風見鶏つうしん:2009/8開始の太陽光発電を蓄電池付き再エネに変身させてほぼ買電ゼロを実現中の報告です。

15年超稼働中の太陽光発電に蓄電池を導入し「蓄電池付き再エネ」とすることで既築住宅での「ほぼ」買電ゼロ実現を実証中です。

二酸化炭素はすごい分子

2018年03月21日 | スイッチング数推移など

 「二酸化炭素はすごい分子だ。二酸化炭素といえば読者はおそらく、動物が呼気として放出し、植物が吸収する物質であることや、気候変動のいちばんの原因であるとされていることしか知らないだろう。だが、二酸化炭素にはもっと多くの可能性がある。たとえば二酸化炭素によって、電力業界をもう少し環境にやさしいものにできると考えている技術者たちがいるのだ。
そう書くと、二酸化炭素の回収と貯留をひとひねりしたものだと読者は思うだろう。だが、そうではない。熱を電気に変える巨大な装置、タービン発電機のことをいっているのだ。ほとんどの発電所は蒸気タービンを利用している。だが、水を気体(水蒸気)に変えるには大量のエネルギーが必要だ。室温では気体で存在する二酸化炭素なら、そうした問題を避けられる。おまけに、圧縮するのは水と比べてはるかに容易なので、タービンに大量に詰め込むことができる。

『サイエンス』誌に5月26日付けで発表された論文によると、超臨界流体(温度と圧力のバランス上、気体と液体の区別がつかない状態)になった二酸化炭素なら、いまより小型のタービンでもっと多くの電力を生み出せるという。

水を使うのは効率が悪い

米国における電力の3分の2以上は、「ランキンサイクル」と呼ばれる熱サイクルで稼働する蒸気発生器によってつくり出されている。まずは、水をポンプで圧縮してから加熱する。加熱方式は、石炭の燃焼でもいいし、放射性物質の崩壊でもいいし、何千ものミラーで反射させた太陽光でもいい。(略)
 ランキンサイクルは、一世紀以上にわたってうまく機能してきたし、最近までは状況を変える理由が何もなかった。発電費用がかなり安く済み、石炭使用の結果(気候変動)が直ちにはわからなかったからだ。だが、ランキンサイクルは効率が悪い。水を使用することがその主な理由である。(中略) つまり、ランキンサイクルを経る蒸気発生器は、水を沸騰させるための多量のエネルギーを無駄にしているわけだ。

二酸化炭素を使えば、高効率で省スペース
 今回発表された論文で説明されているような二酸化炭素を利用するタービンは、「ブレイトンサイクル」と呼ばれる、液相のプロセスがないサイクルを利用している。
「全体を通して気相を利用するので、結果的にエネルギーの利用効率が向上します」と説明するのは、論文執筆者レヴィ・アーウィンだ。さらに二酸化炭素は、水と比べて圧縮が容易だ。高エネルギー状態になった二酸化炭素を、少ない体積により多量に詰め込むことができる。論文によれば、二酸化炭素に熱と圧力を加えて超臨界状態の二酸化炭素にすると、水蒸気の10倍のペースでエネルギーをタービンに送り込めるという。
 その結果、超臨界二酸化炭素発電システムでは、エネルギーを電力に変える効率が30パーセント高まる、と論文には書かれている。さらに、こうした発電器は小型でシンプルだ。気相だけを扱うので、部品が少なくて済むからである。
 ひとつだけ改良しうる点があるとすればそれは、何らかの方法で大気から集められた二酸化炭素を利用できるとさらにいいという点だ。現在は、閉鎖系に滞留している二酸化炭素に頼っている。 

タービンの温度変化が課題

システムを実現するうえでの障害は何だろうか? それは、タービンが受ける温度変化である。

「高エネルギー状態での大きな温度勾配になり、タービンに機械的ストレスが与えられます」とアーウィンは言う。つまり、亀裂や膨張、変形が起きない金属で二酸化炭素用タービンを製造し、酷使に耐えるのに十分な大きさにすることが必要だ。
 (2017/07/04付けWIRED 「水蒸気の10倍のエネルギーで発電する「超臨界CO2タービン」技術:米研究者が開発」より)

 東芝などが昨年からアメリカで実証実験中の超臨界CO2サイクル火力発電関連の記事がないかと「超臨界CO2サイクル」で検索して見つかった記事です。熱効率が格段に高く、小型で高出力、CO2を排出しないと良いことずくめの火力発電になるかも知れない新しい技術。課題は大きな温度勾配による機械的ストレスに耐え得るタービンが出来るかにあるようですが、現在進行中の実証機でそれがクリア出来る目途が立つ事を期待したいと思います。

 雪の春分の日になりました。12:23撮影 

HIT210(4.2kW)の発電データ 

3月20日(火)雨 
発電量          3.0kWh (AiSEGデータ) 
売電量          0.5kWh 
自給率           33.3% 
設備利用率          3.0%  
日照時間           0.0h 
日照時間当たり発電出力   -.--kW 
連系以来     3141日(8年219日 )


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 身内ノ証言 | トップ | なおみ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

スイッチング数推移など」カテゴリの最新記事