ピッチャーとしての致命的欠点をどう克服してよいかわからないまま、台湾キャンプは続く。飛雄馬は解決の糸口を探ろうと、大先輩の金田に相談する。金田の言葉に、逆転の発想、欠点を乗り越えるヒントを得る飛雄馬。そのとき、かすかに大リーグボールの予感がした。
練習の合間に、ひとり台湾の町にでてラーメン屋に入る飛雄馬。入ったはよいが、メニューが読めない。やけくそでそばを食べるゼスチャーをした。そのとき、ラーメン屋の親父が、「ああ、おそばあるか?」と日本語で話し出した。台湾は先の戦争中、日本の領土だったため、日本語を習わされていたのだ。
「えびそば 一丁あるよーっ」
飛雄馬は思う「こういうものなんだ・・・」
「先回りして考えすぎ、かえってことを難しくする場合がある・・・人生にも、野球にも」
王貞治も、実は体力には恵まれていなかった。飛雄馬は、金田に渡された秘密の資料を、王に見せて確認した。
王も自分の体力が人並みはずれていないことを知ったときはショックだったと。しかし、それがすぐに自信にかわった。「バッティングは体力だけじゃない。タイミングだ!技術だ!一本足打法を生んだような研究心だ!」と。
それを聞いた飛雄馬は、叫ぶ「そば屋の親父の日本語だあ!」
そこで飛雄馬は、金田の言葉の真意を理解し、心から感謝するのである。
非常に教訓的な話だ。ついつい、何かよい方法はないか、もっとうまい手はないか、周りを見回り、それによって、焦り、ねたみ・・悪循環に陥る。解決の糸口は、もっと身近なところにあるのかもしれないのだ。