乱気流 43人重軽傷 着陸待機中のNW機
20日午前11時50分ごろ、成田国際空港の南東約70キロの千葉県銚子市沖高度4600メートルを飛行中だったマニラ発成田行き米ノースウエスト航空2便(ボーイング747-400型機、乗員14人、乗客408人)が乱気流に巻き込まれた。約20分後に成田空港に着陸したが、乗客ら9人が手や足を骨折するなど重傷、34人が軽傷。2便は着陸まで管制塔や国土交通省に事故の発生を連絡しておらず、同省運輸安全委員会は事故対応が適切だったかどうかを含め調査する。
ノースウエスト航空によると、2便は午前8時47分にマニラ国際空港を離陸。事故当時は成田空港の周辺上空で着陸待機中だった。気流の状況から揺れが予想されたため、シートベルトの着用サインを点灯させた直後、機体が激しく上下に揺れたという。
乗客の多くはフィリピン人で、ベルト着用が間に合わなかった人が座席から投げ出され、天井や座席に体をぶつけるなどして負傷したとみられる。
成田空港周辺は正午前に南風から北風に変わったため、滑走路への進入方向を北から南に変更した。準備が整うまでの間、2便を含む数機が上空で旋回しながら着陸許可を待っていた。気象庁によると、事故当時、低気圧が茨城県沖の太平洋上にあり、千葉県上空を寒冷前線が通過していた。これに伴い積乱雲が発達し、気流の状態が不安定だった。千葉県北東部には事故当時、暴風・波浪警報が発令されていた。【倉田陶子、町田徳丈】
◇事故、着陸後に報告 負傷者搬送まで2時間
国土交通省成田空港事務所によると、2便が事故を成田空港会社に報告したのは、午後0時19分に成田空港に通常着陸してからだった。飛行中は管制塔に事故を告げておらず、緊急着陸の要請もしなかった。消防への不適切な通報も重なり、機内で約2時間も待たされた負傷者がいた。
航空法によると、航空機で人が死傷した場合、機長は国交相に報告する義務がある。
ノースウエスト航空によると、2便は同社に対しては事故直後に一報を入れた。同社はこれを受け119番通報。成田市消防本部によると、通報時間は午後0時11分で、内容は「機内で頭を打って首が痛いと言っている人がいる」だった。この時、負傷者数は「1人」との連絡だったため、空港分署から救急車1台を出動させた。
ところが、機内には多数の負傷者がおり、結局、救急車15台が出動した。ノースウエスト航空の田中弘子・太平洋地区広報部長は「機長は着陸前に2回、社内無線で負傷者発生を連絡した。管制に知らせなかったのは着陸動作に専念していたためではないか」と話している。
<乱気流>NW機事故で聞き取り調査 乗客や機長らに安全委
マニラ発成田行き米ノースウエスト航空機(ボーイング747-400型機、乗員14人、乗客408人)が千葉県沖で乱気流に巻き込まれ、乗客ら43人が負傷した事故で、国土交通省運輸安全委員会は21日、乗客や機長ら乗務員に対する聞き取り調査を始めた。
成田国際空港に派遣されている運輸安全委の調査官3人が午前中、成田市内などの病院を回り、入院している乗客に当時の状況について聴取。午後からは国交省成田空港事務所に乗務員を呼び、事故発生前後の状況や地上への救助要請の経緯について詳しい状況を聴く。
同省成田空港事務所などによると、乱気流に巻き込まれた際、同機は銚子沖の待機経路を飛行中で、シートベルト着用サインの点灯直後に機体が揺れたため、歩行中の乗客が多数負傷した。同機からは優先的に着陸できる緊急事態(エマージェンシー)の通報はなく、成田市消防本部への最初の救急要請も「負傷者は1人」との内容だったため、結果的に搬送が遅れた。
乱気流事故 機長ら判断ミス 通報遅れ混乱に拍車
優先的に着陸できる緊急事態(エマージェンシー)を宣言せず、通報は「けがは1人」-。20日正午前、千葉県銚子沖の上空で起きたノースウエスト航空の乱気流事故。機長やスタッフの判断ミスが相次ぎ、混乱に拍車をかけた。運輸安全委員会は搬送の遅れにつながったこれらの事態を重視し、調査官3人を現地に派遣。千葉県警は機長や乗員らから詳しい事情を聴く方針。
千葉県成田市消防本部に事故の一報が入ったのは着陸8分前の午後0時11分。ノース社の女性スタッフから「乗客1人が頭を打って首が痛いと言っている」と119番があり、現場近くの消防分署から救急車1台が出動。午後0時33分に現場に到着、同41分に機内で複数の負傷者を確認したという。
事態を重く見た現場隊員から消防本部に連絡があり、成田国際空港会社(NAA)にも大型の救急バスの応援を求めたという。
午後1時59分になって周辺の消防本部にも応援要請が行われ、消防車、救急車合わせて17台が出動、約50人が救急活動に当たったという。救急搬送は午後4時ごろまでかかった。
同消防本部の幹部は「確たる情報がない状態で、周辺消防に声をかけるわけにはいなかった。航空機事故では負傷者が増えることも想定して動くが、今回の現場は想定以上だった」と話している。
