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BeansBurntToGems

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ふたりはプリキュア Splash☆Star考察

2013-09-23 | アニメ

「花鳥風月」としてのプリキュア


S☆Sのプリキュアは「花鳥風月」(すなわち「美しい自然」)をモチーフとしている。S☆Sの主人公である咲と舞。そしてふたりを導いた妖精フラッピ、チョッピ。その名前は「花」と「鳥」に由来する。(咲=花、花=フラワー→フラッピ、舞=鳥、鳥=チョウ→チョッピ)
当初はダークフォールの戦士としてプリキュアの前に立ちはだかり、後に仲間となった満と薫。この二人の名前は「月」と「風」に基づく。
ゴーヤーンの力によって荒野となった緑の郷。世界は滅び、全ての希望が失われたかのように思えた。しかし、妖精フラッピはこういう。「咲、まだ土があるラピ」
4人は微かに残っていた自然の精霊達の力を受け、最後の変身を遂げる。彼女たちは、滅びの力に抗う生命の力そのものである。

希望の力


ゴーヤーンの前に一旦は倒れた4人。しかし、
「優勝・・ソフトボールの試合、今年は準優勝だったから、来年は絶対に勝つって、泉田先輩と約束したの・・!」 (咲)
「私は、パンを作ってみたい。咲にもらったパンが、とても美味しかったから」 (満)
「私は絵を、舞やみのりちゃんみたいに、見る人を笑顔にさせるような絵を描きたいわ」 (薫)
「私は、これからも咲や皆の笑顔をたくさん描き続けるわ!スケッチブック一杯に、未来を描きたい!」 (舞)
そういって、再び立ち上がる。
咲と舞はゴーヤーンに向かって「どんなに強い滅びの力でも、絶対に消せないものがある!」「私達の心から、希望を消すことはできないわ!」と叫ぶ。
「希望」というのは、今ここには存在しない、将来存在すべきものを目指す。滅びの力は、あくまでもその対象の存在が前提となる。どんなに強力な力も、存在しないものを消すことはできない。そして未来を目指す「希望」の力は、実際に無から有を生み出す。
咲、舞、薫、満の四人の希望の絆が生み出した、最後の技「プリキュア・スパイラルハート・スプラッシュスター」の莫大な力に、ゴーヤーンは、かつてのビッグバンの姿を見る。ビッグバンとは、無から存在へ、滅びから命へ向かう力。希望には大小様々あるだろうが、それらは間違いなく我々の心の中にそれぞれのビッグバンを生み出し続ける力なのだ。

星空の仲間=splash star


ゴーヤーンを倒し、緑の郷の精霊によって蘇った四人にフィーリア王女が語りかける。
「昔、世界は命の存在しない暗黒でした。しかし、命が生まれ、星となって、暗い宇宙の中でお互いを照らし出した。 
そんな星たちのように、あなた方も互いを大切に思う心で、照らしあって輝いているのです。」 

「星空の仲間・・・」そう呟いた満に、「そうだよ!」と笑顔で応える咲。「私達は、星空の仲間!」そういって、舞は微笑む。

「星」は、ストーリーには直接関わらない形でも何度も登場している。美翔家の天文台、和也が咲の誕生日に贈った隕石の欠片、「スパイラル・スター・スプラッシュ」という必殺技のタイトル、OPの映像にも星空をバックに2人の姿が描かれている。ゴーヤーンを破った「プリキュア・スパイラルハート・スプラッシュスター」はその名前に作品タイトルがそのまま含まれている技である。ちなみに、作中で用いられたのはこれが最初で最後だ。そして、最後に満が呟いたこの「星空の仲間」。この言葉は、最終話のサブタイトルにも使われている。

私は先に挙げたフィーリア王女の言葉に、『ソフィーの世界』(※)の最終章の一節をふと思い出した。
「宇宙のすべての星も星雲も同じ物質からできている。星雲同士は数十億光年隔たっているけれど、起源はたった一つだ。すべての星は家族なんだ。・・・わたしたちもこの物質でできているんだからね。わたしたちは、何十億年も前にともされた巨大な火から飛び散った火花なんだ」 


splashは、「飛沫」「飛び散る、はねる」という意味の英語である。starという言葉との組み合わせは一見意外に見える。しかし、ビッグバンの力、すなわち生命を目指す希望の力。そして、それによって飛び散って生まれた星たち。すなわち「星空の仲間」。それはまさに「splash star」という言葉で表現するにふさわしい。

※ヨースタイン・ゴルデル著、須田朗監修、池田香代子訳「ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙」

ドキドキ!プリキュア第31話 「大貝町大ピンチ!誕生!ラブリーパッド!」

2013-09-08 | アニメ
「あたし、あたし、トランプ王国を失ったみんなの気持ちをわかったつもりでいた。でも、本当にはわかってなかった。自分の身近な人たちや大切な町がこんなことになって、はじめてわかった。胸が、こんなに痛むんだね…!凄く、悲しくて、…悔しいっ!」

