天ぬき、鴨ぬき、とは。
下戸は、蕎麦屋で酒を飲むこともないし、
蕎麦屋の肴を食したことがない。
たまに、玉子焼きや地の漬物でもあれば
注文するくらい。
したがって、酒の肴の良さはわからないので、
語るのはやめにしておく。
蕎麦屋酒の話で肴のなかに、
天ぬき、鴨ぬきというのがでてくる。
天麩羅そば、鴨南蛮そばなどの蕎麦のない
具と汁だけのものだそうだ。
山口瞳(サライ編「蕎麦屋で酒を飲む」によれば、ヌキで飲む達人)の
「酒食生活」
角川春樹事務所
グルメ文庫
2005/2/18 第1刷

に「浅草 並木の藪の鴨なんばん」というエッセイが収録されている。
その一部。
『並木の藪へ行くと、それが冬時分であったら、
まず鴨なんばんのソバ抜きを注文する。これを鴨ヌキという。
春とか秋とかには、天ぷらそばのソバ抜き、つまり天ヌキを頼む。
黙っていても酒が出てくる。「蕎麦屋の酒が一番うまい」のだから仕方がない。
並木の藪は菊正宗の樽酒だ。ツキダシは固く練ったミソ。
鴨ヌキで飲む酒がいい。
スープで酒を飲むのがもっともうまいし、体にもいいと私は信じている。』
というのだ。
酒の肴にどうかといわれても、コメントする資格はないが、
子どもの頃から、うどんやソバのかけの麺を食べ終わったあとで
飲み干す汁の美味さは、なにものにも代えがたいと思っている。
私は、麺を食べる前に飲むすんだ汁の味よりも、
麺を食べ終わった後に飲むにごった汁の味が好きだ。
が、酒には、澄んだスープが合うのかも知れない。
天ヌキ、鴨ヌキといっても、ただ麺を抜くだけではなく、
だしでのばして、吸い物にして出すので、飲みやすく、
「スープの油が胃壁を覆うので悪酔いしない」のだそうだ。
下戸は、蕎麦屋で酒を飲むこともないし、
蕎麦屋の肴を食したことがない。
たまに、玉子焼きや地の漬物でもあれば
注文するくらい。
したがって、酒の肴の良さはわからないので、
語るのはやめにしておく。
蕎麦屋酒の話で肴のなかに、
天ぬき、鴨ぬきというのがでてくる。
天麩羅そば、鴨南蛮そばなどの蕎麦のない
具と汁だけのものだそうだ。
山口瞳(サライ編「蕎麦屋で酒を飲む」によれば、ヌキで飲む達人)の
「酒食生活」
角川春樹事務所
グルメ文庫
2005/2/18 第1刷

に「浅草 並木の藪の鴨なんばん」というエッセイが収録されている。
その一部。
『並木の藪へ行くと、それが冬時分であったら、
まず鴨なんばんのソバ抜きを注文する。これを鴨ヌキという。
春とか秋とかには、天ぷらそばのソバ抜き、つまり天ヌキを頼む。
黙っていても酒が出てくる。「蕎麦屋の酒が一番うまい」のだから仕方がない。
並木の藪は菊正宗の樽酒だ。ツキダシは固く練ったミソ。
鴨ヌキで飲む酒がいい。
スープで酒を飲むのがもっともうまいし、体にもいいと私は信じている。』
というのだ。
酒の肴にどうかといわれても、コメントする資格はないが、
子どもの頃から、うどんやソバのかけの麺を食べ終わったあとで
飲み干す汁の美味さは、なにものにも代えがたいと思っている。
私は、麺を食べる前に飲むすんだ汁の味よりも、
麺を食べ終わった後に飲むにごった汁の味が好きだ。
が、酒には、澄んだスープが合うのかも知れない。
天ヌキ、鴨ヌキといっても、ただ麺を抜くだけではなく、
だしでのばして、吸い物にして出すので、飲みやすく、
「スープの油が胃壁を覆うので悪酔いしない」のだそうだ。