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星学館ブログ

星やその周辺分野のもろもろを紹介

宇宙100の大誤解-言われてみれば間違いだらけ

2019-05-04 11:24:50 | 関係出版物
ニール・カミンズ著、加藤賢一・吉本敬子訳
講談社ブルーバックス、2005年、940円
 原著「Heavenly Errirs - Misconceptions about the Real Nature of the Universe」, Neil F. Comins
 天文教育に携わっておられる方々には思い当たる様々な誤解が並んでいる。著者が250名の学生を相手に天文学を講じた時の体験が元になっており、天文教育に携わる方々にはぜひご一読戴きたい。
<内容紹介>
「月」は丸くない!?
 思い込みを捨てれば、宇宙の姿が見えてくる
 ブラックホールは宇宙空間に空いた真っ暗な穴?
 彗星の尾はいつも後ろになびく?
 私たちの宇宙に関する「常識」は、じつは勘違いだらけだった!
 100の誤解を取り上げて、その間違いをわかりやすく解説し、思い込みと真実の溝を埋めていく。誤解に陥らないための処方箋つき。
<間違いの多かった問題にチャレンジ!○?×?>
●四季の変化が起こるのは、地球と太陽の距離が変化するから――正答率30%
●地球にいちばん似ている惑星は火星である――正答率30%
●表面温度が一番高い惑星は水星である――正答率40%

天文の事典

2019-05-04 11:17:19 | 関係出版物
朝倉書店、2003年、28,500円
 地球から宇宙全般にわたる最新の情報が得られるよう,包括的・体系的に解説している。
〔内容〕宇宙の誕生(ビッグバン宇宙論,宇宙初期の物質進化他),宇宙と銀河(星とガスの運動,クェーサー他),銀河をつくるもの(星の誕生と惑星系の起源他),太陽と太陽系(恒星としての太陽,太陽惑星間環境他),天文学の観測手段(光学観測,電波観測他),天文学の発展(恒星世界の広がり,天体物理学の誕生他),人類と宇宙,など。
 筆者は最後の章「人類と宇宙」の『2.天文学の普及活動』を執筆。項目は以下のとおり:
2.1 星空に親しむ
2.2 学校教育のなかでの天文学
2.3 プラネタリウムの役目
2.4 公共天文台の役目
2.5 アマチュア天文家の存在
2.6 星空を守る運動
2.7 何のために天文学の普及が必要か
 故磯部琇三さん(1942-2006)が責任者となってまとめられた事典。筆者は1969年頃(高3)、磯部さんから惑星状星雲研究会の集録を送っていただいてからのお付き合いだった。彼が大阪・船場の生まれで、電気科学館は彼の遊び場だったことなどを聞いたが、東京の人だと思い込んでいて、ぴんとこなかった。1996年のスペースガード講演会に続く共同の仕事が本書で、そして最後の接触となった。


「宇宙を測る」

2019-05-04 11:14:37 | 関係出版物
キティー・ファーガソン著、加藤賢一・吉本敬子訳
講談社、2002年、定価1060円
 講談社ブルーバックスシリーズの一冊。「宇宙の果てに挑んだ天才たち」という副題が示すとおり、古代のエラトステネスから現代のホーキングまでの数々の天才たちがどのように天体までの距離を測り、宇宙の果てを見出そうとしたかという歴史物語。
 翻訳を担当した本人が言っては手前味噌になるが、「いやー、ホントに面白い」。それに、宇宙距離計測法の勉強になる(もちろんだが)上に、現代の宇宙論の導入としても役立つこと請け合いである。何度も原稿を読んだにもかかわらず飽きずに読めるという不思議な魅力を備えている。ぜひたさんの方々に読んでいただきたいと思う。
 筆者は、吉本敬子さんのご協力を得て訳出を行ったほか、全体調整、キティーとの連絡等を担当した。

粟野他著 「天空からの虹の便り」

2019-05-04 11:11:12 | 関係出版物
裳華房、2001年、定価4500円
 「宇宙スペクトル博物館」シリーズ・第3段目の可視光編。身近な光源や風景から始まり、恒星、銀河等の天体の光のスペクトルを紹介するCD-ROM画像集。これだけのサンプルを収集した例はわが国(多分世界でも)には見当たらず、非常にユニークな教材と言える。解説も豊富で、周辺分野の解説なども加え、読み物としても役立つように配慮されている。
 筆者は、恒星スペクトルや写真を少しばかり提供させて戴いたほか、星座、一等星などの解説を担当させて戴いた。

瀬名秀明著「虹の天象儀」

2019-05-04 11:04:59 | 関係出版物
祥伝社文庫、2001年、定価381円
 「パラサイトイブ」や「ミトコンドリと生きる」など、SFからリアルな科学書まで手がけている瀬名秀明さんが2001年10月に出版されたSFファンタジー。プラネタリウムをモチーフにしているところに特徴がある。織田作之助という今ではマイナーな作家の星空やそれを人工的に作り出すプラネタリウムへの思いに著者が心を寄せる。
 瀬名さんは薬学博士という肩書きが示すとおり研究者であり、緻密な文献考証は手馴れたものである。そのかっちりとしたベースの上に本書のようなほんわかとした文体が乗って、きれいなファンタジーとなった。
 筆者は、本書執筆にあたって少しばかりヒントをご提供させていただいた。