さらに国土交通省の調べで、機長が乱気流に巻き込まれたことを到着先の成田空港の管制官に連絡せず、エマージェンシーを宣言しないまま通常の手順で着陸していたことも判明した。
エマージェンシーは(1)機体のトラブル(2)重病人の発生(3)燃料不足-などの際、管制官に宣言すると近隣の空港に優先的に着陸することができる。
今回のようなケースではエマージェンシーを宣言するのが通常だが、宣言は機長の判断に委ねられているため、宣言しなくても法令や規則に違反しない。
しかし、エマージェンシーを宣言しなかった上、負傷者多数にもかかわらず「けがは1人」と通報したことが搬送の遅れにつながっており、航空会社の対応が問題となりそうだ。
成田空港事務所などによると、乱気流に巻き込まれたのは午前11時50分ごろとみられ、銚子沖には午前11時ごろから低気圧通過に伴う積乱雲が発生、周辺の航空機はこれを避けて運航する状況だった。
■「4回上下、怖かった」
機内アナウンスのすぐ後に大きな上下の揺れが4回。客室に叫び声が次々と上がり、浮き上がった乗客が天井に激しく頭を打ち付けた。
事故機の確認作業のため機内に入った運輸安全委員会の調査官によると、何かが天井にぶつかったへこみがあるほか、搭乗者や荷物などの重いものが当たって座席のひじ掛けが数カ所でひしゃげるなど、乱気流の激しさを示す証拠がみられたという。
事故機の到着後、タラップで降りてきた乗客も、一様におびえた表情を見せていた。車いすに乗せられて授乳するアジア系女性の姿もあった。
ロサンゼルスからマニラ経由で初来日し乗り合わせた米国人男性、ビンセント・サラザールさん(55)によると、「全員座席にお着きください」と促すアナウンスが流れたのは揺れのわずか10秒ほど前。着席できず頭を天井にぶつけたり、床や座席にたたきつけられる人がいた。
救急車に運び込まれた米国在住のフィリピン人男性(55)は「4回上下して、悲鳴が上がった。とても怖かった」と声を震わせ、フィリピン人の女性は「みんな怖がっていて機内はパニック状態だった」と振り返った。
調査官は21日以降、乗員から事情聴取するなどして原因解明を進める。
乱気流 「ドクター、ドクター」機内に響く悲鳴
いきなり機体が激しく上下し、乗客は天井や床に体をぶつけた。43人が重軽傷を負った米ノースウエスト航空機の乱気流事故。機内から運び出された負傷者らは、痛みと恐怖に顔をひきつらせた。【柳澤一男、駒木智一】
「シートベルトをしていなかった乗客が飛ばされた。血を流している人もいて『ドクター、ドクター』と医師を呼ぶ声がしていた」。事故機に乗っていた米国人の男性会社員(27)は、千葉県富里市の日吉台病院で、機内の様子を語った。
事故当時、機体は着陸に向け降下し始めており、ベルト着用サインは点灯していた。眠っている乗客が多かったという。機長が天候と高度のアナウンスをしている時、突然大きく揺れた。「安定したフライト中の出来事だった。大きく落ちた感じがした」という。さらに20秒ほど揺れ続けた後、ベルト着用を促す機長のアナウンスがあった。
揺れの際、トイレにいたという米国人女性(26)は、頭に軽傷。「いきなりドンという衝撃があった。泣き叫ぶ乗客もいた」と話した。家族3人でフィリピンを訪問した帰路という米国人男性(48)は首をねんざ。妻(27)と息子(0)も頭を打った。首にコルセットを巻いた男性は「何が起きたのか分からず、乗客はおびえていた。首がとても痛い」と苦痛の表情を浮かべた。
日本航空の機長(62)は「乱気流による事故を防ぐには、車のように常にシートベルトをしているしかない」と話す。日本の航空会社の場合、ベルト着用サインを出すと乗員が「座席に戻ってシートベルトをお締めください」とアナウンスし、徹底を図っている。
一方、国土交通省運輸安全委員会の調査官3人は事故機の内部を調査した。小松了・航空事故調査官は「天井に何かがぶつかったような痕跡や、ひじかけがへこんだ跡があった」と話した。
<トランスオーシャン機>着陸時に黒煙 神戸空港一時閉鎖
20日午後5時50分ごろ沖縄発神戸行き日本トランスオーシャン航空320便(ボーイング767-300型)が神戸空港に着陸した際、左翼エンジン付近から黒煙が出た。左翼エンジンカバーの一部が滑走路上に散乱しており、同空港は同6時過ぎから約35分間、滑走路を閉鎖した。320便の運航に支障はなく乗員乗客計254人にけがはなかったが、神戸発羽田行き1便の出発が35分遅れた。
<日本航空>燃料サーチャージを最大92%引き下げへ
日本航空は20日、国際線運賃に燃料価格上昇分を上乗せする特別付加運賃(サーチャージ)を4~6月期に最大92%引き下げると発表した。片道でブラジル線が6500円(現行2万6000円)、欧米線3500円(同2万2000円)、中国・台湾・香港線500円(同6000円)などになる
<中部国際空港>新社長に川上氏…トヨタ、起用固める
