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sou16の物理学的な週末 ~sou16's Physical Weekends.

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悪石島

2023年12月09日 | 旅行


おはようございます。
船上での一夜が明け、
眠気覚ましに甲板に出てみると島が近付いていました。
トカラガチ勢ならシルエットだけでどの島か分かるはず。


島の殆どが噴火警戒区域に指定された火山島、諏訪之瀬島です。
前回も諏訪之瀬島で丁度起きた記憶があるので、
僕の睡眠リズムだと丁度諏訪之瀬島で起きるようですね。
ここは7年前(2023/2/6-7)に既に訪問しているので降りません。


次の寄港地は平島。
平らとは程遠い地形をしていますが、
名前の由来は平家が落ち延びてきたことです。
ここも降りません。


今回の目的地はこの島です。


諏訪之瀬島と同じく火山活動が活発で、
火山ガスにより一部の森が立ち枯れているこの島は…


9:30、悪石島に到着。
前回(2023/2/10)は海況悪化の為涙を呑んで上陸を諦めた悪石島に、
7年越しで遂に上陸しました!
このくらいの執念深さが無ければ離島オタクはやっていけない。


宿の人が車で迎えに来てくれていましたが、
15分程待って欲しいと言われたので港でぶらぶらします。


その15分間で島民の皆さんは何をするのかというと、
本土からコンテナで届いた荷物の仕分けです。
パッと見郵便局員のような人が居る訳ではなく
皆で協力しあってやっている様子。


Amazonもちゃんと届くんですね。
勿論、お急ぎ便や日時指定は不可能ですが。
皆さん心待ちにしていた荷物が届いてほくほく顔です。
おや、海外の人も居るな。


えっ、何この車!?
もしかしてあの外国から移住してきた人が持ち込んだの!?
ドイツのフォルクスワーゲン ビートル、
イギリスのローバー ミニ(2022/2/17)に並ぶ大衆車の金字塔、
フランスのシトロエン2CVです。
ということは、フランスから来た人なのでしょうか。
絶海の孤島でクラシックカーを走らせる…
まるで映画のワンシーンですね。


港に目を遣ると高速観光船ななしま2が停泊していました。
旅客定員12人のチャーター船です。
時間に余裕の無い人はこれをチャーターして来ることも出来ます。
但し、航続距離の都合上北は鹿児島港ではなく屋久島までですが。


荷物の仕分けが済んだようなので宿へ。
大勢の工事関係者が泊まることもあるのか
かなり広々とした間取りです。


この民宿の前には悪石島唯一だという自動販売機があります。
この立地なら価格も昔のまま…
と思いきや、きっちり消費税10%時代に対応しています。


宿は真の秘島らしく1泊3食付き(飲食店が存在しない)なので、
正午の昼食までまずは集落を散歩してみます。
集落内は自然発生した獣道をそのまま舗装したような道路が
何とも言えない角度で分岐・合流を繰り返しているので、
現在地が何処か非常に把握し難いです。


集落の端の空き地にあったボゼユネスコ登録記念施設。
宿の中にも仮面が飾ってありましたが、
悪石島はお盆にこの仮面を被った来訪神ボゼが現れて
赤土の付いた棍棒ボゼマラで女子供を小突くボゼ祭りで有名です。
日本離れしたその異様な様子は
ポリネシア文化との繋がりを指摘されることもあるとか。
悪石島のみならずトカラ列島を代表する行事として
お盆には「ボゼ特別便」フェリーが運航されるほどの人気があります。

このような唯一無二の観光資源を有する悪石島は
トカラ列島の中で最も観光客に人気な島の一つ
だと予想していたのですが、
実は逆に最も観光客の少ない島の一つで、
トカラ列島で最も小さく人口も最少の小宝島と
観光客数ワースト1、2を争っている有様だそうです[1]。
何故…


奇祭を脈々と受け継いでいるだけあって信仰心は深いのか、
人口81人の島に9社も神社があります。
島民9人につき1社あるのか。
ボゼって神道の範疇にあるんですかね?


小さな島にしては広々とした十島村立悪石島小中学校。
山海留学制度を実施しており、
国内の他の校区からここに「留学」することも出来ます。
ぶっちゃけ、下手な海外の日本人学校へ行くより
文化や環境の違いに衝撃を受けそう。


留学生達が暮らす悪石島寮。
先程のシトロエン2CVが停まっていたので
どうやら例のフランス人が管理人をしているようです。


離島で暮らすとなると心配になるのが医療体制。
7年前(2016/2/6)に訪れた十島村立諏訪之瀬島へき地診療所は
まともな診療が月2回、みたいな貼り紙があって衝撃的でしたが、
この十島村立悪石島へき地診療所は
土日祝日を除く平日の8:30〜17:15にちゃんと営業しているそうです。
十島村も暮らし易くなっているんですね。


こちらは村役場の出張所。
郵便局など様々な施設が集約されているようで、
島内随一の賑わいを見せています。


コイン精米機かと思いきや何とコインランドリーが!
そう言えば、諏訪之瀬島にもありましたね。
雨が多くて中々洗濯物が干せないとかでしょうか?


