人はエレンタールのみで生きるのではない

ドクター(博士)だけどドクター(医師)ではないクローン病患者の日記、思うこと

なんじら断食するとき、かの偽善者のごとく悲しき面容をすな

2006年09月07日 21時27分14秒 | 日々の雑記

まあ、元々は聖書の言葉なんだけど、太宰が「狂言の神」のエピグラフをはじめ、いろいろな作品で引用している言葉なので、知っている人も多いと思う。この言葉に対して「正義と微笑」の中で太宰はこう言う。「微笑もて正義を為せ!」-つらい時こそ笑ってみせろ-太宰のダンディズムである。

【関連リンク】
正義と微笑(青空文庫)


6-mercaptopurineにより重症骨髄抑制をきたしたクローン病の1例

2006年09月07日 02時05分46秒 | クローン病情報

久保田ら(2006)6-mercaptopurineにより重症骨髄抑制をきたしたクローン病の1例(日本消化器病学会雑誌 Vol.103:1044-1049)[pdf]

6-MPにより重度の骨髄抑制をきたしたクローン病の一例。日本語の論文なので解説は省略します(リンク先を参照ください)。先日、免疫抑制剤の一つであるイムランが炎症性腸疾患に有用な薬剤として適応され、これまでも適応外で使用されてきたことを考えると、今後、従来以上に免疫抑制剤の使用頻度が増えると推測されます。しかし、使用に際しては、上記のような骨髄抑制、血液障害、ショック様症状(悪寒、戦慄、血圧降下等)、感染症、肝機能障害、黄疸、間質性肺炎、重度の下痢など、重大な副作用の発現に注意しなければいけません。免疫抑制剤の服用を勧められた場合、医師から正確な説明があると思いますが、患者側も服用後は自分の体の変化に十分注意を払い、少しでもおかしいと思ったら直ぐに係りつけの医師に相談すべきでしょう。

【補足:免疫抑制剤(イムラン、6-MPなど)】
ステロイドの副作用が強く出現した場合、ステロイドの減量、離脱を要する場合や、他の薬剤が無効の場合などに用いられます。効果発現までに3ヶ月以上かかることが多いので、即効性を期待する場合には適当となりません。(以上、「クローン病ってこんな病気:福田能啓」より引用)

【追記】
上記の論文はアクセス制限があるそうです。最初PubMedから見たときはフルアクセスできたのですが…


腸内産生の蛋白(たんぱく)が疾患を予防

2006年09月01日 00時00分37秒 | クローンな日々

腸内産生の蛋白(たんぱく)が疾患を予防(NIKKEI NET)

侵入した細菌から腸を守る蛋白(たんぱく)が腸管内に存在することが、米テキサス大学サウスウェスタン医療センターの研究グループにより明らかにされ、科学誌「Science」8月25日号に掲載されました。この蛋白はマウスではRegIIIgamma(ガンマ)、ヒトではHIP/PAPと呼ばれ、腸内面を細菌から保護する「電気の柵」の形成を助けるものであるとHooper氏は説明しています。痛みのある潰瘍や出血性下痢の原因となる炎症性腸疾患をもつ患者には、HIP/PAP産生の亢進がみられることがあるとのことです。今回のレポートではクローン病との因果関係には直接の言及はありませんが気になるところです。

【関連リンク】
Intestinal Protein May Help Fight Disease (HealthDay News)
Cash et al. (2006) Symbiotic bacteria direct expression of an intestinal bactericidal lectin. Science. 313:1126-30.
Science日本語アブストラクト(25 August 2006 Volume313)[田辺製薬]