてくれのか
楽しみにしてたのに」
どうやら彼女が「サイエンス」と呼んでいるのは
SFXシーンのよう。(sexシーンではない)
しかも地割れに噴火がドッカンドッカンといった。

彼女は多分ろくにSF小説を読んだこともなく、
昨今はびこるSFとファンタジーを混同しているクチと同次元なのかもしれない。
SFとファンタジーの明確な区別などないだろうが
たとえば
「何でもありかよっ!」
とつっこみたくなるのがファンタジーだ。
最近のドラマだと「知ってるワイフ」とか…。

ドラマ自体がシンプルにつまらいというなら仕方がないが
海底探査のシーンは緊迫感もSF感も充分だ。
改竄された海底地震の記録紙や
吹き出す謎の温水の不気味さこそSciFiドラマのきわみ。

この早朝番組自体は地味だが
この方々の行動範囲は決して地味ではないというのが厄介だ。
吉田潮氏は週刊新潮に連載をもっている。
「ハケンの品格」のようなお手軽ジャンクなドラマでさえ
「オトコ目線」と猛批判するくせに、一方で
「全裸監督」は大絶賛する。
ふだんジェンダー問題にうるさい吉田さんが認めるのならきっと正しい作品なのだろうと読者は思ってしまいそうなところがヤバい。
 (こないだ「全裸監督」と印刷された紙袋を持った若い女性をオオゼキでみかけたのだが、あれはいったいなんだったのだろう?)

「全裸監督」といえばマツコデラックスなどは村西監督もろとも大絶賛なので、完全にアウトなのだが、LGBTな方々は差別問題やジェンダー問題に正しい意見を持っているのだという「誤解」が世間に蔓延しているようなのでこれまたキケン。
 昨日の「マツコ会議」でDJ松永を涙させたシーンを見てまた若者の支持を集めてしまったのだろう。やれやれ。

木村隆志氏はこの番組では「ドラマ解説者」となっていたが、東洋経済などのWEB記事を書いている。「誹謗中傷」と「批評・批判」を完全に混同するカタチで池江璃花子さんを擁護なさっていた。
 その姿勢は「アスリートやタレントは政治的なことに意見してはいけない」とほざいている方々と同じ次元に陥っていることに気づいていないのだろうか?
 池江さんの
「メダルをとれなけりゃ五輪に出る意味がない」発言は
コロナ禍の凶行開催でなくとも批判されてしかるべきだし、そもそもシンプルに五輪の精神にも反する。

 アスリートの方々がインタビューでトレンドのようにいっていた
「当初は果たしてやっていいものか悩みましたが」
というセリフ。
いったい、何をどう悩んでどういった結論が出たのか具体的に聞いたみたいものだ。

そんなわけで木村氏の「混同ミスリード」は政府が「テラスハウス自殺」のどさくさで政権に対する批判ツイートまでも封じようとする作戦をまんまとアシストするカタチとなった。

河野大臣の「ブロック行為」がなぜアウトかというと政府の見解は万人に届けなければならないからだ。ツイッターを政府の公式インフラと発表した覚えはないとしらばっくれても要求にこたえるべくは「実質」なはず。

さて、今夜も「日本沈没」
 令和版がすぐれているのは沈没を関東平野に限定したこと。このおかげで戦争をせずして領土を失うというのに、鈍感なまま逆に利用して私利私欲や政局にいそしむという原発事故とのアナロジーが実現している点。

まあ、日本全土だと韓国や中国に世話になるという屈辱的な構図になりそれは耐えられないというウヨからの攻撃があるかもと恐れてのことかもしれないが…。

座談会で唯一正しいと思ったのは「日本沈没」が描くのは喫緊の問題なのでとてもドラマとして楽しんでは見られないと言ったこと。実際、「震度5強」という数字は、放送のほんの数日前の関東地方のリアルと重なって背筋に戦慄が走った。
 だからといって「全裸監督」を正当化できることにはもちろんならない。

追:
「日本沈没」は世界配信されているが苦戦をしいられてるとか。
意外でもなんでもない。
個人的にはこの作品は好きだが世界に通じる要素は皆無だと思う。
ただし世界基準を気取っていたら「身内」の石破茂氏や女性自衛官にも「間違い」を指摘されてしまったという、「シンゴジラ」と比べるとぜんぜんしっかりとしたつくりだと思う。

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