池田 悟≪作曲家≫のArabesque

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オケ作品《水循環》シドニー初演Youtube/プログラムノート

2017-03-01 | 作曲コンペ歴

昨年11月に完成した「オーケストラのための《水循環》」 の楽章順を変え、かつ可能な限り短くするなどして(20分→16分)改訂し、パート譜も作成した。
※この作品は、シドニー・コンテンポラリーオーケストラ作品募集に選ばれ、2017年10月6日 8:00 P.M. シドニー音楽院フェルブルッヘン(Verbrugghen)ホールで行われる "Sydney International Composers Concert 2017"(シドニー国際作曲家コンサート 2017)にて初演されます。 →プログラム(Sydney Contemporary Orchestra)

《プログラムノート》
この作品はハーモニックス音列 をモチーフとし、全曲が循環する。
第1楽章 "Ave":2013年完成の弦楽六重奏曲が基。この六重奏曲は第6倍音までの自然ハーモニックスだけで出来ており、全てのピッチはG dur の音階にCis, Gis を加えた9音のみ。オーケストラにする際、管楽器は弦の1オクターブ下の音列を用いた。"Ave"は次の3つの部分から成る…1) コーラル風の6声のハーモニー。時折旋法風な単旋律が挿入される。2) 木管群と弦楽器群とのカノン。真ん中で逆行した後、グレゴリオ聖歌"Rorate Caeli Desuper"(天よ、高みの露を)の引用。3) 密集した和音のトレモロが単旋律の背景となる。なお"Ave" は"Ave Maria"に由来する。
第2楽章[8:08~]:ピアノ三重奏曲"Parents"(2015)からの抜粋が基。素材はハーモニックスのアルペジオやトレモロ、そして倍音列の反行形を用いた和音の咆哮。
この楽章のコーダと第3楽章(フィナーレ)[11:10~]は、金管五重奏曲(2011)、それを改訂した管楽合奏曲《火・水》(2013)に基づく。クライマックスの前、コントラバス独奏とピッコロ、オーボエ、イングリッシュホルンの四重奏。
楽器編成は楽章が進むにつれて拡大する。第1楽章は打楽器無し。フィナーレは初稿では2本だったホルンを2024年改訂の際、4本に増強。言わば乳白色で半透明の冒頭楽章から、楽章を追うごとに色彩が強くなる。
なお本作、オーケストラのための《水循環》の第2、第3楽章のセットはISCM World New Music Days 2021 上海・南寧大会に入選したが、新型コロナの影響で開催されていない。
出版・試聴



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