エヴァンゲリオン

ステンレス製エヴァンゲリオン零号機 その2



昨日はある公的機関のモノ作りに関する講演会へ行ってきた。



その中で特に面白かったのが、兵庫県で金属板金加工を

手がける「大田産業」の社長さんの話。



数年前、リーマンショックが世界を襲った時、例に漏れずここも

仕事が激減して経営危機に陥ったという。



どうやってこの危機を乗り切ろうと考えた末、得意の金属板金

技術をアピールして今までと違うことをやってみようと考え、

思いついたのが「エヴァンゲリオン零号機」の製作。



著作権の侵害では宣伝もできないということで、まず版権を

管理する㈱ガイナックスから承諾をもらうことからはじめた。



イラストやプラモデル等を参考にステンレスの薄い板を叩いたり

引っ張ったりして形を近づけながら溶接、研磨していく。


試作品が山になるくらい試行錯誤を繰り返して手や足、ボディ

を形にしていった。


高さ１m弱だが、手探りで始め１体製作するのに膨大な時間と

労力がかかったわけだが、とにかく仕事がなくて従業員も時間

を持て余していたからこそできたのだ、と言い切るw。

ステンレス製エヴァンゲリオン零号機 その3


たしかに同じ金属加工の仕事をしている者からみると、これ

だけ複雑な形状を作り上げるのは、並大抵のことではない。


やっと完成して動画を公開すると大きな反響があり、新宿の

映画館に展示するとそれまで、やったことのないアーティスト

の作品やイベントのオブジェの仕事が次々と舞い込んできた

という。


それに社員も世間に対して認知度の高い物を手がけてると

いうことで、非常にモチベーションが上がるという副産物もあり、

おかげで会社の業績も回復。


最後にすべては「エヴァ」から始まった、という言葉がとても

印象的だった。


しかしながら人気アニメの「キャラクター」がひとつの会社を

救ったと思うと、その影響力の大きさに改めて驚く。