偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

はらぺこあおむし、モト冬樹、ビリー・アイリッシュ、デンベレとグリーズマン、藤井靖…ヤバいはなし

2021年07月07日 19時17分40秒 | ◎ツッコミ思案neo
THE VERY HUNGRY CATERPILLAR
はらぺこあおむし
by Eric Carle
On Monday he ate through one apple, but he was still hungry.
On Tuesday he ate through two pears, but he was still hungry.

月曜日にはりんご1つの中を食い進み
火曜日にはナシ2つの中を食い進む
と数え歌のようにコミカルに食事リストが並んでいきます。
「eat through」
は食い荒らすという意味もありますが
「through」が丸のみや丸かじりではなく
イモムシがトンネルを掘るように
中を食い進む様も表現しています。
ある意味、長嶋茂雄氏のスイカの食べ方のような贅沢食いです。
まだ1割も食べてないのに捨てるという…
ま、結局、食い荒らすってことですねw
そんな食べ方をしておきながら
合の手のように文末には
「still hungry」
まだ食いたりねぇときた
プラム3個、いちご4個、オレンジ5個、チョコレートケーキ、アイスクリームコーン、ピクルス、スイスチーズ、サラミ、チェリーパイ、ソーセージ、サラミ、カップケーキ、スイカ
と次々にやっつけ
(そう「ate through」 の訳語は「やっつける」がいいですね。)
しまいにはおなかを壊します。

肥満大国のアメリカにおいてはより生生しく
受け止められたことでしょう
(罪悪感ありありニュアンスのDECAENTという単語が連想されます)
結局、ものがたりは原点に立ち返り
青い葉っぱをたべて
めでたく蛹化→羽化となります
これのどこが「どこまでも健康的な食欲」やねん!

偕成社のツッコミにつっこみたくなります。

貪欲なIOCに改心を促す風刺にはピッタリのモチーフではありませんか!

そもそも新聞の風刺漫画なんて
「うまいっ!」なんてのは10本に1本くらいです。
それでも、その存在価値は漫画そのものの出来だけではないので
それでいいのです
例えば
今週の注目記事を提示するようなまとめ的意義
あるいは雑誌でいえば表紙的な役割もあるのです
あとで単行本にまとめられる種類のものとは違うのです
風刺漫画はなぞかけとか川柳のように
「考えオチ」的な側面もあるので
「あ、そういう意味か」とか
「えーと、あの事件のあの人のことか」
とか
見る側がクロスワードを解くように自己満足が得られるという読者参加的側面もあります。
週末まとめ読みなんてことをすると
マジクイズ状態な時があります
漫画家さんは、必ずしもいちばんメジャーなトピックをネタにするのではなく
ネタにできそうなものを選んでる場合もあるので
そことりあげる?みたいなのもタマにあったりするのです。
(これは川柳も同様)

そもそも
その時々のタイムリーな事柄にひっかけるのが
時事漫画のフォーマットなので
小説などとは引用の意味合いも変わってきますし
必然的に風刺漫画そのものがパロディ的なものなのです
今回のマンガに関していえば
IOCもあおむしも並列的なアイテムと言うこともできます

偕成社の抗議にのっかた人々は
実はほとんど新聞など読んだことがないのではないでしょうか
ヘタをすると絵本のほうも読んでないのではと疑いたくなります
風刺は否定しないけど洗練されてないからダメって
風刺なんて泥臭いものですよ

どこまでも健康的なんてことばは
「はらぺこあおむし」のほうにも似合わない
はらぺこあおむしはむしろポップでロックでパンクです
はらぺこあおむしにはゾンビパロディも存在します
エリックさんが生きていたら今回のも全然、許容してたのではないでしょうか?
サブカルな方々はよく推し作品を評して
このアニメは勧善懲悪でないのがいいんだよね
なんて言ってたりしますが、一方で絵本には純粋を求めるのでしょうか
欧米の児童文学は清濁併せのむようなものが多いのです
「ムーミン」などは狂気さえ見え隠れします
これは「子供を子供扱いしない」という文化とも関係があるかもしれません
ビリー・アイリッシュのアジア人差別炎上も
「子供を子供扱いしない」という慣習と昨今のキャンセルカルチャーが
悪い方のケミストリーを起こしてしまったのでしょう
精神疾患へのケアが日本より50年先を行っていて
しかも懺悔で悔い改められる宗教観のアメリカ本来の流れなら
14歳時の過ちはむしろケアの対象で断罪などしないはずですが…


今回の場合は
「当時は差別意識はありましたが、今は間違いに気づき反省しています」
が正しい謝罪ですが
さっきのような昨今の社会構造にさらに「謝ったら負け」の訴訟カルチャーもあいまって
その状況をのりきるために
全力で差別意識そのものを否定し
言葉の稚拙さの問題にすりかえたのでしょうが
いかにも無理があります。

 同じような手法でしくじり先生になってしまったのはサッカーフランス代表のウスマーヌ・デンベレ(Ousmane Dembélé)とアントワーヌ・グリーズマン(Ousmane Dembélé)選手です。彼らの場合にはさらに、成功したスーパースターの「驕りオラオラ」が加わって謝罪にすらなっていません。

