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外国語教育について

2023-06-20 15:28:16 | 話の種

外国語教育について

先月の朝日新聞の声欄の下の「留学生から」というコラムに下記のような投稿があった。

「(李さんは学生ですか)(いいえ学生ではありません。会社員です。)日本語の初中級のテキストは実際に使うことのないような表現ばかりだ。
上級は、頭の中を紆余曲折させる聞き取り問題がある。答えにたどりつくまでに似たような選択肢を罠のように仕掛けてくる。
いずれも不自然に作られた日本語だ。実際に日本人と会話をすれば回避できると思い話してみると、相手の口調はゆっくりとなり、簡単な言葉しか使ってくれなくなる。会話を通して話す力、聞く力を向上させたいのに残念だ。」(一部略)

何故この事を話題にしたかと言うと、私自身常々外国人に対する日本語教育、及び日本人に対する外国語教育(主に英語)に疑問を持っていたからだ。

外国人に対する日本語教育では、かつて海外にある日本人会診療所に勤務する現地人の看護師を日本に招聘して、看護技術とともに日本語も勉強してもらおうという研修に関わったことがあったが、その時の日本語研修を見て、なんでこんなに小難しい研修をするのかと思ったことがあった。
文法では助詞の使い方や、丁寧語、敬語など事細かく教えているので、日本語研修を請け負っている会社の責任者に、言葉など普通に通じればよいのであって、極端に言えば単語の羅列でも良いのではと言ったことがあったが、その時の返事は、病院では患者さんの気持ちが塞がったり、弱ったりしているので、丁寧な言葉使いが必要なのですということだった。
まあ、言われてみればそうかなとも思うこともあったが、それにしてもと言う気持ちは拭えなかった。

一方、日本人に対する外国語(ここでは英語)教育だが、中学校、高校と6年間英語を勉強していながら何故こんなに英語が話せないのだろうか。

これについてChatGPTに聞いてみた。

ChatGPT
「日本人が外国語が下手な理由はいくつか考えられます。以下にいくつかの要因を挙げてみます。

学校教育の重点:日本の教育システムでは、外国語教育の重点が文法や読み書きに置かれることが多く、会話能力の習得にはあまり焦点が当てられていないことがあります。そのため、会話力を養う機会や環境が不足していると言えます。

英語環境の不足:日本では、英語を話す機会が限られていることが一因として挙げられます。日本での日常生活やビジネスの場では、英語を使用する機会が他の国に比べて少ないため、実践的な会話力を身につける機会が制限されています。

文化的要素:日本の文化や社会の中で、英語や他の外国語を必要とする状況が限られていることも理由の一つです。日本語が日常生活やビジネスの主要な言語であり、多くの情報やコミュニケーションが日本語で行われるため、外国語の必要性を感じる機会が他の国に比べて少ないかもしれません。」

以上だが、更に次のような点も考えられる。

・日本人は英語を完璧に話そうとするので、言葉につまったり、出てこなくなったりする。

この理由として、文法的に英語と日本語では順序が逆になり、発音面では外国語には日本語にはないものがあるということも考えられるが、例えば韓国語は文法的には語順は日本語と同じで、発音面でも韓国語にはない発音もある。しかし彼らは日本人より遥かに上手に外国語を話しているので、日本人が外国語がうまく話せないのは、完璧でないと恥ずかしいという気持ちが日本人にはあるからと思われる。
(シンガポール人の英語は独特の発音、言い回しでシンギッシュと言われており、またインド人の英語の発音にも独特のものがあるが、彼らは日本人のように臆することなく、ごく普通に喋っている。)

最近TVなどで外国人旅行者でもそこそこ日本語を話す人達を見かけるが、アニメやマンガ、日本の歌などで覚えたという。
私も昔、英語の歌や映画のシナリオなど何度も繰り返して暗唱したことを思い出したが、やはり生きた外国語を習得するにはこれらはよい方法かと思う。

ところで、本日偶々TVで「みんなの手話」という番組を目にしたが、健常者が話している長い言葉をどのようにして素早く手話で通訳しているのかと前から不思議に思っていたところ、謎が解けた。

例えば、「今日見た映画は面白かったね。」を手話にする場合、
「今日見た」=(さっき)
「映画は」=(映画)
「面白かったね」=(面白い)(ですね)
つまり、括弧内の4つの単語を手話で表現しているとのこと。

この場合、複雑な言葉、意味、ニュアンスなどは手話で表現することは難しいだろうが(と思うが)、自分の気持ち、考えを相手に伝えるという面では、これで十分かと思う。

つまり、言葉がお互いの意思疎通のための手段であるならば、単語の羅列でもよいので臆せずどんどん喋ることが必要だと改めて思った次第。

 

 


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