おや、ここにも自動販売機がありますね。
民宿の前のやつが唯一とかいうネット情報は何だったのか。


お隣はガソリンスタンド。
リッター幾らか気になるところですが、掲示されていません。
なお、ハイオク燃料はありません。


そして、ガソリンスタンドの更に隣にある
この真新しい建物は…


悪石島唯一の商店です。
悪石島に商店が存在しているということに驚いた。
万が一テント泊かつ食料を忘れたとしても、
餓死することは無さそうですね。
生野菜は玉ねぎしか置いていませんが。


何とお土産まで売っているじゃないか!
トカラ列島も発展したな…
デカデカと「悪」と書かれた有名な悪石島Tシャツもありましたが、
残念ながら丁度良いサイズは売り切れでした。


しかし、流石に食堂は無いので一旦宿に戻って昼食を摂ります。
野菜の貴重さが垣間見える一膳ですね。
この不安定な食料供給状況では
人に食事を提供することを主たる生業にはし難いんだろうな…


昼食を終えたら散策再開です。


悪石島も小島とはいえ徒歩で回り切るには大きいので
宿で車を借りることにしました。
集落を外れるとヤギの数が凄い。


東京大学地震研究所?
まさかここで母校の名を見ることがあろうとは。
中之島(2016/2/7-8)と宝島(2016/2/9)に気象庁の地震計がありますが、
その中間を補完しているのでしょうか?
地震研に入ったら悪石島出張とかもあったのかな…


まずは島の南東にある悪石島灯台へ。
車が通れそうで通れない微妙な刈り払いの道を歩きます。


思ったより急坂を登って到着。
地形を活かして灯火標高を稼いでいます。
ただ、悪石島は北東部に山が聳えているので
この位置に建てると北東方向の船からは全く見えないのですが、
その点は大丈夫なのでしょうか?
フェリーとしま以外の大体の船は南東側を通過するから良いのかな。


灯台の位置からは諏訪之瀬島が良く見えます。
ちなみに、諏訪之瀬島には灯台がありません。
火山が光るから構わないとかいう
ストロンボリ方式なのでしょうか?


改めて車に乗って島の果てを目指します。
道が怪しいなぁ…
ちなみに、村の観光案内では
「島内随一の眺望が楽しめる観光道路」[2]
とのことです。


脱輪等することなく村道の終点に到達。
ノンゼ岬という名の岬です。
最南端や最東端という訳ではありませんが、
道の終点の方が果て感があるので。
村道の名前はノンゼ岬線じゃないんですね。


村道小石浜線終点から振り返って見た悪石島。
ビロウ山が標高300m強とは思えぬ存在感を放っています。
ジャングルを藪漕ぎしないと頂上には辿り着けないんだろうな…


まだ歩道は続いているようなので極めてみます。
この温暖な気候で道の形が残っていることを鑑みると
誰かがそれなりの頻度で刈り払いしているようですが、
何か需要があるのでしょうか。


波で侵食されているのかかなり崩れやすいです。
下りたは良いけど蟻地獄のように登り返せないとかないよな…?


海岸まで下りました。
村道の名前からすると名前は小石浜だと思うのですが、
小石と呼ぶにはあまりにも大きな岩がゴロゴロしています。
当然遊泳は出来ません。
とすると、道は磯釣りをする釣り人用?


北の方を見るとパンクロージャーを思わせる
奇妙な形の岩が聳えていました。
御根神という名前の岩だそうです。
ネットに上がっている写真を見ると
あの特徴的な切り欠きが無いものばかりなので、
つい最近崩落したようです。
崩れやすい地質なんですね。


薮を掴んで無理矢理登り返します。
滑る!


お次は集落を通り過ぎてその先、
北西部にある悪石島最高峰の御岳を目指します。
中之島、諏訪之瀬島、平島の最高峰も同じく「御岳」ですが、
中之島の御岳は読みが「おんたけ」、
諏訪之瀬島と平島の御岳は「おたけ」、
ここ悪石島の御岳は「みたけ」と読むのだそうです。
そんなにちゃんと定まっているものなのか怪しい気もしますが。


緑豊かな山肌に刻まれた九十九折で
山頂直下の登山口を目指します。
この山は正直アプローチが9割です。


やっぱり道が荒れているな…
薮にバシバシ車体を叩かれながら登っていきます。


道端にアサギマダラがいました。
トカラ列島だと越冬出来るんですね。


車体に大きな傷を付けることなく
登山口の内閣府沖縄総合事務局悪石島無線中継所に到着。
防災無線の中継所だそうです。


無線中継所の金網の裏から入山します。
見た目は完全に不審者。
ちゃんと公式な案内看板に従ってのルートですからね?


うーむ、相変わらずの藪漕ぎ。
12月でこれって、夏に来たらどうなるんですかね?


何とロープが残置された難所もありました。
意外に険しい。


悪石島御岳(標高584.03m)登頂。
標高の有効桁数が多いのは一等三角点だからです。
大隅諸島と奄美群島を繋ぐ貴重な列島として
十島村の全有人島にはそれぞれ一等三角点が設置されています。


十島村のおおよそ中央に位置する悪石島最高峰の御岳からは
諏訪之瀬島と中之島に隠れる口之島を除くトカラ列島全島と、
北は屋久島、南は奄美大島も望むことが出来ます。
…天気に恵まれれば。
トカラ列島は温暖な海の只中に顔を出していて雨が多いこともあって
こう見えて日照時間が全国最低クラスなんですよね…
写真は何とか見えた平島(図中左)と臥蛇島(同右)です。


御岳山頂から集落方面。
トカラらしい人口密度の低さです。


夕方になってきたので急いで次に向かいます。
村役場が出している観光地図だと細線で描かれているけど、
中岳を回り込む林道大峰線の方が
さっきの九十九折の村道御岳線より大分走りやすいな。


御岳の麓にある自然遊歩道。
さっき藪漕ぎしたばかりですが、
500mの標高差でも植生はかなり違います。
こちらはビロウが非常に多いです。


トカラでは貴重な池。
ミナミイシガメという亀が棲息しているそうです。
確かに亀がいそうな澱み具合。


と、池は正直どうでも良くて、
お目当てはこちらです。
ただの落石防止柵に見える?


