デルタとノースウエスト近く合併合意か…米メディア報道
米航空大手のデルタ航空とノースウエスト航空が近く合併に合意する可能性があると13日、米メディアが報じた。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は15日にも発表すると報じている。合併すれば世界最大の航空会社が誕生する。
両社は2月に合併に向けて最終調整に入ったと報じられた後、双方のパイロット組合の了承が得られず交渉は一時、暗礁に乗り上げた。しかし、燃料価格の上昇による経営環境の悪化に危機感を強めた両社経営陣が交渉を再開していた。
エアバス、日本への航空機売り込みを目指す=親会社CEO
欧州の航空機メーカー、エアバスは、日本への次世代航空機の売り込みを目指す考えを示した。フランスのフィヨン首相に同行して来日した親会社EADS<EAD.PA>のガロワ最高経営責任者(CEO)が語った。
同CEOは「A350型機とA380型機のことだ。どちらも日本の航空会社の関心を引きつけるだろう」と述べた。
日本の航空機市場はボーイング<BA.N>が圧倒的に強く、エアバスの日本におけるシェアはわずか4%にとどまっている。
アメリカン航空、機体整備のため9日の航空便の約半数をキャンセル
AMR<AMR.N>傘下のアメリカン航空は9日、航空機の検査のため、運行便数の半分近い約1100便をキャンセルした。それにより、約10万人の旅客が影響を受けた。
同社は、10日も約900便のキャンセルが見込まれる、としている。
米連邦航空局が定める安全基準を満たすため、MD80型機の配線系統の再整備が必要になったことが理由。
デルタ航空<DAL.N>も9日に同じ理由で20―30便が欠航となった。
JALとANA、ボーイングに対し損害賠償請求を検討=納入延期で
日本航空<9205.T>と全日本空輸<9202.T>は10日、米ボーイング<BA.N>の新型中型機「787型機」納入延期発表を受け、同社に対して損害賠償請求を検討することを明らかにした。広報担当者が述べた。
新型機は炭素繊維複合材を採用し、燃費を大幅に向上させている。納入時期は、当初予定の2009年1―3月期から同7―9月期に遅れる。JALと全日空は近距離路線に採用する計画を立てていた。
広報担当者は、損害賠償額について影響を考慮してから考えるとの方針を示した。
全日空がインド大手と共同運航 マイレージ提携も
全日本空輸とインドの大手航空会社、ジェットエアウェイズは7日、5月21日からコードシェア(共同運航)とマイレージ提携を始めると発表した。日本とインドの航空会社間で共同運航やマイレージ提携を行うのは初めてという。
全日空が運航する成田-ムンバイ線にジェットエアウェイズの便名を付け、相互にチケットを販売するほか、互いの航空会社を利用した場合に自社のマイルに積算できるようにする。
全日空は昨年9月から全36席がビジネスクラスの「ANA Business Jet」で成田-ムンバイ線の運航を開始。今月12日からは毎日1便運航する予定。
ジェットエアウェイズはインド国内各都市に加え、ニューヨークやロンドンなど海外59都市を含め1日370便を運航している。
格安航空に参入するANAが日本を“パッシング”するとき
シンガポール発バンコク行き730円、クアラルンプール行き660円。そんなタダ同然の航空券を販売する格安航空会社(LCC)に、全日本空輸(ANA)が勝負を仕掛ける。
この4月、香港に「アジア戦略室」を開設し、今年度内をメドにLCC設立を目指すのだ。「成田、羽田の滑走路が2010年に拡張されるのを機にLCCが日本に本格進出することを想定し、これに対抗するためだ」と山元峯生社長は言う。
冒頭の激安チケットは、アジア系LCCで最も勢いのあるマレーシアのエアアジアが客引き広告用に販売しているものだが、通常価格も大手航空会社の運賃と比べて、5割、6割引きが当たり前だ。
