池田 悟≪作曲家≫のArabesque

・・・深くしなやかに・・・(音源リンクしてます)

極楽鳥

2010-01-03 | 家族・子供の頃

空には音がある!元日は厳しい寒さの中、風が吹きつけた。部屋に籠ってピアノを弾いたり作曲したりしているだけでは気付かなかった。
帰省中はピアノも弾かず、作曲もせず、PC.も触らず、いつもの自分とは180度違うアウトドアー派になる。
普段の1.5倍ほど食べるから、その分運動のために散策するのだけれど…。

冬は木々の枝の形状を観るのに絶好の季節。
葉が枯れ落ちて侘しいというような感傷とは無縁。
自然界はフラクタル幾何学…数学者ブノワ・マンデルブロ(Benoit Mandelbrot:1924~)による、海岸線やひび割れの形、樹木の枝分かれなど複雑な図形の数学的理論化…の作品に満ちている。
音楽に当てはめるなら、フーガ。フーガを「フラクタル幾何学に基づく音楽的リアリゼーション」と解釈し直すなら、現代音楽としても立派に通用する。

翌二日は穏やかな陽気に包まれた。
墓参りをし、元日とは逆方向、富士山に向かって大場川沿いに起伏の多い田んぼ道を歩いた。
三島市立向山小学校は小高い丘の上にある。ここに通う子供たちは毎日山登りだ。丘の頂は遺跡発掘中で立ち入り禁止だが、そこから望む富士山は見晴らしが良い。
山の積雪は去年より多かった。

実家に戻り、揚げたてのカキフライなどで遅い昼食を済ませると、帰京に発つ。
母は自分が食べるのもままならず、あれを持って行け、これを持って行けとそわそわ落ち着かない。
「いい加減にお前も食べたらどうだ」と父が一喝する。
朝、お節を食べた座敷の床の間には、母(池田南苑)の書による掛け軸と生け花。花の名は極楽鳥だと、母が教えてくれた。
謹賀新年



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