こちらは地熱で温まった砂の上で横になる砂蒸し風呂です。
同じ鹿児島県の指宿温泉のものが有名ですね。


こちらは指宿よりも地熱のエネルギーが大分強くて
あちらのように砂に埋まると大火傷するので、
砂の上にバスタオルを敷いてその上に寝転がります。
それでもかなり熱い。
誇張抜きで卵を置いておいたら温泉卵になりそうです。


砂蒸し風呂だけではなく普通の温泉もあります。
こちら湯泊温泉です。


冬の外気に曝されている砂であの温度だと
温泉は相当ヤバいのでは…?
いや、でも公衆浴場が熱過ぎるのは青森県とか東北地方の特徴か…?
熱ッッ!!
何と51℃の源泉掛け流しです。
茹で上がるって!
火山のエネルギーを持て余している感が凄い。


激熱温泉で登山の疲れを発散させたら、
夕陽が有名な岬で今日の締めにしたいと思います。
見えるかどうかは別として。


島の南西端の荷積岬にやって来ました。
ノンゼ岬の方にはひらが牧場という牧場がありましたが、
こちらにも大麦牧場という牧場がありました。
牛は岬が好きなんですかね?


夕焼けは…
雲の切れ間から一瞬見えたりするか…?
階段があるので海岸に降りてみます。


と思ったら、階段は途中で断絶していました。
何だこの罠。
歩きスマホしていたら転落死しそうですね。


海岸には降りられなかったので
岩壁に張り付いて日没時刻を待ちます。
沖合を通る船は磯釣り客向けの瀬渡し船でしょうか。


夕陽…は見られなかったけど、
夕焼けなら見られたかな?
例によって道中に街灯の類はほぼ無いので
真っ暗になる前に民宿に戻ります。


こちらが今日の夕食。
鍋敷きの代わりに榊なのか椿なのか
肉厚で照りの強い葉っぱが使われています。
南国っぽい雰囲気。
蒸かし芋をおまけしてくれてボリューム満点でした。

 

参考文献
[1] 十島村,「十島村過疎地域持続的発展計画(令和3年度~令和7年度)」, 2021.
[2] 十島村,「悪石島の観光情報 – 十島村観光・定住情報サイト」, 2023年12月アクセス.


冬の南の島

2023年12月08日 | 旅行

南の島というと夏のイメージがあるかも知れませんが、
僕はそんなにマリンスポーツをしないので
寧ろ冬に行く南の島が好きです。
去年ほ丁度同じ時期(2022/12/8-11)
御蔵島と三宅島へ渡りましたが、今年は…


始発電車に乗って羽田空港では競歩して、
何とか始発便で鹿児島空港まで飛んできました。
今年は鹿児島県の離島を狙います。
ただ、船の時刻まで大分あるので
レンタカーを借りて一先ずは鹿児島本土を回ります。


735万kLの貯油能力で日本最大の原油中継備蓄基地だという
ENEOS喜入基地を望む道の駅喜入で一休み。


つのまきという郷土料理があったので買ってみました。
ちまきのように竹の皮に包まれていて…


中に灰汁で煮込んだ餅米が詰められています。
ちなみに、円筒状に包んだものはあくまきと呼ばれます。
きな粉をかけて食べるのだとか。
お味は…
温泉のような臭いがするな。
灰汁の風味でしょうか?


つのまきで当面の腹拵えをしつつ、
枕崎漁港までやって来ました。
9年前(2014/9/23)にJR指宿枕崎線の乗り潰しで
枕崎駅には来ていますが、
あの時は日没後だった上に蜻蛉返りしてしまったので
まともに観光するのはこれが初めてです。


枕崎と言えば、言わずと知れた鰹節の名産地。
カツオのぬいぐるみクジなんてものもありました。
高知市のひろめ市場(2014/3/1)にもあるとか。


昼食は勿論カツオ。
枕崎かつお船人めしです。
付属の鰹出汁を掛けて頂きます。
関東で出される塩味強めの鰹出汁とは一味違いますね。


レンタカーの機動力を活かして枕崎の更に先、
九州の南西端である坊ノ岬も目指してみます。


車道はまだ続いていますが、
「ここで停めておいた方が身の為だぞ」
という趣旨の看板があったのでここから歩きます。


軽トラ1台分ギリギリの幅で曲がりくねる道を下ります。
ひたすらに下っていきます。
帰りはひたすら登ると思うとちょっと憂鬱だけど。


車道の終点まで来ました。
転回するだけの空間が確保されているので、
土地勘があればここまで車でアプローチ可能です。


車道終点から延びる獣道を行くと
全く整備されていないであろう浜に出ました。
土地柄中国から漂着したゴミが目立ちます。


…で、岬への道は何処なんだ?
それらしい道が全く見当たりません。
方角的には右に行くはずだけど、枯れ沢しか無いような…


これか!
人を導こうという気概の感じられない標識です。
それどころか、寧ろ極力バレないようにしてない?