低コスト体制が実現できるのは、(1)安いコストの乗員採用による人件費抑制、(2)機種を統一して整備コストを低くし、機材回転率も高めることで機材・燃油費を抑制、(3)機内サービスの有料化や航空券のインターネット直接販売によって営業・販売費を圧縮、(4)使用料の安い空港を利用、という4つが揃っているため。大手航空会社と比べ、なんと3分の1のコストで運航しているのだ。
ANAの既存組織では、日本人を中心とした高い人件費、国内空港の高い利用料がネックとなる。そこで海外航空会社との合弁設立、あるいは経営を主導できるLCCへの出資を選択する方向で交渉を進めている。
「半年内をメドに固めたい」とANA幹部。海外航空会社と手を組んでLCCの海外拠点を持てば、日本発着にこだわらず、アジア市場での需要に応じて路線を広げることになる。
一方、国土交通省は羽田の国際化に依然、腰が重く、LCCに就航の余地が与えられるかは不透明。日本の空の開放が十分に進まなければ、日系勢までもが日本の上空を“パッシング”してアジアを駆け巡る時代が訪れることになる。
JAL訓練トラブル 安全対策で労使協力
新千歳、小松空港でのトラブルを受けて中止していた運航便での訓練を、日本航空(JAL)が1カ月ぶりに再開した。初めてパイロットらの労組も参加した組織を立ち上げ、マニュアルの見直しなど再発防止策をまとめた。これまで労働条件をめぐり対立することが多かった同社の労使が協力、今後も安全対策を協議していく。一方、トラブルは日航だけではない。滑走路誤進入や無許可着陸は昨年から各地の空港で相次いでいる。国土交通省は航空会社の意見を聞きながら具体策の検討を始めている。
▼現場主義
日航は「運航安全ワーキンググループ(WG)」でトラブルの再発防止策を検討してきた。日航機長組合▽日航乗員組合▽日航先任航空機関士組合▽日航ジャパン乗員組合-の4労組が参加し、パイロット約1700人から問題点の聞き取り調査も行った。
WGについて、田村千裕運航副本部長は「現場の声が早く上がってくると判断した」と説明。今後も協議を続ける方針だ。
組合側は「これまでも安全運航については提言してきたが今回、初めて会社側が対応した」。会社幹部からも「協議に緊張感がある」と評価する声があがった。
WGで浮かび上がったのは運航訓練の問題点。両空港のトラブルは社内資格訓練や機長昇格訓練の最中に起きた。訓練中は、技量評価のため教官となる機長が訓練生にミスを指摘するタイミングを遅らせたり、訓練生が疑問点をただすことをためらったりすることが判明。改善策として、悪天候時の訓練を制限し、副操縦士候補者の訓練では、同乗する副操縦士を6カ月以上の経験者に限定することを新たに規定する。
WGの中心となった田村副本部長はジャンボ機の現役機長から1日付で執行役員に転身。現場の乗務員との“パイプ役”に徹する。「乗務はできなくなるが、安全対策は重要。責任は重い」と決意を示す。
▼ハイテク
国交省も具体策の検討を始めた。これまでのトラブルの原因とみられる管制官とパイロットのコミュニケーション不足については、航空会社もメンバーに入れた対策推進チームを新設して具体策を検討していく方針。用語のルール化、マニュアル作成も進めていく。
空港整備のハイテク化も進める。音声だけの無線交信のやり取りを補完する視覚的なシステムの整備が有効とみられるからだ。
中心となるのが管制官が一目で滑走路の状況を把握できる「マルチラテレーションシステム」。航空機が発信する電波情報を活用。航空機の位置や動きだけでなく便名、機種を管制官の画面に表示でき、天候や障害物に影響されやすいレーダーの弱点を克服できる。誤進入した機体を赤く表示することも可能という。羽田、成田空港で21年度の運用開始が見込まれる。
パイロットに対して離陸開始や滑走路進入を制止する合図となる“赤信号”も21年度以降の整備を検討する。滑走路や誘導路のセンターラインの灯火に赤色点滅灯を設置する「滑走路状態表示灯システム」で、滑走路上に離着陸機がある場合や着陸機が接近している場合に自動的に点灯するシステム。米ダラス空港などで試験運用されており、国交省は有効な対策と判断している。