トヨタ自動車は19日、トヨタに復帰する見通しの中部国際空港(愛知県常滑市)の稲葉良※社長(62)=※は目へんに見=の後任に、トヨタ出身でグループの総合商社、豊田通商の川上博副社長(59)を充てる人事を固めた。6月に就任予定。稲葉社長らが20日、記者会見する。同空港会社は初代の平野幸久会長から3代続けてトヨタ出身者が社長に就くことになる。
トヨタは今年度の最終赤字が確実。北米事業の立て直しが急務で、99年から4年間米国トヨタ販売社長を務め、豊富な人脈と経験を持つ稲葉氏を呼び戻すことにした。
中部空港も今年度、開港後初めて最終赤字に転落する。トヨタは後任を中部財界が出すことを望んだが、財界には空港事業を強力に支援できる事業規模と人材を抱えるトヨタの出身者を推す声が強く、グループ内で人選を進めてきた。
川上氏は08年6月にトヨタ専務から豊田通商副社長に転じた。98年1月に米国トヨタ販売に出向し、復帰後は米州営業部長も務めるなど国際経験が豊かで、トヨタ首脳らは国際線の撤退が進む中部空港の立て直しに適任と判断したとみられる。【鈴木泰広、中井正裕、米川直己】
【略歴】川上博氏(かわかみ・ひろし)京都大卒。72年トヨタ自動車販売(現トヨタ自動車)。常務役員、専務などを経て08年6月から豊田通商副社長。大阪府出身。
海自ヘリとセスナ機がニアミス
17日正午すぎに鹿児島県鹿屋市の海上自衛隊鹿屋飛行場付近の上空で、訓練飛行中の海自ヘリコプターと、新日本航空(鹿児島市)所属のセスナ機が異常接近したと国土交通省が18日、発表した。
同省によると、17日午後12時半ごろ、教官(機長)と学生の2人で訓練中の海自OH6Dヘリが同飛行場から北北東約13キロ、高度約760メートルの管制圏外の上空で上昇飛行中、左上空後方から接近するセスナ機を発見し、右降下旋回で回避した。最接近時の水平距離は約180メートル、高度差は30メートルだったという。
空港着陸料 実質引き下げへ
航空業界に対する公的支援策として、国土交通省が空港の着陸料や管制使用料を、運用面の緩和で実質的に引き下げる方向で検討していることが17日、分かった。着陸料や使用料の算定基準として航空機ごとに登録されている「最大離陸重量」について、航空各社から申請を受け付け、運航上の安全性が確認されれば引き下げ、負担を軽減する考えだ。
最大離陸重量は、航空機が離陸できる総重量の最大値として航空会社が国交省に申請し、機種ごとに登録している数値。機体や燃料、旅客、貨物などの重量を加算。着陸料や使用料はこの最大離陸重量に、国交省が定めた単価を掛け合わせて算出する。しかし、実際に運航する航空機は積載物などの重量が最大離陸重量を下回っているケースが大半。特に航空需要が低下し旅客が減る中でその傾向が顕著なため、従来の算出基準では「負担が過大」との指摘も出ている。
このため国交省は、これまで原則認めてこなかった同重量の引き下げを認める方針。航空会社から申請を受け付け、一定のルールの下に安全性が確保されると認められれば引き下げることとする。同省によると、2008年度予算ベースで着陸料等収入は約869億円、管制使用料を示す航行援助施設利用料は1303億円。合わせた国の収入は2172億円で、大半を日本航空と全日本空輸が支払っている。
<乗務中写真撮影>機長ら7人を処分
航空会社「エアーニッポンネットワーク」の米国人機長(31)が乗務中に写真撮影をしていた問題で、同社は16日、機長を出勤停止90日間、川内秀光社長を役員報酬減額30%・1カ月などとする計7人の処分を発表した。再発防止策として乗務員への対面での指導やポスターを使って注意喚起する。
機長は08年12月6日、高知発伊丹行きなど計3便で、離陸直前と着陸進入時などにデジタルカメラで滑走路などを撮影した。
日航系も携帯撮影対策=客室乗務員の処分は公表せず
日本航空グループのジャルウェイズのタイ人女性客室乗務員が、航空法に違反し携帯電話で機外を撮影していた問題で、同社は16日、改めて客室乗務員全員に法令や社内規定の順守を徹底するなど、再発防止策を国土交通省に報告した。
同社はこの客室乗務員を近く厳正に処分する方針だが、処分内容については「客室乗務員はパイロットのように国家資格を伴う職種ではなく、国への報告義務もないので、処分後も公表できない」としている。
<全日空>サーチャージ大幅減額 全体で89%の値下げ率
全日本空輸は16日、国際線運賃に燃料価格上昇分を上乗せする特別付加運賃(サーチャージ)を4~6月期に大幅に引き下げると発表した。最も高い欧米線が片道で現行の2万2000円から3500円に下がり、全体では89%の値下げ率(加重平均)になる。
基準になる08年11月~今年1月のジェット燃料の国際価格が、平均1バレル=64.22ドルと08年8~10月の110ドル台から急落したため。他の路線は、片道でハワイ・インド線2000円(現行1万4500円)、タイ・シンガポール・マレーシア線1500円(同1万2500円)、韓国線200円(同2500円)などになる。