灯台に電気を送る為の電線も
何故か別の経路で途中から合流していて、
入口を尚の事判り難くしています。
実は別の道がメインルートとしてあって
この道は本来災害復旧用の仮道だとかそういう感じなんだろうか…


車道で下った分を丸々登り返して
かなり景色が良くなってきました。
断崖絶壁ですね。


開門岳を遠景出来る地点もありました。
良い海の色!


という事で、坊ノ岬灯台に到着。
中々到達難度の高い灯台でした。
この坊ノ岬、軍事マニアの間では
戦艦大和が沈没した坊ノ岬沖海戦でその名を知られています。
ただ、最も近い陸地が坊ノ岬というだけで
実際の沈没地点はここから西南西に230kmも離れているので、
その地点はここから全く見えないのですが。
まあ、見えたところでただの海だしな…


三島村の3島はハッキリと見えました
(この写真に写っているのは左が竹島2016/2/3-4
右が薩摩硫黄島2016/2/4-5)。
満足したので次に向かいます。


前回は日没後で真っ暗だったので
ついでに再訪してみた枕崎駅。
何一つ変わっていません。
ずっと廃止の話が取り沙汰されていますが、果たして。


車らしく鉄道空白地帯を走っていきます。
開門岳を望む知覧茶の農園。
桜島の火山灰で水捌けが良いのか茶畑にしては平らです。


茶畑の中には薩摩の冬の風物詩もありました。
あの堤防みたいなもの、何か分かりますか?


正解は寒干し大根です。
この地域ではあのような巨大な大根やぐらを組んで
大量の大根を干すのだとか。
高さ5m以上ありそうだけど、どうやって上まで干すのだろう…


茶畑を見て気分を上げたところで知覧茶を頂きます。
渋みが少なくてまろやかなお味。
西尾や静岡のお茶ともまた一味違いますね。
ちなみに、長らく全国一のお茶生産量を誇っているのは
ご存知静岡県ですが、
実は今鹿児島県が肉薄しているのだそうです
(令和5年産で静岡県9,060t、鹿児島県8,440t)。
果たして、静岡県はアイデンティティを保てるのか。


お茶スイーツも美味しかったです。
でも、抹茶は西尾の方が好きかも(地元愛)


最後に、指宿駅にやって来ました。
指宿と言えば砂蒸し温泉と…


指宿(いぶすき)を「イーブイ好き」にかけて
日本で最初のポケふたが設置されたことで有名です。
その為、人気のブイズを独占するという先行者利益を享受しています。
指宿駅のふるさとショップでは
ブイズマンホールのグッズも売っているのでそれを買いに…


…来たのですが、
Googleマップに書かれていた営業時間が間違っていたのか
既に閉店してしまっていました。


とはいえ何もせずに帰るのもあれなので、
ポケふたを幾つか回ってから鹿児島市内に戻りました。


夕食は鹿児島らしく鳥刺しと黒豚しゃぶしゃぶ。
敢えてこのタイミングでカンピロバクターチャレンジをしていく。
夕食を終えたら鹿児島市電でいづろ通電停へ。
いよいよここからが本番です。
いづろ通電停は鹿児島本港南ふ頭の最寄駅。
今回目指す島は…


日本最後の秘境、トカラ列島です!
実に7年振り(2016/2/6-10)の十島村。
何故このタイミングで再訪するのかというと…


ふるさと納税でフェリーとしま2の乗船引換券を手に入れたからです。
これを手に入れたいが為にふるさと納税をしたと言っても良い。
離島の自治体だと偶にこういう返礼品があります。


23:00発フェリーとしま2に乗船。
懐かしのフェリーとしま…


ではなくて、フェリーとしま「2」です。
前回トカラ列島を訪れた2年後に新造船が就航したんですね。
無印のフェリーとしまとの大きな違いは無料Wi-Fiがあることと…


何と食堂でお土産も売るようになったことです。
島には売店が1軒あるか無いかの十島村では
観光面での大きな飛躍と言えます。
島に上陸した後は十中八九お土産を買えないので、
何かお土産が欲しいのならここで買いましょう。


これまでに行ったことのある国内の旅行先で
一二を争うくらい大きな衝撃を受けたトカラ列島。
再びその地を踏めることに興奮しつつも、
明日寝過ごしてしまうことのないよう早めに寝ます。


オセアニア出張 第8日目以降

2023年11月27日 | 旅行


仕事なので詳細は書けませんが、
Sydney(シドニー)支社で色々やっていました。


海外駐在は海外駐在で大変そうだな…
別に現地人とのコミュニケーションや生活スタイルの変化とかは
Houston(ヒューストン、2021/9/1-11/15)で経験した通り
大した問題ではないのですが、
それよりも日本人会の繋がりの方が遥かに面倒臭そうです。
まあ、今駐在しているのが上の世代だからそうなっているのであって、
僕等の世代が海外赴任する頃になったら
また状況は変わっているのかな…


