雨が降り続く日だった。
子どもたちが三人もいれば、毎日の洗濯は欠かせない。
ママは、朝起きるとすぐに洗濯機を回す。
出かける前に、「雨かぁ!」と、うんざりした様子でつぶやく。
部屋の中で、三角に渡した竹に洗濯物を吊るしたり折り畳みの物干しに干したりした。
下には、乾燥機も設置して… 大急ぎで出かけた。
子どもたちは、結構退屈しないで遊んでいたようだった。
私は、おおかたキッチンで過ごしていた。
雨の中、ママが帰ってきた。
食事をとってまた次の仕事に出かけなければならない。
「洗濯物は乾いているかな?」
吊るした洗濯物は、まだほとんど乾かないまま下に重なって落ちていた。
「誰がしたの?」と、ママは思わず叫んだ。
「私じゃない。Rちゃんだよ。」 ずうっとテレビの前で座り込んでいたK子は言った。
「自分でなくても、すぐに言わないと乾かないままでしょ!」忙しいママは、口調もきつい。
「Rちゃん、どうしてすぐに言わないの。」
「… 」
気が付かなかった私は、
「誰がやったかじゃなくて、すぐに言ってほしかったの。」
と、付け足した。
「落ちやすいからね!洗濯物が乾かないとこまるよね!」
雨に濡れた 山茶花