従来の計算方法なら欧米線5000円、ハワイ・インド線3000円などだったが、需要を喚起するため下げ幅をさらに拡大した。日本航空も近く、ほぼ同水準への値下げを発表する見込み。
全日空機、「火災」トラブルでUターン 成田
16日午前10時10分ごろ、成田空港を離陸直後の成田発中国広州行きの全日空923便「ボーイング767-300型旅客機」(乗客乗員102人)の機長が、コックピット内の計器にエンジンの火災を知らせる表示と警報ベルが鳴ったのに気付いた。同機は約20分後、点検のため成田空港に引き返した。乗客乗員にけがはなかった。
全日空が機体を調べたところ、2つのエンジンのうち、右翼側のエンジン内に直径約20センチ大の焦げ跡が見つかった。同社が、計器の異常表示との関連などを詳しく調べている。
鳥衝突 夜間に3分の1発生、羽田空港の発着増で懸念も
米USエアウェイズ機が1月、ハドソン川に不時着水した事故を受け、国土交通省は、国内で起きた航空機への鳥衝突(バードストライク)の分析結果をまとめた。発生件数は日中が多いが、便数の少ない夜間も3分の1あった。有識者らで作る鳥衝突防止対策検討会は、夜間対策に積極的に乗り出すよう国交省に求める方針だ。
国交省によると、過去5年間に全国で起きた鳥衝突の発生件数は▽04年972件▽05年1108件▽06年1232件▽07年1320件▽08年1159件。
08年の衝突時間帯は、日中が684件(59%)で、夜間(日没以降)は394件(34%)、その他は夕暮れや夜明け時だった。また衝突場所の分析では、進入・着陸時が667件(58%)、離陸・上昇時が342件(30%)で、空港周辺での被害がほとんどだった。
羽田空港では04年以降、発生数は約100~約170件だが、夜間の割合は増加傾向にある。だがその理由は分からないという。
航空保安協会は日中にバードパトロールを行い、空砲、花火などを使って野鳥を追い払っているが、夜間は鳥の発見が困難なことや、銃器の使用規制があるため、事実上野放しの状態になっている。
羽田空港は10年に新D滑走路の供用を始め、1日当たりの発着が950機(07年)から、最大で約1200機に増える見込みだ。夜間の発着も増えるため、バードストライクの増加が懸念される。
検討会は鳥の追い出しに効果が高いバードパトロールの夜間運用を求めていく。一方、国交省は、鳥の発見、衝突情報をデータベース化して共有するシステムの作成を始めており、今後は大音量を発生して鳥を追い払う装置や米国で試行されているレーダーを使った鳥検知システムなどの導入も検討する。
<日本航空>徳島空港着陸直前、鳥が衝突 折り返し便欠航
15日午前11時40分ごろ、羽田発徳島行き日本航空1433便(エアバスA300-600R型機)が徳島空港に着陸直前、右翼エンジンに鳥が衝突した。乗客にけがはなかった。日本航空は整備のため、折り返しの1434便を欠航とした。
同社によると、着陸直前、操縦士が機体周辺で数羽の鳥を発見。着陸後にエンジンを調べたところ、羽や血痕を確認した。折り返し便の乗客約160人は、JR新神戸駅や伊丹空港へバスで輸送する措置を取った。
全日空貨物、関空に引き返す
12日午前5時50分ごろ、関西空港発香港行き貨物便全日空7983便ボーイング767が、右側エンジンから異常音がしたため、関西空港に引き返した。午前6時15分ごろ着陸し、乗員4人にけがはなかった。国土交通省関西空港事務所によると、異常音はエンジンの失速が原因とみられる。機体に損傷はなく、原因を調べている。
「憧れの制服」別れの春 スカイマーク ポロシャツ乗務へ
スカイマークは、4月にもパイロットや客室乗務員、地上職員の制服を廃止、代わりにポロシャツやウインドブレーカーを支給することを決めた。
国内では例がなく、同社は「コスト削減分をお客さまに還元したい」としているが、制服にあこがれて客室乗務員を目指す女性は多く、ある女子大学生(21)は「制服がないなら受験しない」と否定的。別の航空会社は「制服があるから低賃金でも辞めないでくれる」と明かし、スカイマーク社内からも「さみしい」との声が上がっている。
「格安航空会社の選びかた」の著者、航空写真家のチャーリィ古庄さんによると、米サウスウエスト航空やスイスの航空会社など、海外では客室乗務員がポロシャツを着用している会社も多いという。
航空法に乗務員の服装に関する規定はないが、国土交通省は「緊急脱出時などに乗客と区別がつくよう、分かりやすい衣服を着ることが必要」としている。
チャーリィさんは「スカイマークのおかげで日本の航空運賃は安くなってきた。さらなる引き下げにつながるなら歓迎だ」と評価しながら「(テロ防止など)保安上の理由からパイロットは制服の方がいい」と注文をつけた。
デザインは未定だが、同社のシンボルカラーである黄色が取り入れられる見通し。文化女子大の伊賀憲子教授(服装心理学)は「黄色は楽しさと同時に不安定な印象を与える。日本人の持っているイメージでは、青や紺を基調にした方がいいのではないか」と話す。