米航空大手のデルタ航空とノースウエスト航空が近く合併に合意する可能性があると13日、米メディアが報じた。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は15日にも発表すると報じている。合併すれば世界最大の航空会社が誕生する。
両社は2月に合併に向けて最終調整に入ったと報じられた後、双方のパイロット組合の了承が得られず交渉は一時、暗礁に乗り上げた。しかし、燃料価格の上昇による経営環境の悪化に危機感を強めた両社経営陣が交渉を再開していた。
エアバス、日本への航空機売り込みを目指す=親会社CEO
欧州の航空機メーカー、エアバスは、日本への次世代航空機の売り込みを目指す考えを示した。フランスのフィヨン首相に同行して来日した親会社EADS<EAD.PA>のガロワ最高経営責任者(CEO)が語った。
同CEOは「A350型機とA380型機のことだ。どちらも日本の航空会社の関心を引きつけるだろう」と述べた。
日本の航空機市場はボーイング<BA.N>が圧倒的に強く、エアバスの日本におけるシェアはわずか4%にとどまっている。
アメリカン航空、機体整備のため9日の航空便の約半数をキャンセル
AMR<AMR.N>傘下のアメリカン航空は9日、航空機の検査のため、運行便数の半分近い約1100便をキャンセルした。それにより、約10万人の旅客が影響を受けた。
同社は、10日も約900便のキャンセルが見込まれる、としている。
米連邦航空局が定める安全基準を満たすため、MD80型機の配線系統の再整備が必要になったことが理由。
デルタ航空<DAL.N>も9日に同じ理由で20―30便が欠航となった。
JALとANA、ボーイングに対し損害賠償請求を検討=納入延期で
日本航空<9205.T>と全日本空輸<9202.T>は10日、米ボーイング<BA.N>の新型中型機「787型機」納入延期発表を受け、同社に対して損害賠償請求を検討することを明らかにした。広報担当者が述べた。
新型機は炭素繊維複合材を採用し、燃費を大幅に向上させている。納入時期は、当初予定の2009年1―3月期から同7―9月期に遅れる。JALと全日空は近距離路線に採用する計画を立てていた。
広報担当者は、損害賠償額について影響を考慮してから考えるとの方針を示した。
全日空がインド大手と共同運航 マイレージ提携も
全日本空輸とインドの大手航空会社、ジェットエアウェイズは7日、5月21日からコードシェア(共同運航)とマイレージ提携を始めると発表した。日本とインドの航空会社間で共同運航やマイレージ提携を行うのは初めてという。
全日空が運航する成田-ムンバイ線にジェットエアウェイズの便名を付け、相互にチケットを販売するほか、互いの航空会社を利用した場合に自社のマイルに積算できるようにする。
全日空は昨年9月から全36席がビジネスクラスの「ANA Business Jet」で成田-ムンバイ線の運航を開始。今月12日からは毎日1便運航する予定。
ジェットエアウェイズはインド国内各都市に加え、ニューヨークやロンドンなど海外59都市を含め1日370便を運航している。
格安航空に参入するANAが日本を“パッシング”するとき
シンガポール発バンコク行き730円、クアラルンプール行き660円。そんなタダ同然の航空券を販売する格安航空会社(LCC)に、全日本空輸(ANA)が勝負を仕掛ける。
この4月、香港に「アジア戦略室」を開設し、今年度内をメドにLCC設立を目指すのだ。「成田、羽田の滑走路が2010年に拡張されるのを機にLCCが日本に本格進出することを想定し、これに対抗するためだ」と山元峯生社長は言う。
冒頭の激安チケットは、アジア系LCCで最も勢いのあるマレーシアのエアアジアが客引き広告用に販売しているものだが、通常価格も大手航空会社の運賃と比べて、5割、6割引きが当たり前だ。