オセアニア出張 第7日目

2023年11月26日 | 旅行


6:30、起床。
爽やかな日曜の朝です。
折角なのでSydney(シドニー)郊外にある
国立公園に行ってみたいと思います。


通りの喫茶店でモーニング。
ハムチーズクロワッサンとアイスカフェラテで
15AUD(約1,500円)とか嘘だろ…
円安とかそれだけの問題なのか…?
Sydneyの物価はAuckland(オークランド)にも況して高いです。


朝のCentral駅(シドニー中央駅)。
日曜の朝だからか人通りは疎らですね。


Central駅構内。
欧風な頭端式ホーム。
但し、自動改札機がきちんとあるのが豪州式です。
Sydneyの交通系ICカードOpal Cardの窓口が閉まっていて
どうしたものかと思いましたが、
クレジットカードのタッチ決済で入れました。


7:54発Blue Mountains線(ブルーマウンテンズ線)
Parramatta(パラマタ)経由
Katoomba(カトゥーンバ)行きに乗車。
人通りは疎らでしたが、電車の乗車率は高め。
それでも首尾良く2階窓際の席を確保して準備万端です。
…が、待てど暮らせど電車の動く気配が無い。


じっと待っていたら、
「乗客は全員10番線の電車に乗り換えるように」
との案内放送があって強制移動させられました。
車両故障でもあったのでしょうか?
結局、20分遅れての発車となりました。


Penrith駅(ペンリス駅)まではただの近郊路線ですが、
Nepean River(ネピアン川)を渡ると平野が終わり、
いきなり右に左に蛇行しながら山岳路線が始まります。


みるみる内にこんな標高に。
路線名にもなっているBlue Mountains(ブルーマウンテンズ)
の台地の上に登っています。
テーブルマウンテンなんですね。


8:01、Katoomba駅(カトゥーンバ駅)に到着。


Sedona(セドナ、2021/10/9)を思い起こさせる
ちょっとテーマパークっぽい雰囲気の駅前です。
ここからシャトルバスで公園入口に向かう予定だったのですが、
電車が遅延した所為で乗り継げませんでした。
入園券は時間指定があるから次の便では間に合わない…


ということで、公園入口まで歩きます。
Aucklandで鍛えられた今なら
この程度どうということはありません。


Scenic World(シーニックワールド)の入口に到着。
Blue Mountains National Park(ブルーマウンテンズ国立公園)の
中に位置しているテーマパークです。
Blue Mountains National Parkは高低差が激しい為、
園内には移動を容易にする為の交通機関が3つあります。
その中での僕のお目当ては…


Scenic Railway(シーニック鉄道)です!
テーブルマウンテンの上下を繋ぐケーブルカーで、
最大の特徴はその勾配にあります。


最急勾配驚異の52°。
52‰ではありません。
鉄道でお馴染みのパーミルで表すなら1,280‰、
道路でお馴染みのパーセントなら128%です。
このScenic Railwayは世界一急な鉄道路線なのです。


発車していく様子はジェットコースターにしか見えません。
嘗てナガシマスパーランドにあったホワイトサイクロンで
最大勾配が50°だったので、
比喩でなく本当にジェットコースターの角度です。
この急勾配で交走式(2つの列車をケーブルで繋いで
お互いをカウンターウェイトとして用いる)じゃないのか…


車両の椅子の角度は変えることが出来るのですが、
園内交通ということで純粋な交通機関というよりは
アトラクションの面が強いので、
勾配を緩める側(緩めても44°ですが)だけではなくて
勾配を更にキツくするCliffhanger
(クリフハンガー)モードもあります。
その角度なんと64°。
急勾配に感じても横から見ると大したことない
というのは良くありますが、
64°ともなると横から見てもほぼ壁です。


勿論、世界最急勾配を体験しにここまで来たので
Cliffhanger一択で乗り込みます。
オーストラリアンなノリノリアナウンスの後に発車して…


出発するとすぐに天然トンネルの中に入っていて
真っ逆様に滑り落ちていきます!
もっとじわじわ下りていくのかと思いきや、
遅めのジェットコースターみたいな速度です。
周りもジェットコースターみたいな悲鳴を上げています。


角度の分かる写真は中々撮り難いですが、
こんな感じの勾配をしています。
手足を前の座席に突っ張って踏ん張らないと
席から滑り落ちて膝を打ちます。
座席に荷物を載せるのも絶対に止めましょう。


あっと言う間に崖下の駅に到着。
勾配が衝撃的過ぎて言及するのを忘れていましたが、
このケーブルカーは山の上に登る為のものではなくて
崖の下に下りる為のものなんですね。
これも珍しい点かも。


壮大なBlue Mountains National Parkの眺め。
盆地の下まで下りきったというよりは、
崖の中腹で止まっている感じです。


戻っていく列車を撮り鉄。
木々が茂っていて結構撮り難い…
しかし、沿線は崖なのでここ以外まともに撮影出来る場所がありません。


少しアングルを変えてみた写真。
如何に急勾配、というか急角度なのがお分かり頂けるでしょうか。


昔の車両はこんな感じだったとか。
いや、怖過ぎでしょ…
でも、ちょっと体験してみたいかも。


このScenic Railway、今でこそ純然たる観光路線で
何なら園内の遊具の類にさえ見えなくもありませんが、
実はその出自は炭鉱の貨物鉄道です。
だからこそ僕の嗜好にドンピシャで刺さりました。


何故貨物鉄道としてあんなケーブルカーが建設されたかというと、
よりにもよって崖の中腹に鉱脈が発見されてしまったから。
テーブルマウンテンの形状からして崖を迂回することが不可能で、
正面切って崖を攀じ登る他無かったのです。