20日午前11時50分ごろ、成田国際空港の南東約70キロの千葉県銚子市沖高度4600メートルを飛行中だったマニラ発成田行き米ノースウエスト航空2便(ボーイング747-400型機、乗員14人、乗客408人)が乱気流に巻き込まれた。約20分後に成田空港に着陸したが、乗客ら9人が手や足を骨折するなど重傷、34人が軽傷。2便は着陸まで管制塔や国土交通省に事故の発生を連絡しておらず、同省運輸安全委員会は事故対応が適切だったかどうかを含め調査する。
ノースウエスト航空によると、2便は午前8時47分にマニラ国際空港を離陸。事故当時は成田空港の周辺上空で着陸待機中だった。気流の状況から揺れが予想されたため、シートベルトの着用サインを点灯させた直後、機体が激しく上下に揺れたという。
乗客の多くはフィリピン人で、ベルト着用が間に合わなかった人が座席から投げ出され、天井や座席に体をぶつけるなどして負傷したとみられる。
成田空港周辺は正午前に南風から北風に変わったため、滑走路への進入方向を北から南に変更した。準備が整うまでの間、2便を含む数機が上空で旋回しながら着陸許可を待っていた。気象庁によると、事故当時、低気圧が茨城県沖の太平洋上にあり、千葉県上空を寒冷前線が通過していた。これに伴い積乱雲が発達し、気流の状態が不安定だった。千葉県北東部には事故当時、暴風・波浪警報が発令されていた。【倉田陶子、町田徳丈】
◇事故、着陸後に報告 負傷者搬送まで2時間
国土交通省成田空港事務所によると、2便が事故を成田空港会社に報告したのは、午後0時19分に成田空港に通常着陸してからだった。飛行中は管制塔に事故を告げておらず、緊急着陸の要請もしなかった。消防への不適切な通報も重なり、機内で約2時間も待たされた負傷者がいた。
航空法によると、航空機で人が死傷した場合、機長は国交相に報告する義務がある。
ノースウエスト航空によると、2便は同社に対しては事故直後に一報を入れた。同社はこれを受け119番通報。成田市消防本部によると、通報時間は午後0時11分で、内容は「機内で頭を打って首が痛いと言っている人がいる」だった。この時、負傷者数は「1人」との連絡だったため、空港分署から救急車1台を出動させた。
ところが、機内には多数の負傷者がおり、結局、救急車15台が出動した。ノースウエスト航空の田中弘子・太平洋地区広報部長は「機長は着陸前に2回、社内無線で負傷者発生を連絡した。管制に知らせなかったのは着陸動作に専念していたためではないか」と話している。
<乱気流>NW機事故で聞き取り調査 乗客や機長らに安全委
マニラ発成田行き米ノースウエスト航空機(ボーイング747-400型機、乗員14人、乗客408人)が千葉県沖で乱気流に巻き込まれ、乗客ら43人が負傷した事故で、国土交通省運輸安全委員会は21日、乗客や機長ら乗務員に対する聞き取り調査を始めた。
成田国際空港に派遣されている運輸安全委の調査官3人が午前中、成田市内などの病院を回り、入院している乗客に当時の状況について聴取。午後からは国交省成田空港事務所に乗務員を呼び、事故発生前後の状況や地上への救助要請の経緯について詳しい状況を聴く。
同省成田空港事務所などによると、乱気流に巻き込まれた際、同機は銚子沖の待機経路を飛行中で、シートベルト着用サインの点灯直後に機体が揺れたため、歩行中の乗客が多数負傷した。同機からは優先的に着陸できる緊急事態(エマージェンシー)の通報はなく、成田市消防本部への最初の救急要請も「負傷者は1人」との内容だったため、結果的に搬送が遅れた。
乱気流事故 機長ら判断ミス 通報遅れ混乱に拍車
優先的に着陸できる緊急事態(エマージェンシー)を宣言せず、通報は「けがは1人」-。20日正午前、千葉県銚子沖の上空で起きたノースウエスト航空の乱気流事故。機長やスタッフの判断ミスが相次ぎ、混乱に拍車をかけた。運輸安全委員会は搬送の遅れにつながったこれらの事態を重視し、調査官3人を現地に派遣。千葉県警は機長や乗員らから詳しい事情を聴く方針。
千葉県成田市消防本部に事故の一報が入ったのは着陸8分前の午後0時11分。ノース社の女性スタッフから「乗客1人が頭を打って首が痛いと言っている」と119番があり、現場近くの消防分署から救急車1台が出動。午後0時33分に現場に到着、同41分に機内で複数の負傷者を確認したという。
事態を重く見た現場隊員から消防本部に連絡があり、成田国際空港会社(NAA)にも大型の救急バスの応援を求めたという。
午後1時59分になって周辺の消防本部にも応援要請が行われ、消防車、救急車合わせて17台が出動、約50人が救急活動に当たったという。救急搬送は午後4時ごろまでかかった。
同消防本部の幹部は「確たる情報がない状態で、周辺消防に声をかけるわけにはいなかった。航空機事故では負傷者が増えることも想定して動くが、今回の現場は想定以上だった」と話している。