低コスト体制が実現できるのは、(1)安いコストの乗員採用による人件費抑制、(2)機種を統一して整備コストを低くし、機材回転率も高めることで機材・燃油費を抑制、(3)機内サービスの有料化や航空券のインターネット直接販売によって営業・販売費を圧縮、(4)使用料の安い空港を利用、という4つが揃っているため。大手航空会社と比べ、なんと3分の1のコストで運航しているのだ。
ANAの既存組織では、日本人を中心とした高い人件費、国内空港の高い利用料がネックとなる。そこで海外航空会社との合弁設立、あるいは経営を主導できるLCCへの出資を選択する方向で交渉を進めている。
「半年内をメドに固めたい」とANA幹部。海外航空会社と手を組んでLCCの海外拠点を持てば、日本発着にこだわらず、アジア市場での需要に応じて路線を広げることになる。
一方、国土交通省は羽田の国際化に依然、腰が重く、LCCに就航の余地が与えられるかは不透明。日本の空の開放が十分に進まなければ、日系勢までもが日本の上空を“パッシング”してアジアを駆け巡る時代が訪れることになる。
JAL訓練トラブル 安全対策で労使協力
新千歳、小松空港でのトラブルを受けて中止していた運航便での訓練を、日本航空(JAL)が1カ月ぶりに再開した。初めてパイロットらの労組も参加した組織を立ち上げ、マニュアルの見直しなど再発防止策をまとめた。これまで労働条件をめぐり対立することが多かった同社の労使が協力、今後も安全対策を協議していく。一方、トラブルは日航だけではない。滑走路誤進入や無許可着陸は昨年から各地の空港で相次いでいる。国土交通省は航空会社の意見を聞きながら具体策の検討を始めている。
▼現場主義
日航は「運航安全ワーキンググループ(WG)」でトラブルの再発防止策を検討してきた。日航機長組合▽日航乗員組合▽日航先任航空機関士組合▽日航ジャパン乗員組合-の4労組が参加し、パイロット約1700人から問題点の聞き取り調査も行った。
WGについて、田村千裕運航副本部長は「現場の声が早く上がってくると判断した」と説明。今後も協議を続ける方針だ。
組合側は「これまでも安全運航については提言してきたが今回、初めて会社側が対応した」。会社幹部からも「協議に緊張感がある」と評価する声があがった。
WGで浮かび上がったのは運航訓練の問題点。両空港のトラブルは社内資格訓練や機長昇格訓練の最中に起きた。訓練中は、技量評価のため教官となる機長が訓練生にミスを指摘するタイミングを遅らせたり、訓練生が疑問点をただすことをためらったりすることが判明。改善策として、悪天候時の訓練を制限し、副操縦士候補者の訓練では、同乗する副操縦士を6カ月以上の経験者に限定することを新たに規定する。
WGの中心となった田村副本部長はジャンボ機の現役機長から1日付で執行役員に転身。現場の乗務員との“パイプ役”に徹する。「乗務はできなくなるが、安全対策は重要。責任は重い」と決意を示す。
▼ハイテク
国交省も具体策の検討を始めた。これまでのトラブルの原因とみられる管制官とパイロットのコミュニケーション不足については、航空会社もメンバーに入れた対策推進チームを新設して具体策を検討していく方針。用語のルール化、マニュアル作成も進めていく。
空港整備のハイテク化も進める。音声だけの無線交信のやり取りを補完する視覚的なシステムの整備が有効とみられるからだ。
中心となるのが管制官が一目で滑走路の状況を把握できる「マルチラテレーションシステム」。航空機が発信する電波情報を活用。航空機の位置や動きだけでなく便名、機種を管制官の画面に表示でき、天候や障害物に影響されやすいレーダーの弱点を克服できる。誤進入した機体を赤く表示することも可能という。羽田、成田空港で21年度の運用開始が見込まれる。
パイロットに対して離陸開始や滑走路進入を制止する合図となる“赤信号”も21年度以降の整備を検討する。滑走路や誘導路のセンターラインの灯火に赤色点滅灯を設置する「滑走路状態表示灯システム」で、滑走路上に離着陸機がある場合や着陸機が接近している場合に自動的に点灯するシステム。米ダラス空港などで試験運用されており、国交省は有効な対策と判断している。