文庫 麦わら帽子

自作小説文庫

7行ポエム

2014-02-26 | 詩歌

「ぬくもり」

空が泣いた

あなたといると 心が震える

この手をつなぐ ただそれだけのため

生まれたのだと 識った

ぬくもり残し 去りゆくあなたを

わたしは 追わない

空が泣いてくれるから




「花の雨」

眠るわたしに 花を降らせた

あなたの 異常な感性に

魂が 慄いた

午睡の枕で

わたしは ムラサキの

涙を 流す

気がふれるほど いつまでも


「アダムとイブ」

砂漠の果てに 君を見つけた

深手を負った 碧眼の乙女

何故ここに 残ったの

最後の船は 飛び去った

ぼくと 君の 答えが重なる

「あの花園で 約束したから」

ぼくと君は 最後の人類



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ひまわり畑。

2014-02-26 | 詩歌

輝くような花園で

貴方は 約束した

決して 離れないと

貴方の 声も ぬくもりも 匂いも

大好きだった 花園で

わたしは 翌年 迷子に なった

広い 広い ひまわり畑

永遠誓った ひまわり畑

まるで嘘のように 流されてしまった



その大地に 踏み込むと

ひまわりたちの亡霊が ゆらりと たちあがり

わたしは 顔をあげて 探しはじめた

毎年 毎年 探していたよ


いつからか あなたたちが 苦手に なった

黒い人影よぎっても

探し人は ここにはいない

黒い記憶が溢れても

幸せの意味は そこには ない

見えるのは 痛ましいほどに 泣き叫んで 

あのひとを探す 過去の少女


今年もきたよ

うだるような季節の下で 復活していた ひまわり畑

恐れを知らぬ少女は もういない

痛みを学んだ少女は ここにいる

いたわるように降り注ぐ言葉も

緑の指先も

そっと手を払い 遠ざける

1万本のひまわりを

あの日の偽りの愛に酔った 惨めな少女に捧ぐ

わたしは

彼女の 心を 看取りにきた

ただ それだけのこと








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愚者。

2014-02-24 | 詩歌
今日は何人、裏切ったろう。

それでも、

私の上で花は咲くだろうか。

咲いたとしても、

もう、赦されない。

いつか、

何かを奪われるのだろう。
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