鉱山は奥地にあることが多いとはいえ、
何がどうなったらこんな位置の鉱脈に気付くのでしょうか。
昔の人の鉱業にかける熱意は相当なものですね。


炭鉱の他は全く開発されておらず、
ジュラシックパークみたいな雰囲気の原生林が広がっています。


というところに目を付けたようで、
Dinosaur Valley(恐竜渓谷)として整備されています。
子供達は大興奮。


錆び付いた遺構や打ち捨てられた看板を見るに、
元々は順当に廃炭鉱の跡を案内していたようです。
ただ、それでは人気が出なかったので
恐竜推しに方針転換したということなのでしょうか。
世知辛い世の中ですね。


坑夫の休憩小屋などはそのまま残されているので、
まるで恐竜が闊歩する中で操業していたかのような印象を受けます。
まあ、エミューやヒクイドリが跋扈する中操業していたら
強ち事実無根とも言い切れないような状況だけど。


テーブルマウンテンの上に戻ります。
帰りはScenic Cableway(シーニック・ケーブルウェイ)で。


これは炭鉱と関係無く園内の施設として建築された交通機関。
ロープウェイでも世界最急レベルの勾配になっているとか。


ところで、上の写真で屹立している巨岩の上には
何と手摺りが付けられています。
昔は展望台としてアクセス出来たのだとか。
一体どうやってあそこまで登ったのだろう…


水平移動用のロープウェイ、
Scenic Skyway(シーニック・スカイウェイ)に乗り継いで
別角度から捉えた写真がこれ。
マジで何処からアプローチするんだ…?


Blue Mountains National Parkには
このような奇岩が幾つも存在しており、
その中でも特に有名なのがこのThree Sisters(三姉妹)でしょう。
またしても(2021/10/10、2022/8/12)姉妹なのか。


乗り場が混雑していて写真が撮れなかったので
さらっと流してしまいましたが、
Scenic Skywayというのはこれです。
渓谷をショートカットして崖から崖へと移動するロープウェイ。
あのゴンドラの上に乗るというアクティビティもあるとか。
やってみたかった。


Katoomba Falls(写真左)と一緒に。
200m以上の落差がある滝だそうです。


Three Sistersに向かってトラックを歩いてみます。
道の付け方次第では水平歩道(2023/10/14-15)みたいになりそう。


枝にアカクサインコが止まっていました。
そう言えば、Aucklandでは鳥を見られなかったな…


Three Sistersの目前まで来ました。
流石にあの上に展望台は無いようですね。


Three Sistersまで階段で更に近付いてみます。
これまたかなりの急勾配な鉄階段…


着きました。
Three Sistersの長女に架かるHoneymoon Bridge(ハネムーン橋)です。
吊り橋効果を狙ってね!ということなのでしょうか。
いや、ハネムーンなら既に婚約済みか。


このHoneymoon Bridge、
残念ながら落石の危険が高いということで
現在では通行禁止になっています。
残念…
豪州でも安全規制は強まりつつあるということなのでしょうか。


実はここからテーブルマウンテンの底まで
徒歩で下っていくGiant Stairway(巨大階段)があり、
Scenic Railwayまで歩いていくことも出来ます。
行こうか大分迷いましたが、
コースタイム的にScenic Railwayの運行終了時刻
ギリギリになりそうだったので止めました。
戻ります。


道端に何やら動く物体があると思ったら、
ハリモグラが鼻を土に突っ込んでいました。
こんな観光客の多い道で普通に活動しているものなのか。


中々面白い国立公園でした。
観光地化はかなり著しいですが…
帰りは路線バスで駅に戻ります。


戻ってきたら激しい驟雨があって、
Giant Stairwayを止めておいて良かったと心底思った次第。
山の天気は変わり易いですね。


皆さんホームで手持ち無沙汰そうに待っています。
今の内に撮り鉄に最適な立ち位置を探って…


って、何か変な鳥が架線に止まってる!
キバタンというオウムの一種だそうです。
豪州はインパクトのある野生動物が多いですね。


キバタンに気を取られていたら、
電車撮影のベストタイミングを完全に逃しました。
撮り鉄殺しの鳥だな…
16:20発Blue Mountains線Central行きに乗車。


18:17、Central駅に到着。
戻って来ました。
さて、Sydneyと言えばあれも見ておきたいところではあります。


という訳で、Haymarket電停(ヘイマーケット電停)から
Sydney Light Rail(シドニー・ライトレール)L2系統
Circular Quay(サーキュラー・キー)行きに乗車して
Circular Quay(サーキュラー岸壁)にやって来ました。


AucklandだけではなくSydneyも
リアス式海岸のPort Jackson(ポート・ジャクソン湾)で
海上交通が発達しています。
最深では直線距離で19km離れた
Parramatta(パラマタ)まで所要1時間26分なんて便もあったり。
電車だと1時間15分くらい掛かるようなので意外と良い勝負をしてます。


そして、このCircular Quayから見えるのが
あの有名なSydney Opera House(シドニー・オペラハウス)です。
丁度満月が真上に来て綺麗。
1973年竣工で2007年に世界文化遺産に登録された
世界で最も若い世界遺産です。


