偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

社会とギャンブル~ひとり勝ちの危うさ

2009年01月25日 18時40分46秒 | ◎ツッコミ思案neo
こないだの全日本卓球選手権優勝をうけてのことなのかここ最近、平野早矢香選手について書いた記事のアクセスがのびている。


 ただ検索語に「桜井章一」を絡めてくるなんて奴ぁ卓球ファンなどではなくきっとスポーツニュースかスポーツ新聞で偶然、彼女の雀鬼エピソードを知った麻雀ファンの類だろう。

 桜井章一っていうのは言ってみれば麻雀界の村上隆なんだろう。つまり“言っちゃったもん勝ち”なヤツってこと。

 村上隆がそこら中からパクってきた“ガラクタ”に「スーパーフラット理論」というこれまた浮世絵などの先人の威光を借りた“取り説”を添付して暇をもてあました金持ちをだまくらかしたように、桜井章一は手積みの時代に「テーブルマジック」を使って作り出した「奇跡」に精神論だの修行だのといううっすら道徳教育の臭いすら感じてしまうような説明書をつけて教祖ぶってみた…と。

 まぁオカルトの“からくり”についてはどうでもいい。
 そもそも「代打ち」なんていう稼業がほんとにあったのかというのも怪しいもんだしな。

 いや、そういう歴史公証もどうでもいい。

 問題なのは「20年間無敗」ということ。別にそれが技術的に可能であったかどうかということがひっかかるのではない。
 一流のマジシャンの技だったらシロウトには絶対に見破れないだろうから技術的には充分可能なのだとは思う。
 それより“システム”として成立しうるかというだ。

 例えばMITのエリート大学生が頭脳を駆使してラスベガスで荒稼ぎしたというエピソードは映画にもなったけど最終的には彼らはカジノ側から閉め出されてしまった。
 別にイカサマや違法行為を使ったわけでもないのにである。
 でもカジノっていうのはそういうもんなのだ。

いや、これは社会のあらゆるシステムにもいえるのだ。

 阿佐田哲也(色川武大)という人はギャンブルにおいて“一人勝ち”の危うさをも知ったというバランス感覚の持ち主だったとは前にもちょっと書いた。
 正確にいえばギャンブルをしていくうえで勝ち続けるというのはヤバいぞということに気がついたというべきか。
 
 例えば絶対に出ないパチンコ屋に誰が行くだろうか?

 つまり絶対に負けない代打ちなんてのがいたら、そもそも“代打ち勝負”などというイベントは存在しえないはずなのだ。

 イカサマは現場を押さえなければならないとか、サマがなければ勝負は受けて立たなければならない…とかいかにも麻雀マンガ的な理由付けで様式美的伝説を擁護しようとするファンはいるかもしれないけど、裏社会がそんな秩序だった社会だったら発砲事件だの抗争事件だのは起こらないだろう。
 …っていうか、秩序を重んじる社会だったらなおさら「一人勝ち」などという不均衡は許さないだろう。

 前出の阿佐田哲也氏は“一人勝ち”の危うさの例としてアメリカによる一国支配にもふれたけど、市場原理主義の破綻やイラク戦争が間違いが発覚した今日だからこそ「20年間無敗」という「一人勝ち」を看板にしているおっさんの「美学」から学ぶものなんてないのだ。
 でも実際には多少は強くなることはあっても「完全一人勝ち」なんてオカルトなことは起こらないから雀鬼流が一般世間でおおきく話題にされることもないだろう。

 不完全といえば桜井章一の息子である桜井隆臣は吉本NSC2期生で高橋英一と共にマッスルビーチというコンビを組んでいたらしいが、「一人勝ち」どころかすべりまくっていたらしい(笑)
 彼は父・桜井章一をモデルにした麻薬王・清水健太郎主演のVシネ「真・雀鬼9/頂上決戦!裏プロvs表プロ」にも出演者として名前がクレジットされていた。

 どうやら雀鬼流と親の七光りパワーというダブルリーチも芸能界という場では流局してしまったようだ(笑)。
 卓球には通用した?いや本人の頑張りでしょう(笑)。


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