平成29年5月26日,民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)が成立しました(同年6月2日公布)。
民法のうち債権関係の規定(契約等)は,明治29年(1896年)に民法が制定された後,約120年間ほとんど改正がされていませんでした。今回の改正は,民法のうち債権関係の規定について,取引社会を支える最も基本的な法的基礎である契約に関する規定を中心に,社会・経済の変化への対応を図るための見直しを行うとともに,民法を国民一般に分かりやすいものとする観点から実務で通用している基本的なルールを適切に明文化することとしたものです。
今回の改正は,一部の規定を除き,平成32年(2020年)4月1日から施行されます(以上,法務省のホームページより引用http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html)。
ということで,少しずつ民法改正について勉強して行きたいと考えています。
まず気になった点としては,交通事故の損害賠償請求に関連して,改正724条の2によって,これまで3年で消滅時効が完成するとされていたものが,5年と延長されました。被害者にとっては,良い改正になっています。
不動産の賃貸借に関連して,賃貸借期間が最長50年へと変更となり(改正604条1項),これまで20年とされたために経済活動上不便だった点がある程度解消されることになります。
また,敷金に関する規定が定められたり(改正622条の2),不動産の賃貸人たる地位の移転に関する判例法理が明文化されたり(改正605条の2),といった点は,これまでの実務に影響を与えるものではありませんね。
ただ,賃貸目的不動産の所有権を移転する場合であっても,賃貸人たる地位を売り主(旧所有者)に留保することが可能となりました(改正605条の2第2項)。要件としては,①賃貸人たる地位の留保の合意,に加えて,②譲渡人・譲受人間の賃貸借契約の締結となっています。世の中には,様々なニーズがあるということですね。
そして,賃貸物の原状回復についても,これまでの判例法理が明文上明らかになりましたので(改正621条),今後は,原状回復に関する紛争が減っていって欲しいものです。
2018.9.1札幌の永ちゃんコンサートは,とっても素晴らしかったです~
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