5月26日(土)午後2時から新見公立大学学術交流センターで、「地域共生社会の実現に向けて―看護と保育と介護の統合―」をテーマに講演会とシンポジウムが開かれた。
講演会の講師は、広島県の庄原市と三次市で福祉施設を多数運営する社会福祉法人・優輝福祉会の理事長・熊原保氏。熊原氏はまちづくりを共に考え実践する「過疎を逆手にとる会」、現在の「逆手塾」の中心スタッフとして、地域機能の統合をめざす「総領地域の明日を考える会」や福祉施設をポンプ役にしたまちづくりのための運営協議会「備北湖域生活活性化協議会」でも活躍している。
講演する熊原保氏
熊原氏は「地域共生社会」を「地域のあらゆる住民がそれぞれ役割を持ち、支え合いながら自分らしく活躍できる地域コミュニティ」などと定義し、地域共生社会を実現するためのスローガンとして、「我が事」(課題を自分の事ととらえて「互助」精神で解決に取り組むシステムの構築)と「丸ごと」(分野ごとに縦割りの仕組みを包括し、困りごとを「丸ごと」共助、協働すること)を掲げた。
「地域を良くするかしないかは、相談支援専門員とか民生委員とかの問題じゃないんです。市民全員が相談を受ける、話を聞く人になるというのが〝地域共生社会〟ではないかと思っています。相談を受けて話を聞いて、それを専門家につなげる。いずれにしても聞くということが大事です」と語り、話の聞き方を実技を交えて伝授した。
熊原氏のユーモアあふれる軽妙な語り口は、時を忘れさせ、多くの感銘を与えたようだ(下記、アンケート感想文参照)。
このあと新見公立大・短大の上山和子教授(看護学科)、住本克彦教授(幼児教育学科)、松本百合美准教授(地域福祉学科)をシンポジストに、また熊原氏をアドバイザーとしてシンポジウムを開いた。司会は公文裕巳学長。シンポジストの3人は来年4月の完全四大化を見据えて各学科のプレゼンテーションを行った。
<アンケート(感想文)>