池田 悟≪作曲家≫のArabesque

・・・深くしなやかに・・・(音源リンクしてます)

4次元の意識化

2006-01-29 | 芸術・美術・文学・宗教

電車の中では空間を移動しているだけでなく、常に時間も推移している。
御茶ノ水から秋葉原に移動した時、さっき御茶ノ水にいた自分には二度と戻れない。今の自分はたちまち過去のものとなる。
同様の意識は、慣れ親しんだ土地を久しぶりに散策する時、より深く覚える。
―言わば、4次元の散策

音楽や演劇、映画などは時間芸術であり、この側面は美術や建築には無い(作品が腐食する過程をも鑑賞して欲しい、という彫刻もあり、それは時間の推移を取り込んだ一例だが…)。
平面(絵画)は2次元、彫刻や建築(立体)は3次元、そして時間が加わると4次元。
もちろん、次元が高ければ価値がある、という訳ではない。制約に立ち向かう事が創造だから。

ただし、絵画でも4次元を表現する事は出来るのかも知れない。
判別不能な何かが猛烈なスピードで落下したり、回転したり、ねじれたりしている、その一瞬を切り取ったような絵。
それは必然的に抽象画か、それに近い物になる。「絵画=2次元」という常識を打ち破ろうとすれば、そうなるのだろう。

僕らは生きている限り、時間の推移の中にいる。
…否、死者ですら?弔われ、刻々と有機物質に還っていく時間のプロセスを有する。そして魂は4次元の束縛から自由になるのか…?
満員電車にもみくちゃにされている、その瞬間も二度と戻っては来ない。



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