さらに国土交通省の調べで、機長が乱気流に巻き込まれたことを到着先の成田空港の管制官に連絡せず、エマージェンシーを宣言しないまま通常の手順で着陸していたことも判明した。
エマージェンシーは(1)機体のトラブル(2)重病人の発生(3)燃料不足-などの際、管制官に宣言すると近隣の空港に優先的に着陸することができる。
今回のようなケースではエマージェンシーを宣言するのが通常だが、宣言は機長の判断に委ねられているため、宣言しなくても法令や規則に違反しない。
しかし、エマージェンシーを宣言しなかった上、負傷者多数にもかかわらず「けがは1人」と通報したことが搬送の遅れにつながっており、航空会社の対応が問題となりそうだ。
成田空港事務所などによると、乱気流に巻き込まれたのは午前11時50分ごろとみられ、銚子沖には午前11時ごろから低気圧通過に伴う積乱雲が発生、周辺の航空機はこれを避けて運航する状況だった。
■「4回上下、怖かった」
機内アナウンスのすぐ後に大きな上下の揺れが4回。客室に叫び声が次々と上がり、浮き上がった乗客が天井に激しく頭を打ち付けた。
事故機の確認作業のため機内に入った運輸安全委員会の調査官によると、何かが天井にぶつかったへこみがあるほか、搭乗者や荷物などの重いものが当たって座席のひじ掛けが数カ所でひしゃげるなど、乱気流の激しさを示す証拠がみられたという。
事故機の到着後、タラップで降りてきた乗客も、一様におびえた表情を見せていた。車いすに乗せられて授乳するアジア系女性の姿もあった。
ロサンゼルスからマニラ経由で初来日し乗り合わせた米国人男性、ビンセント・サラザールさん(55)によると、「全員座席にお着きください」と促すアナウンスが流れたのは揺れのわずか10秒ほど前。着席できず頭を天井にぶつけたり、床や座席にたたきつけられる人がいた。
救急車に運び込まれた米国在住のフィリピン人男性(55)は「4回上下して、悲鳴が上がった。とても怖かった」と声を震わせ、フィリピン人の女性は「みんな怖がっていて機内はパニック状態だった」と振り返った。
調査官は21日以降、乗員から事情聴取するなどして原因解明を進める。
乱気流 「ドクター、ドクター」機内に響く悲鳴
いきなり機体が激しく上下し、乗客は天井や床に体をぶつけた。43人が重軽傷を負った米ノースウエスト航空機の乱気流事故。機内から運び出された負傷者らは、痛みと恐怖に顔をひきつらせた。【柳澤一男、駒木智一】
「シートベルトをしていなかった乗客が飛ばされた。血を流している人もいて『ドクター、ドクター』と医師を呼ぶ声がしていた」。事故機に乗っていた米国人の男性会社員(27)は、千葉県富里市の日吉台病院で、機内の様子を語った。
事故当時、機体は着陸に向け降下し始めており、ベルト着用サインは点灯していた。眠っている乗客が多かったという。機長が天候と高度のアナウンスをしている時、突然大きく揺れた。「安定したフライト中の出来事だった。大きく落ちた感じがした」という。さらに20秒ほど揺れ続けた後、ベルト着用を促す機長のアナウンスがあった。
揺れの際、トイレにいたという米国人女性(26)は、頭に軽傷。「いきなりドンという衝撃があった。泣き叫ぶ乗客もいた」と話した。家族3人でフィリピンを訪問した帰路という米国人男性(48)は首をねんざ。妻(27)と息子(0)も頭を打った。首にコルセットを巻いた男性は「何が起きたのか分からず、乗客はおびえていた。首がとても痛い」と苦痛の表情を浮かべた。
日本航空の機長(62)は「乱気流による事故を防ぐには、車のように常にシートベルトをしているしかない」と話す。日本の航空会社の場合、ベルト着用サインを出すと乗員が「座席に戻ってシートベルトをお締めください」とアナウンスし、徹底を図っている。
一方、国土交通省運輸安全委員会の調査官3人は事故機の内部を調査した。小松了・航空事故調査官は「天井に何かがぶつかったような痕跡や、ひじかけがへこんだ跡があった」と話した。
<トランスオーシャン機>着陸時に黒煙 神戸空港一時閉鎖
20日午後5時50分ごろ沖縄発神戸行き日本トランスオーシャン航空320便(ボーイング767-300型)が神戸空港に着陸した際、左翼エンジン付近から黒煙が出た。左翼エンジンカバーの一部が滑走路上に散乱しており、同空港は同6時過ぎから約35分間、滑走路を閉鎖した。320便の運航に支障はなく乗員乗客計254人にけがはなかったが、神戸発羽田行き1便の出発が35分遅れた。
<日本航空>燃料サーチャージを最大92%引き下げへ
日本航空は20日、国際線運賃に燃料価格上昇分を上乗せする特別付加運賃(サーチャージ)を4~6月期に最大92%引き下げると発表した。片道でブラジル線が6500円(現行2万6000円)、欧米線3500円(同2万2000円)、中国・台湾・香港線500円(同6000円)などになる
<中部国際空港>新社長に川上氏…トヨタ、起用固める
