事務屋のひとり言

東京都の事務員のひとり言です。

それは8月1日から始まった。

2005-08-04 | 都立大改革の日々
2003年8月1日は事務屋にとっては静かな日でした。
夜遅くまで仕事をしていた私に、疲れた表情の南雲部長が話しかけてきたのが最初です。
「なんか訳のわからんことを言われたよ」
「大変そうですね」
その時にはそれで終わってしまいました。

それからは何週間か、何度も人文学部の方の部長室のドアが閉じられ、様々な先生が出たり入ったりしていたのが見えました。

次に動いたのは、2003年9月25日。「東京都立大学人文学部抗議声明」が張り出されたのです。
「なんか凄いことになってる」
事務側へのインパクトは、この声明が最初でした。
さらに4日後の9月29日。 「『同意書』についての都立大学総長意見 」が出されます。

新聞が報道し、事務室のあらゆる電話に各所から問い合わせの電話が鳴り始めました。
ご存知の通り、この同意書の内容が凄い。とても事務のプロが考えたとは思えない文章です。
「何やってるんだ、大学管理本部は」
呆れ返る言葉が現場を占めました。

総長の声明より先に出たことからもわかるように、人文学部が真っ先に大学管理本部に異議を唱えました。もちろん、改革案が人文学部を直撃するからなのですが、それにしても、他の学部の動きが悪い。
特に経済学部、それも近代経済学の諸先生方の中には、「これで大学もちっとはマシになる」と人文削減案を奨励する声すら聞こえたほどです。

しかし、この頃から事務の現場にも流れ始めた大学管理本部の改革案は、ぎょっとする内容ばかりでした。
「これは都立大、潰す気だぞ」
事務屋には事務屋の誇りがあります。「新宿でふんぞり返ってる人間に、勝手なことされては困る」そういう考えの人も結構いたのです。
冷笑する近経の先生方を見て「そんなこと言ってて、いいのかしら?」と危機感を覚える日々でした。