青森の弁護士須藤のブログ

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判例読みますか

2013年10月08日 | 判例

民法900条4号ただし書 「嫡出でない子の相続分は,嫡出である子の相続分の2分の1」とする

憲法14条1項 「すべて国民は,法の下に平等であって,人種,信条,性別,社会的身分又は門地により,政治的,経済的又は社会的関係において,差別されない」

 

裁判年月日 平成25年9月4日 最高裁大法廷 決定

事件名 遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件

【判旨】

この事件で問われているのは,・・・相続制度全体のうち,・・・嫡出子と嫡出でない子との間で生ずる法定相続分に関する区別が,合理的理由のない差別的取扱いに当たるか否かということであり,・・・合理的な根拠が認められない場合には,当該区別は,憲法14条1項に違反する。

昭和22年民法改正時から現在に至るまでの間の社会の動向,我が国における家族形態の多様化やこれに伴う国民の意識の変化,諸外国の立法のすう勢及び我が国が批准した条約の内容とこれに基づき設置された委員会からの指摘,嫡出子と嫡出でない子の区別に関わる法制等の変化,更にはこれまでの当審判例における度重なる問題の指摘等を総合的に考察すれば,家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたことは明らかであるといえる。そして,法律婚という制度自体は我が国に定着しているとしても,上記のような認識の変化に伴い,上記制度の下で父母が婚姻関係になかったという,子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されず,子を個人として尊重し,その権利を保障すべきであるという考えが確立されてきているものということができる。

以上を総合すれば,遅くとも相続が開始した平成13年7月当時においては,立法府の裁量権を考慮しても,嫡出子と嫡出でない子の法定相続分を区別する合理的な根拠は失われていたというべきである。

したがって,本件規定は,遅くとも平成13年7月当時において,憲法14条1項に違反していたというべきである。

・・本決定の違憲判断は,Aの相続の開始時から本決定までの間に開始された他の相続につき,本件規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判,遺産の分割の協議その他の合意等により確定的となった法律関係に影響を及ぼすものではないと解するのが相当である。

 

・・

・・・

ついに,違憲判決が出ました!!

民法900条の規定については,これまでにも最高裁の判決が出ていて何回も読みましたが,全然納得出来ませんでした。

これで,納得です

ただ,これまで,最高裁が合憲だと言ってるから民法900条の規定に基づいて渋々遺産分割に応じた方も相当多くおられるはずで,先例としての事実上の拘束力について制限するということが,理解できるような,理解できないような・・・

難しいです・・・

生まれて来た子どもに罪はないということですね

 

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