黒い恋人

以前、石屋製菓社長の石水 勲氏の講演を聴く

機会があった。

先代の小さな駄菓子屋から現在に至るまでの

道のり、苦労をどうやって乗り越えてきたかを

とてもおもしろく聞くことができた。


石屋製菓と言えば「白い恋人」。

この製品が石屋製菓をここまで大きくしたと

言っても過言ではないだろう。


北海道銘菓「白い恋人」は知らない人がいない

位、全国的に有名になったが実はいまでも北海道

でしか買う事ができない。


初めて「白い恋人」を開発した際、どういう戦略で

販売していくかとても悩んだという。


厳選された小麦粉や卵白、北海道産の良質なバター

を使い、ホワイトチョコをクッキーで挟んだこの

お菓子にはとても自信があった。


北海道銘菓にする以上、道外で販売する訳には

いかない。

でも全国の人達に知ってもらいたい。


そこで思いついたのが飛行機の機内食に使って

もらうこと。

それとて簡単に航空会社に採用されたわけ

ではなかった。

空港内のカウンターの女性に飛び込み営業し、

紆余曲折を経てようやく機内食に採用され、

その後口コミによって一気にブレイク。


見事にブランディングに成功し、ここまでの

知名度になったという。


しかし有名になると、今度は日本各地で類似品が

出回った。


幸い「白い恋人」は商標登録していたが

「伊豆の恋人」、「白い恋人達」、「黒い恋人」

などいろいろ現れた。


今でこそ「黒い恋人」と言えば、ブラックチョコ

バージョンを俗称でそう呼んでるらしいが、昔は

九州のとあるお菓子メーカーが黒砂糖を使った製品に

「黒い恋人」と名付けて販売したことがあった。


それにしてもスゴイネーミング。


北海道を愛し、チョコレートファクトリーやコンサ

ドーレ、小樽の屋台村などを手がけ、常に北海道に

貢献しようという熱い思いを内に秘めている。

また、ヨーロッパ進出も検討してるという。


いつまでも夢を持ち続け、ユーモアのある魅力的な

社長さんである。



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