トヨタ自動車は19日、トヨタに復帰する見通しの中部国際空港(愛知県常滑市)の稲葉良※社長(62)=※は目へんに見=の後任に、トヨタ出身でグループの総合商社、豊田通商の川上博副社長(59)を充てる人事を固めた。6月に就任予定。稲葉社長らが20日、記者会見する。同空港会社は初代の平野幸久会長から3代続けてトヨタ出身者が社長に就くことになる。
トヨタは今年度の最終赤字が確実。北米事業の立て直しが急務で、99年から4年間米国トヨタ販売社長を務め、豊富な人脈と経験を持つ稲葉氏を呼び戻すことにした。
中部空港も今年度、開港後初めて最終赤字に転落する。トヨタは後任を中部財界が出すことを望んだが、財界には空港事業を強力に支援できる事業規模と人材を抱えるトヨタの出身者を推す声が強く、グループ内で人選を進めてきた。
川上氏は08年6月にトヨタ専務から豊田通商副社長に転じた。98年1月に米国トヨタ販売に出向し、復帰後は米州営業部長も務めるなど国際経験が豊かで、トヨタ首脳らは国際線の撤退が進む中部空港の立て直しに適任と判断したとみられる。【鈴木泰広、中井正裕、米川直己】
【略歴】川上博氏(かわかみ・ひろし)京都大卒。72年トヨタ自動車販売(現トヨタ自動車)。常務役員、専務などを経て08年6月から豊田通商副社長。大阪府出身。
海自ヘリとセスナ機がニアミス
17日正午すぎに鹿児島県鹿屋市の海上自衛隊鹿屋飛行場付近の上空で、訓練飛行中の海自ヘリコプターと、新日本航空(鹿児島市)所属のセスナ機が異常接近したと国土交通省が18日、発表した。
同省によると、17日午後12時半ごろ、教官(機長)と学生の2人で訓練中の海自OH6Dヘリが同飛行場から北北東約13キロ、高度約760メートルの管制圏外の上空で上昇飛行中、左上空後方から接近するセスナ機を発見し、右降下旋回で回避した。最接近時の水平距離は約180メートル、高度差は30メートルだったという。
空港着陸料 実質引き下げへ
航空業界に対する公的支援策として、国土交通省が空港の着陸料や管制使用料を、運用面の緩和で実質的に引き下げる方向で検討していることが17日、分かった。着陸料や使用料の算定基準として航空機ごとに登録されている「最大離陸重量」について、航空各社から申請を受け付け、運航上の安全性が確認されれば引き下げ、負担を軽減する考えだ。
最大離陸重量は、航空機が離陸できる総重量の最大値として航空会社が国交省に申請し、機種ごとに登録している数値。機体や燃料、旅客、貨物などの重量を加算。着陸料や使用料はこの最大離陸重量に、国交省が定めた単価を掛け合わせて算出する。しかし、実際に運航する航空機は積載物などの重量が最大離陸重量を下回っているケースが大半。特に航空需要が低下し旅客が減る中でその傾向が顕著なため、従来の算出基準では「負担が過大」との指摘も出ている。
このため国交省は、これまで原則認めてこなかった同重量の引き下げを認める方針。航空会社から申請を受け付け、一定のルールの下に安全性が確保されると認められれば引き下げることとする。同省によると、2008年度予算ベースで着陸料等収入は約869億円、管制使用料を示す航行援助施設利用料は1303億円。合わせた国の収入は2172億円で、大半を日本航空と全日本空輸が支払っている。
<乗務中写真撮影>機長ら7人を処分
航空会社「エアーニッポンネットワーク」の米国人機長(31)が乗務中に写真撮影をしていた問題で、同社は16日、機長を出勤停止90日間、川内秀光社長を役員報酬減額30%・1カ月などとする計7人の処分を発表した。再発防止策として乗務員への対面での指導やポスターを使って注意喚起する。
機長は08年12月6日、高知発伊丹行きなど計3便で、離陸直前と着陸進入時などにデジタルカメラで滑走路などを撮影した。
日航系も携帯撮影対策=客室乗務員の処分は公表せず
日本航空グループのジャルウェイズのタイ人女性客室乗務員が、航空法に違反し携帯電話で機外を撮影していた問題で、同社は16日、改めて客室乗務員全員に法令や社内規定の順守を徹底するなど、再発防止策を国土交通省に報告した。
同社はこの客室乗務員を近く厳正に処分する方針だが、処分内容については「客室乗務員はパイロットのように国家資格を伴う職種ではなく、国への報告義務もないので、処分後も公表できない」としている。
<全日空>サーチャージ大幅減額 全体で89%の値下げ率
全日本空輸は16日、国際線運賃に燃料価格上昇分を上乗せする特別付加運賃(サーチャージ)を4~6月期に大幅に引き下げると発表した。最も高い欧米線が片道で現行の2万2000円から3500円に下がり、全体では89%の値下げ率(加重平均)になる。
基準になる08年11月~今年1月のジェット燃料の国際価格が、平均1バレル=64.22ドルと08年8~10月の110ドル台から急落したため。他の路線は、片道でハワイ・インド線2000円(現行1万4500円)、タイ・シンガポール・マレーシア線1500円(同1万2500円)、韓国線200円(同2500円)などになる。