お隣のSydney Harbour Bridge(シドニー・ハーバーブリッジ)の方が
40年以上歴史が長いのですが、
こちらは世界遺産としては緩衝地域の指定に留まっているそうです。
このくらいの橋なら割と色んなところにある、ってことなのでしょうか。


夕食はSydney Harbour Bridge近くのハンバーガー屋で。
とってもオーストラリアンにカンガルー肉バーガーです。
ビーフはビーフでオージービーフがあるから
それもオーストラリアンかも知れないけど。
この2日半すっかり旅行気分になっていますが、
これはあくまで出張。
カンガルー肉で英気を養って明日からのお仕事に備えます。


オセアニア出張 第6日目

2023年11月25日 | 旅行

今日は土曜日。
ニュージーランドを発つ飛行機は夜発なので、
ギリギリまでAuckland(オークランド)を観光します。


という訳で、またしてもDowntown Ferry Terminal
(ダウンタウン・フェリーターミナル)に来ました。
Aucklandには離島も数多く存在しています。
となれば、離島班として渡らない訳にはいかないでしょう。


うおっ、凄い大行列!
昨日予約しておいたので乗れないということはありませんが、
まさかここまで人気のある島だとは思いませんでした。


9:15発Rang系統Rangitoto(ランギトト)行きに乗船。
これは観光路線なのでAT HOP Cardでは乗れず、
運賃も往復57NZD掛かります
(昨日のDevonport(デボンポート)は往復で多分11.6NZD)。


Downtownを後にします。
ディズニーのクルーズ船が寄港していますね。


9:53、Rangitoto Wharf(ランギトト埠頭)に到着。
ゴッツゴツの玄武岩質海岸を避けて
大きく飛び出した桟橋に横付けしました。


ここRangitoto Island(ランギトト島)は
見ての通り海底火山の噴火によって生じた島で、
Aucklandで最も最近噴火した火山でもあります。
最近と言っても約600年前ですが。


それでも、海岸線は全て溶岩の流れが手に取るように分かる
うねった玄武岩で覆われ、
如何にも火山島らしい顔をしています。


嘗ては入植者も居たのですが、
景観保護区になったことで無人島化しました。
その分トレッキングに特化した島になっているので
頂上まで登ってみたいと思います。


最後の噴火は600年前ということで、
まだスコリアが剥き出しになっている場所から、
岩が風化して苔が生えている場所、
小さな下草が生え始めている場所、
更に森林化がほぼ完了している場所まで、
土壌の生成の一部始終を紙芝居的に眺めることが出来ます。


船着場から頂上までを最短距離で繋ぐSummit Track(サミットトラック)は
登り標準コースタイム1時間とパンフレットに書いてあったので、
まあ観光地だし1時間半もあれば往復出来るだろうと
高を括っていたのですが、
途中にある案内標識を確認する限り
早めに歩いているつもりでもコースタイムから殆ど短縮出来ていません。


周りのニュージーランド人の歩行速度が滅茶苦茶に速いのです。
本気で歩いてついていくのがやっと。
トレッキングでこんな敗北感を抱いたのは初めてだ…
流石はEdmund Hillary(エドモンド・ヒラリー)を輩出した国…


50分掛けてRangitoto(標高260m)頂上に到着。
根性でコースタイム超えだけは回避しました。


Rangitoto頂上から俯瞰したAuckland市街。
昨日登ったTakarunga(タカルンガ)も手前に見えます。


中心街から少し右へ目を遣ると
Rangitoto Lighthouse(ランギトト灯台)が。
トレッキングはしたいけど山登りはちょっと…という人には、
あの灯台まで海沿いを歩く
McKenzie Bay Road(マッケンジーベイ・ロード)というのもあります。
距離はSummit Trackより長いですが。


市街地とは反対方向にあるこの島はMotutapu Island(モトゥタプ島)。
あちらも火山島ではありますがRangitoto Islandより遥かに古い為、
牧場化が進んでいて大分様相が異なります。
Rangitoto Islandとはほぼほぼ隣接していて土手道で繋がれているので
向こうまで歩くというルートもあります。
Motutapu Islandへのフェリーもあることはあるのですが、
月0〜2便しか無い上に乗船券が往復でしか買えないので…


頂上からちょっと下って
Lava Caves(ラバ・ケーブス)も見てみます。
溶岩が冷えて固まる際に出来た洞窟です。


いや、空洞と言った方が実態に近いでしょうか。
洞窟と呼ぶには余りにも小さな、
10m程しかない空間です。
気の根っこが邪魔で入り難い…


身を捩らせて何とか抜けました。
抜けたところで何もありませんが。


そろそろ帰りの船の時刻が迫ってきたので下山します。


桟橋まで戻ってきました。
少し時間が余ったな…


船着場周辺の家の散策でもしてみます。
今でこそ無人島のRangitoto Islandですが、
嘗ては入植者が居ました。
その時に別荘として建てられたBach(バッチ)が
今でも数軒残されています。
元P会民として「バッハ」と読んでしまった。
Bachはニュージーランド特有の単語で、
Bachelor pad(独身者の家)の略、
またはウェールズ語のbach(小さい)から来ているそうです。


City of Sails(帆の街)と呼ばれるほど
ヨット含む小型船舶の保有率の高いAucklandなので、
週末に自分の船で島に渡って
このこじんまりしたBachで過ごす…
良いなぁ…


このBachは資料館として開放されており、
当時のティーカップセットや
Rangitotoの登頂証明書なども売っています。
まさかこの無人島でお土産を買える場所があるとは。