こうしてみると「遊びのない断罪基準設定」が加害者を追い詰め、結果として弱者、被差別者の利益まで損なってしまっている欧米のキャンセルカルチャーはひどいよね、日本はまだましだねなんて思ったら大間違い。

 さっきの「どこまでも健康的な食欲」なんて解釈は、寛容・不寛容以前に小学生レベルの読解力を欠くという時点でヤバい。それが社会の木鐸たる新聞屋さんだっていうのですからさらにヤバヤバです。
 読解力といえばよくテレビに出る藤井靖という臨床心理士は伊勢谷友介が講演の中で、単に俯瞰視点、第三者目線という喩で用いた「宇宙人」という単語をあげつらい「ナチュラリストは人知を超えた存在に逃げがち」などとトンデモな解釈をなさっていました。
 この方は大坂なおみさんの一件でも彼女のSNSにあった「depression」という単語について、これが「うつ病」のことなのか「うつ状態」のことかわからないので判断できないなど自らの英語知識と専門知識でシロウト相手にマウントをとろうとしていましたが、これは心の病に苦しむ人を置き去りにするヤバい態度です。ベクトルが「闇」と「病み」に向かって絶賛進行中なら、あるいはちょっとした刺激でコップがあふれてしまいそうな状況であれば現状がまだ手前にあるからと安心できないのです。つまり「うつ病」と「うつ状態」はほぼ同義、その違いを考えているヒマがあったら手をさしのべることこそが先決。
 これで健康的という語がいかに不健康かわかったと思います。「勧善懲悪じゃないところがいいんだよね」もそうです。あれはヤラセみたいなもので主人公の葛藤やあるいは寛容の態度を演出するためのつぎはぎだらけのご都合主義的設定で、同情すべき敵役のうしろにはキャラクターカーストは厳然と存在していて、味方だろうが敵だろうが「ザコキャラ」は虫けらのように消えていきます。

 そして勧善懲悪の善、つまり正義の定義もそうとう危うかったりします。
モト冬樹氏がワイドナショーで「スズメ事件」について説明しましたが、ただただキモチワルイ。これが日本の芸能界の大御所だということを考えると背筋が凍ります。
 スズメがカラスに食われそうだったから助けて違法承知で飼っているというのですが、カラスが悪でスズメが善とでもいうのでしょうか。お役所の悪口を言っておけば一般人の共感が集められるであろうという稚拙な目論見も見え隠れします。
 『鳥獣保護管理法』は生態系を壊さないという根拠のあるルールです。スズメがカラスの常餌になってくれれば人間の生活圏への浸食は軽減されることでしょう。
 それをお役所が非情で自分が優しいと思っているところがキモチワルイ。
 翻って、偕成社が全力でもちあげたあおむしくん、彼は実は害虫です。最近は農薬のせいであまりみかけないかもしれませんがキャベツや蜜柑の葉を食いあらします。刺激を与えるとへんな液を出してキモチワルいw
 まあ私は平気ですが、大抵のひとに見せるとキモチワルイといいます。これが正しい反応というわけではありませんが、擬人化されたあおむしを絶対善のようにもちあげるのもごもっともな姿勢とはいえないでしょう。

 擬人化といえば盲導犬が自ら望んで「任務」を遂行してるというCMをやってますが、あれもキモチワルイ。自分からやってるわけないぢゃん。こんな風に書くと視覚障害者に冷たいと思わるかもしれませんが、いやいや、そこにお犬さまの同意はいらねーだろと思うのです。牛や豚も当事者の同意なしに食ってますから。
 或いは盲導犬を見た人が「あれは虐待じゃないのか」とかクレームでもしたのでその対策なのかもしれませんが、だとしたら尚更のこと、根本的なところから修正していかないと二度手間三度手間です。
 犬には感情があって牛や豚には感情はないというのは人間の勝手な思い込みです。知能と感情の有無も関係あるかどうかは未知です。知能を保護の理由にするならアタマのいいカラスからアタマの悪いスズメをとりあげるのはモラルに反しますし、びんのスクリューキャップを開けられる賢いタコは食べてはいけませんなんてことに。
 悪いけど人間は生物界の頂点でえらそうにさせてもらうよ。それでいいのだと思います。たまに文化のあつれきで「クジラを食べるな」なんてつっこみが入るのも時々立ちどまって考える機会を得るという意味であってもいいのではないかと思ったりします。

とりあえずモト冬樹氏と偕成社の社長に言いたいのは
街を見ろ
畑を見ろ
新聞を読め
ということ

ビリー・アイリッシュちゃんに言いたいのは
ちゃんと差別意識があったことは認めつつ
悔い改めた意思を表明し
謝罪の先例を提示して後世の世直しに貢献してくれよ

楽天の三木谷氏は
FCバルセロナからの資金引き上げをにおわせなさいよ
でチームはデンベレとグリーズマンを放出しなさいよ
引退まではしなくていい

あと日本のみなさま
「親日」なんて幻想です
最近、デンベレとグリーズマンのせいでバズってます↓




えー
はらぺこあおむしは
どこまでも不健康だった主人公が
健康にめざめ
死なずにすんだハナシで
薬物依存からの生還も示唆しているのではないでしょうか

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