10月24日(土)午後2時から新見公立大学地域共生推進センター講堂で、第1回地域共生推進センター「鳴滝塾」を開いた。前半はコロナ禍のため延期されていた地方創生にいみカレッジの総会(鳴滝塾50回の総括-報告と考察-)が行われ、後半は岡山大学地域総合研究センターの三村聡センター長(教授)を招いて特別講演「地域資源としての大学」が行われた。
そして人口動態や東京一極集中などについて話し、「小中校の時代から地域を愛する気持ちを育む。地域の良さを知る。なかなか分からないものだが、地域がいかに素晴らしいか、地域の資源を含めて教えていく」と児童生徒への「地域学」の重要性を話し、「(過疎など)新見市全体を市民の皆さんがどこまで本気で考えているのか。(互助を含めて)自分自身、何ができるのか。一人ひとりが自分のまちを守る覚悟を持っているかどうか。(公助を合わせて)そこの議論が大切になってきます」と述べた。
看護・介護・保育をもっている大学が地域にあるというのは、ものすごいこと。しかも市民が入れる建物(地域共生推進センター・学術交流センター)が大学にある。あすの地域を守るのは、…子どもや孫にバトンを渡すのは、…私たちのツケをそのまま子どもたちに渡してはいけない。本気にならんといかんのです。それぞれの人たちがどういう力で、どういう役割だったら果たせるのか。力を結集しなければならない。崖っぷちです」
三村教授は新見市内で実施している岡山大生ら学生による森林ボランティア活動や様々な事例を紹介し、「国は財政が非常に厳しいので、地方自治体に今までのような補助金を出せません。頑張る自治体に出す。首長が霞が関、永田町へ行って予算を取ってくる時代ではない。国は、自主的かつ主体的に夢を持って前向きに取り組んでいる自治体を支援する。地方創生に金の魔法の杖はない。市民の皆さんが何をするか考えないと、まちは元気にならない。高梁川流域ほどポリシーがあって結合している地域はない。歴史と文化に市民のプライドがある。これを子どもたちにきちんと伝える。そういう議論を始めよう。自助・共助・公助とは何なのか。もう半歩進めませんか。主役は皆さんです。自助です。その絆の総体でまちをつくれば、……辛抱のしどころです」などと話した。