海岸線を歩くトラックも面白そうですね。
またAucklandに来る機会があれば…
いや、次はSouth Island(南島)に行きたいな。


船の時刻なので桟橋へ。
…来ないな。
他にも集まってきている人達が居るから
時間や場所を間違えている訳ではなさそうだけど…


15分程遅れてやっと来ました。
12:20発Rang系統Downtown行きに乗船。
Downtownとは逆の方角から来たけど、
何処から来たんだろうか。
この便は遅延こそしたもののちゃんと来てくれましたが、
後ほどWiFiのあるところでメールを確認したところ、
この後の16:00発の便は乗り場が徒歩2時間弱離れた
Islington Bay Wharf(イスリントンベイ埠頭)に変わっていました。
一歩間違えたら乗れなかったのかと思うと怖過ぎる。


無事に本島に戻ってきたので昼食にします。
Auckland最後の食事はまさかの麻婆豆腐。
これには理由があって、学会で地元民に
「Aucklandの名物料理って何なの?」
と訊いたら、
「良い質問だね…(=答えに困る質問の意)
Aucklandは移民の町だから、世界中の料理があるよ。
中華料理とかインド料理とか」
と答えられてしまったのです。
どっちも日本にあるんですが…
ただ、一応少しでも異国感を演出しようと
日本にもある日本式中華料理(中国料理)や
最近増えてきた本格的中華料理ではなく、
敢えての「韓国式」中華料理を選んでみました。
微塵切りになったパプリカやニンジンが入っていたり、
豆板醤だけでなくコチュジャンも使われていたりします。
ぶっちゃけ、ニュージーランドで食べた料理の中で一番美味しい。

昼食を終えたらAucklandの中央広場である
Aotea Square(アオテア広場)へ…


って、何かメッチャデモしてるー!
ほぼ地球の裏側みたいなニュージーランドでも
パレスチナ紛争のデモをやっているのか…
ニュージーランドの治安と注目度からして危険性は低いと思いますが、
如何にも暴動やテロの起こりそうな話題なので撤退します。


Auckland Public Library(オークランド公共図書館)に避難。
最大都市の中央図書館にしては小さい。


中はカラフルで直線的なデザインです。
直線的云々についてはIthra(イスラ、2023/8/17)が
曲線的過ぎて僕の中の較正が狂っているのかも知れませんが。


移民の国ニュージーランドならではのコーナーとして
Children's Community Languages(子供達のコミュニティ言語)
というものがありました。
祖国の言葉を忘れないようにという配慮でしょうか。
特に東アジアの日中韓が大きなスペースを締めています。
中国はともかくとして、日韓の移民も多いんですね。


上の階に上がるとThe Tramway that made Takapuna
(タカプナを作った路面電車)という企画展をやっていました。
こんな僕を狙い撃ちにしたような企画展ある?


Takapuna(タカプナ)は昨日行ったDevonportの
更に奥の方にあるビーチリゾート兼高級住宅街で、
アクセス手段としてDowntownからの渡船
及び船着場からの路面電車と併せて不動産開発が行われました。


これが当時の路面電車。
風の強いAucklandでこんなに開けっ広げな構造なのか…
これを蒸気機関車で牽いたそうです。


これが当時のTakapuna発の時刻表。
始発が6:30発、終便が22:55発で
凡そ1時間に1本程度の運行頻度だったようです。
残っていたら面白そうだったのにな…


思いがけず鉄オタ要素も補給出来たところで
そろそろ空港に向かいます。
デモ隊も移動を始めたな…


20:00発NZ109便に搭乗。


さらば、ニュージーランドよ…!
次はちゃんと1週間くらい休暇を取って旅行で来たいな…


往路では気付いていませんでしたが、
機内エンターテインメントで
ニュージーランド航空の就航地情報を確認出来るんですね。
南太平洋の気になる島国が一杯です。
ここもあそこも行ってみたい…

(以降、豪州東部夏時間UTC+11.0h)


21:26、Kingsford Smith国際空港
(キングスフォード・スミス国際空港)に到着。
今回の出張は「ニュージーランド出張」ではなく
「オセアニア出張」。
実に3回目の来訪となるオーストラリア連邦、
今回はNew South Wales(ニューサウスウェールズ州)の
Sydney(シドニー)です!
これは日本便への乗り継ぎの為…
ではなく、本当にSydneyが目的地です。
Aucklandの国際学会の査読に通った時、上司が
「折角ならSydneyの支社にでも寄ってきたら?」
と打診してくれたのです。
そりゃもう乗る以外の選択肢はありません。

何はともあれ、まずは運賃が高いと評判の空港鉄道で市街へ…


出ようと思ったのですが、
鉄道が工事で運休中だとかで代行バスになりました。
その代わり、運賃は無料でしたが。
正直、もう夜遅いから早く宿に着きたいし、
空港からのアクセスはどうせ会社のお金だし、
順当に鉄道の方が嬉しかったけど…

Central駅(中央駅)で下車してホテルへ。
「シドニー中央駅」と案内する向きもありますが、
豪州の中央たる駅という時点でSydneyになるので
Central Stationが正式名称です。
Aucklandよりも数段都会な感じで、
治安もその分宜しくなさそうです。
と言っても高が知れていますが。
この後はホテルにチェックインして寝落ちしました。