小川君は小学生のころから変わっていて
机の上に乗って全裸で踊ってみたり
生えた毛を女子に見せて自慢したりした
彼は彼の家は祇園でお店をする金持ちで
よく舞妓さんとか芸能人とかが来る
お父さんは冷蔵庫を作る仕事をして単身赴任していた
おばあちゃん子でよく南座に芝居を観に行っていた
家にはカラオケがあり風呂は檜風呂だ
小川君は中学の時に筑波に引っ越してそちらの中学に行った
中学でも小川君の性格は変わらず
先生に保健室を生徒がセックスするのに解放しろといったそうだ
僕らはもう大人の身体だ大人だけずるいとの意見だった
そのころ小川君にはかわった才能が目覚めた
ものを手を使わないで動かせるのだ
初めはスプーン曲げみたいなことだったらしい
小川君はエキセントリックだが優しい少年で
決して不良ではなかったし頭も良かった
そんな彼を慕う子供たちがあつまった
理由があって親と会えない子や事故で両親を亡くした子
その施設の子供たちと小川君は付き合うことになった
施設の子供たちは小川君のその不思議な力とカリスマ性に魅了された
小川君は思ったこの世の中は不公平だ
僕らが世の中にそのことを知らせなければならない
小川君とその仲間はテロを起こした
丁度筑波万博が開催されるまえのころだ
彼等は建物に火炎瓶で火をつけたり
自販機を壊したりしながら
デモ活動をした
我々に自由を学校の不平等を許すなというコンセプトだった
警察は彼らを取り押さえようとしたが
小川君の不思議な力でなかなかうまくいかなかった
しかし数の力で少年たちは負け
次第に人数が減っていった・・・
仕舞に残り人数が少なくなり川の下まで追い込まれた
小川君と数人は諦めた
小川君は自分に火炎瓶で火をつけ自殺する
地方紙にはそのことが小さく載った
小川君の親は小川君の骨を京都の墓に入れ
小学校で仲の良かったぼくらにすこしだけ話をしてくれた