溢れる涙を隠そうともせず、天を仰ぎ、大声をあげて、号泣するハート。そんなハートに、誰も声をかけることはできなかった。
大貝町の人々は皆眠らされ、プシュケーに植え付けられたジコチューの種子は今まさに芽を出そうとしていた。

「ふんっ!」

バシィッ!というもの凄い音が響き渡った。驚いて顔を上げて、ハートを見たプリキュアたち。
ハートが両手で、全力で自分の頬を叩いていたのだ。そして、つい今まで大声で泣いていたはずのハートの顔には一粒の涙もないどころか、その表情は、まるで戦いに勝利した時のように晴れ渡っていた。

自信に満ちた精悍な顔で、ハートは元気にこう言った。
「あー、泣いた泣いた。すっきりした。ん、落ち込むのはもうおしまい。さあ、反撃だよ!」
「ラブリーパッドは割れちゃったし、今のあたしたちじゃ全然歯が立たない。だったら、あたし達は、今よりもーっと、強くなろう?亜久里ちゃんは、世界を守りたいって思いでエースになった。強い思いで強くなれるなら、あたしたちは、もっと強くなれる!」

「なれる、絶対に!だって、みんなを助けたいってこの気持ちが、ジコチューたちに負けるわけないんだから!それに、あたしは一人じゃない!」

プリキュア五つの誓い!
一つ!プリキュアたるもの、いつも前を向いて歩き続けるべし!
一つ!愛は与えるもの!
一つ!愛することは守りあうこと!
一つ!自分を信じ、決して後悔しない!
一つ!プリキュアたるもの、一流のレディたるべし!

「一つ!」五つの誓いに、ハートは自分の誓いを付け足した。
「みんなで力を合わせれば、不可能はない!」


アイカツ!47話「レジェンドアイドル・マスカレード」

2013-09-07 | アニメ
スターライトクイーンカップの前夜、緊張して眠れずに庭のベンチに座っていたいちごは、お守りのしゃもじを抱き、目を輝かせて美月に訴える。
「胸にある憧れが力になって、楽しくステージに立てるはずです、きっと!」

いちごにとっての憧れ=美月は、美月にとってのマスカレードだった。
激務の疲労に沈み、美月は、電気も点けず、着替えもせずにソファに身を投げ出していた。暗い部屋の中でただテレビだけは、現役時代のマスカレードのステージを明るく映し出していた。美月はまるで陸に揚げられて死にかけた魚のように、無表情のまま、呆然と画面を眺めていた。
(この体で、明日のステージに立てるのか?)
恐ろしい不安が美月の頭をよぎった。トライスターの結成からスターアニスの全国ツアー。スターライト学園のアイドル達は美月の輝きに呼応して一層衆目を集めた。同時に美月に対するオファーは積み重なり、殺人的なスケジュールを構成していった。それを全て受け入れたのは美月自身であり、事実、全ての仕事に周囲の期待以上のパフォーマンスを達成していた。走り続けていたこの数ヶ月間、そんな不安は頭を掠める余裕さえなかったのだ。私が、弱気になっている…?
(いつも目の前の未来だけを乗り越えてきた。まずは、明日のステージだけ乗り越えればいい。)
美月は、動機の高鳴りを抑えるように、そう言い聞かせる。美月はテレビ画面を観た。これまで何度となく繰り返し観たマスカレードの完璧なステージは、いつもと変わらず目の前にあった。
(…いちごの言うとおりだよね。憧れは力をくれる。自分が何をすればいいか分からないときも、動けないときも、マスカレードの輝きはいつだって力をくれた。)
美月にとってマスカレードは憧れであると同時に、自分を導いてくれた指針であり、また辛い時には何度も「手を差し伸べてくれた」いわば恩人だった。美月は知らぬうちに目を閉じていた。ソファーの上で、美月はまるで気を失ったかのように闇に引きずり込まれていった。

翌日。美月の身体は限界だった。歩いているのが精一杯で、到底ステージに立てる状態ではない。
(今日だって行ける。行ける、行かなきゃ、ダメ!)
美月は重い体をおして扉に向かって足を踏み出そうとした。
強烈な眩暈を感じた次の瞬間、目の前には扉ではなく床があった。体が動かない。薄れる意識の中、美月は自分に手を差し伸べる2人の影を見た。「美月、あとは任せて。ゆっくり休んでいて」(マスカレード・・・?なぜ・・?)しかし、そんな疑問を抱く以前に、全ての不安と苦しみは、目の前に輝く伝説のアイドルの出現で消え去ったように思えたのだ。美月は深い眠りに落ちた。

意識を取り戻した美月は、ベッドに横になったままマスカレードのステージを見ていた。
ステージに立とうとする美月を止める医者に、美月は力強くこう言った。
「憧れは、何物にも代えられない力になります!いま、また私は力をもらったんです!」