NiU「鳴滝塾」

産官学民が連携して地域課題の解決策を探ろうと
新見公立大学に設置されています

第35回鳴滝塾

2018-11-10 | ☆定期講座

 
 11月10日(土)午後2時から新見公立大学学術交流センターで、第35回鳴滝塾「地域共生社会の実現に向けてrⅡ-自治体の現状と課題について-」が開かれ、講演会とシンポジウム(パネルディスカッション)が行われた。
 【講演会】講師は中国四国厚生局健康福祉部地域包括ケア推進課(広島市)の高原伸幸課長。
高原伸幸氏
 高原氏は、団塊の世代が75歳以上になる平成37年(2025年)以降を目途に、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で能力に応じて自立した生活を続けられるよう、5つの要素(医療・介護・介護予防・住まい・自立した日常生活の支援)が“包括的”に確保される体制を構築する「地域包括ケアシステム」について話された。

 
 システムの構築にあたっては「医療と介護の連携」と「生活支援とまちづくり」が必要で、そのためには「自助・共助・互助・公助」をつなぎ合わせて体系化、組織化していくことが重要とし、すでに集落支援と介護予防の連携を図っている高知県越知町、住民共助による支え合い運動を行っている山口県萩市むつみ地域など各地で始まっている取り組みが紹介された。
 さらに地域包括ケア、地域共生社会、地方創生に向けて取り組んでいる島根県雲南市や島根県海士町などが紹介され、新見市の地域生活支援拠点「ほほえみ広場にいみ」も評価された。
 【シンポジウム(パネルディスカッション)】
 シンポジスト(パネラー)は、草間台エコミュージアム推進協議会会長の堀江利明氏(新見市まちづくり審議会会長)と熊野の将来を考える会会長の森田寿氏(新見市地域審議会会長)の2人。まず、新見市総務部企画政策課の小林保課長が「2045年には人口が半減、高齢化率は50%を超えると予想されている。人口減少と少子高齢化の抑制を図ると同時に、人口減少に備えたまちづくりを進めていかねばならない」と述べ、〝新見市版地域共生社会〟の意義と実現に向けた取り組み―小規模多機能自治と大学を活かしたまちづくり―を説明した。

 
 パネラーの堀江氏は、地域全体が屋根のない博物館(エコミュージアム)で素晴らしい自然、産業、歴史文化がたくさんあることに気づき、それらを活かして地域振興を図ろうと平成22年に「草間台エコミュージアム」推進協議会が設立された経緯を話し、ホームページなどでの発信、生物の多様性を維持するための里山保全、蕎麦オーナー制度などによる都市部住民との交流などを挙げ、〝地域の活性化と自立〟を目指していると話した。
 また、森田氏は、住民に困り事(手伝ってほしいことと手伝えること)についてアンケートを行い、その結果、買い物や通院などの移動支援、菜園や墓地の管理などの生活支援を地域住民同士で行うことにし、移動支援では平成30年9月から市の「協働のまちづくり交付金」を活用している―と、「熊野の将来を考える会」が取り組んでいる〝助け合い事業〟について話した。
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