NiU「鳴滝塾」

産官学民が連携して地域課題の解決策を探ろうと
新見公立大学に設置されています

第43回鳴滝塾

2019-07-20 | ☆定期講座

 
 7月20日(土)午後2時から新見公立大学学術交流センターで、シンポジウム「地域共生社会の実現に向けてⅣ 地域ぐるみの子育て支援」が開かれた。新見市民や学生ら130人が熱心に耳を傾けた。

 
 第1部「総社市の取り組み」では、三宅真砂子・山本裕子(吉備医師会)、中島久美子・白神栄子(NPO法人・保育サポート「あい・あい」)、中村敏恵(総社市保健福祉部こども課)の5氏が「子育て王国そうじゃ」に至った経緯を述べた。

 
 総社市は、人口69,077人(令和元年5月末)、12歳以下8,333人(同)、出生数524人(平成30年度)。同市の子育て支援は病児保育に顕著で、NPO法人・保育サポート「あい・あい」と三宅内科小児科医院の病児保育室「ほっとチュッピー」が市から病児保育を業務委託されている。両施設の連携は密で、前者で保育中に病児の体調が悪化した場合は小児科医が「サポートドクター」として保護者の代わりを果たしている。協力医療機関は小児科、内科、外科、耳鼻科、歯科など40施設。診断書を無料で発行している。
 また、総社市は平成28年度に保健・教育に関する業務のすべてが一括して行えるように、ワンフロア化(こども課、こども夢づくり課、学校教育課、教育総務課を西庁舎1階に配置)して窓口を1本化、待合室には子どもの遊び場や授乳室を設けた。
 「子育て支援は未来への輝かしい投資。医師会との連携はすぐにできあがったというのではなく、長きにわたって作りあげたシステム。地域ぐるみの子育て支援で大切なことは、長い年月をかけて連携し、めげずにやるということ。多くの機関の連携、顔の見える関係、リーダーの存在も大切で、どの職種の人とも人見知りせず、壁を越えて積極的に発言する――何か問題が起きるといつでも連絡をとりあい、集まって問題を解決していく――そのことを繰り返し行ってきた」と話した。
   ☆ ☆ ☆
 第2部「新見市の現状と課題」では、金山時恵(にいみ子育てカレッジ)、戎千鶴子(たんぽぽ病児・病後保育室)、溝尾妙子(新見市ドクターネットワーク)、大田好江(新見市福祉部こども課)の4氏が、にいみ子育てカレッジ、病児・病後保育、ファミリーサポートセンターなどについて話した。

 
 新見公立大学内に設けられた「にいみ子育てカレッジ」は11年目になった。親子交流ひろば〝にこたん〟は、学内だけでなく市内への出張サービスも行っている。保護者の急用などで育児の援助を行う保育サポーターの養成も行い、本年度から拠点になるファミリーサポートセンターを同カレッジに置いた。「病児保育について知らない人が多く、施設もあることを伝えたい。女性の仕事と家事・育児の両立は、周囲の理解と施設を利用することで成り立つ。働きながら子育てできる支援策や環境づくり(ワークライフバランス=仕事と生活の調和)の充実を図りたい」などと話した。
 また、子育てをしやすくなるような〝意見箱〟を同カレッジや保育施設に置いたらという提案もあった。
 




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