従来の計算方法なら欧米線5000円、ハワイ・インド線3000円などだったが、需要を喚起するため下げ幅をさらに拡大した。日本航空も近く、ほぼ同水準への値下げを発表する見込み。
全日空機、「火災」トラブルでUターン 成田
16日午前10時10分ごろ、成田空港を離陸直後の成田発中国広州行きの全日空923便「ボーイング767-300型旅客機」(乗客乗員102人)の機長が、コックピット内の計器にエンジンの火災を知らせる表示と警報ベルが鳴ったのに気付いた。同機は約20分後、点検のため成田空港に引き返した。乗客乗員にけがはなかった。
全日空が機体を調べたところ、2つのエンジンのうち、右翼側のエンジン内に直径約20センチ大の焦げ跡が見つかった。同社が、計器の異常表示との関連などを詳しく調べている。
鳥衝突 夜間に3分の1発生、羽田空港の発着増で懸念も
米USエアウェイズ機が1月、ハドソン川に不時着水した事故を受け、国土交通省は、国内で起きた航空機への鳥衝突(バードストライク)の分析結果をまとめた。発生件数は日中が多いが、便数の少ない夜間も3分の1あった。有識者らで作る鳥衝突防止対策検討会は、夜間対策に積極的に乗り出すよう国交省に求める方針だ。
国交省によると、過去5年間に全国で起きた鳥衝突の発生件数は▽04年972件▽05年1108件▽06年1232件▽07年1320件▽08年1159件。
08年の衝突時間帯は、日中が684件(59%)で、夜間(日没以降)は394件(34%)、その他は夕暮れや夜明け時だった。また衝突場所の分析では、進入・着陸時が667件(58%)、離陸・上昇時が342件(30%)で、空港周辺での被害がほとんどだった。
羽田空港では04年以降、発生数は約100~約170件だが、夜間の割合は増加傾向にある。だがその理由は分からないという。
航空保安協会は日中にバードパトロールを行い、空砲、花火などを使って野鳥を追い払っているが、夜間は鳥の発見が困難なことや、銃器の使用規制があるため、事実上野放しの状態になっている。
羽田空港は10年に新D滑走路の供用を始め、1日当たりの発着が950機(07年)から、最大で約1200機に増える見込みだ。夜間の発着も増えるため、バードストライクの増加が懸念される。
検討会は鳥の追い出しに効果が高いバードパトロールの夜間運用を求めていく。一方、国交省は、鳥の発見、衝突情報をデータベース化して共有するシステムの作成を始めており、今後は大音量を発生して鳥を追い払う装置や米国で試行されているレーダーを使った鳥検知システムなどの導入も検討する。
<日本航空>徳島空港着陸直前、鳥が衝突 折り返し便欠航
15日午前11時40分ごろ、羽田発徳島行き日本航空1433便(エアバスA300-600R型機)が徳島空港に着陸直前、右翼エンジンに鳥が衝突した。乗客にけがはなかった。日本航空は整備のため、折り返しの1434便を欠航とした。
同社によると、着陸直前、操縦士が機体周辺で数羽の鳥を発見。着陸後にエンジンを調べたところ、羽や血痕を確認した。折り返し便の乗客約160人は、JR新神戸駅や伊丹空港へバスで輸送する措置を取った。
全日空貨物、関空に引き返す
12日午前5時50分ごろ、関西空港発香港行き貨物便全日空7983便ボーイング767が、右側エンジンから異常音がしたため、関西空港に引き返した。午前6時15分ごろ着陸し、乗員4人にけがはなかった。国土交通省関西空港事務所によると、異常音はエンジンの失速が原因とみられる。機体に損傷はなく、原因を調べている。
「憧れの制服」別れの春 スカイマーク ポロシャツ乗務へ
スカイマークは、4月にもパイロットや客室乗務員、地上職員の制服を廃止、代わりにポロシャツやウインドブレーカーを支給することを決めた。
国内では例がなく、同社は「コスト削減分をお客さまに還元したい」としているが、制服にあこがれて客室乗務員を目指す女性は多く、ある女子大学生(21)は「制服がないなら受験しない」と否定的。別の航空会社は「制服があるから低賃金でも辞めないでくれる」と明かし、スカイマーク社内からも「さみしい」との声が上がっている。
「格安航空会社の選びかた」の著者、航空写真家のチャーリィ古庄さんによると、米サウスウエスト航空やスイスの航空会社など、海外では客室乗務員がポロシャツを着用している会社も多いという。
航空法に乗務員の服装に関する規定はないが、国土交通省は「緊急脱出時などに乗客と区別がつくよう、分かりやすい衣服を着ることが必要」としている。
チャーリィさんは「スカイマークのおかげで日本の航空運賃は安くなってきた。さらなる引き下げにつながるなら歓迎だ」と評価しながら「(テロ防止など)保安上の理由からパイロットは制服の方がいい」と注文をつけた。
デザインは未定だが、同社のシンボルカラーである黄色が取り入れられる見通し。文化女子大の伊賀憲子教授(服装心理学)は「黄色は楽しさと同時に不安定な印象を与える。日本人の持っているイメージでは、青や紺を基調にした方がいいのではないか」と話す。