池田 悟≪作曲家≫のArabesque

・・・深くしなやかに・・・(音源リンクしてます)

興味の変遷

2009-12-06 | 作曲・ピアノ/学生時代まで

自作品音源サイト「Music Library」を作成し、自分の作風の変遷が明確になった。静岡大学合格と同時に始めたシンセ(写真)の多重録音によるテープ作品で作曲に開花する。
1年目は空間的な、ノイズを主体としたドライブする音を前面に出した。「エホバの踊り」は厚生保育専門学校の学生を熱狂させ、それを元にダンス音楽を委嘱された。
静大2年次、藝大作曲科出身の成田勝行先生が、常勤の声楽の先生の代わりに僕らのクラスだけ1年間ソルフェージュを教えにいらした。だが、しばらくすると僕は授業が終わるころ出席だけ取りに行き、先生も笑って許して下さり、その後喫茶店で先生にコーヒーを奢って頂き、お話を伺うのだった。
成田先生も本格的なスタジオのユーザーと組んでプロフェッショナルなシンセ作品を制作しておられ、自分の作品を聴いて頂き、先生の作品も聴かせて頂いた。それを聴いて驚嘆し、早速真似たのが「音の日記」。先生から「鳴り物(効果音)なしで音楽の中身を充実させるべき」とご指摘を頂く。

3年次、作曲の大槻先生からいきなり「池田君、金あるか」と聞かれ、グルノーブルの夏期フーガ講習を勧められた。
受講後、音楽のエッセンスである対位法や和声に目覚めた反面、渋い曲しか書けなくなり、シンセ作品は急激に大人しいものになった。
4年次、大槻先生から藝大の佐藤先生を紹介して頂き、「リズムが単純」と再三指摘される。「シンセサイザーなんかやっているからそうなる。音色を聴かせるにはリズムは単純な方が良いからね」とも言われ、シンセを捨てようかと思う。その後、ソナタ形式の習作を持って行くと、リズムに関しては褒めて頂いた。

===まとめ===
<第1期:1979~'83>静大時代。フーガ講習前後で二分される。
<第2期:'83~'90>藝大入学、大学院修了、日本音コン優勝
<第3期:'91~'98>停滞期:「交響曲」「弦楽四重奏曲」(共に破棄)、何百もの聴音課題、藝大受験指導。室内オペラオペレッタ
<第4期:'99~'09>「管弦楽のささげもの」から国際コンクール入賞等。

作曲様式の変遷、それは興味の変遷だ。作品の真価は、その作家が何に興味を持っているかだろう。巧さか、綺麗さ、派手さ、地味さ、力強さ、繊細さ、不思議さ、目新しさか…。
さて「Music Library」を作成して思うことがあり、来年(2010)から<第5期>とする。
(以下後年加筆)第5期は作風の確立:《クラシックに無い音でクラシックに通ずる音楽を創る》。独特だが萌芽のような数曲を以後様々な編成に改訂し発展させる。
2020年から<第6期>自己実現:《人の命・音の命》。チェロを始める。CDをワルシャワPhasma-Musicから、'24~主な楽譜をウィーン・ユニヴァーサル社から出版。

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