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Sliding Cafeマスターのブログ

Denis Wick Heritage 10CS

先週の土曜日から新たにテストし始めたマウスピースとは、Denis Wick Heritage(デニス・ウイック ヘリテージ) 10CSです。まだ6日しか使っていませんが、かなり良い感触です。今日は一人多重録音で使ってみましたが、録音された音は密度の高い濃厚な音で大変気に入りました。非常に倍音の豊かな音です。唇の柔軟性、唇の安定感も極めて良好。唇とマウスピースとの密着度というかグリップ感みたいな唇とマウスピースが一体になれるような感覚があり、さまざまな演奏コントロールが容易です。クラリネットやサックスのマウスピースのように唇でくわえる訳ではないのですが、まるで唇がマウスピースのリムをくわえているかのようなしっかりとした密着感、グリップ感を感じられるマウスピースというのは非常に吹きやすく、コントロールしやすいです。グリップ感を得やすいリム形状が決まっている訳ではなく、あくまでも自分の唇とリム形状の相性次第なのだと思います。今回のDenis Wick Heritage 10CSのリム形状は僕の唇との相性がもの凄く良いみたいです。

比較的平なリム形状で、エッジもシャープに立っていて音の輪郭がハッキリ出ます。このようなリム形状のマウスピースはリップスラーなどの柔軟性に欠ける傾向にありますが、Heritage 10CSはリップスラーも容易で柔軟性があります。やはり僕の唇には平なリムでエッジがしっかり立っている形状の方が合っているようです。平なリムは高音演奏時に唇の安定感があり、安心して高音を当てる事が出来るということと、バテにくいですね。

リム形状といえば、ヘリテージシリーズは極薄リムが最大の特徴で見た目のインパクトが強烈ですが、

実際に吹いている時には極薄リムあることは全く感じられず、非常に心地良い吹奏感です。リムを極薄にした代わりにカップ下部の肉厚を厚くすることにより(ヘビーボトム)、極薄リムで反応を良くしつつヘビーボトム部で力強い太い音色になるというデザインコンセプトらしいです。この極薄リムの発想は19世紀に主流であったマウスピース形状からヒントを得たそうですが、そういえば何かの資料の写真でヘリテージのような極薄リムのマウスピースを見た記憶があります。確かサックバットのマウスピースは極薄リムのマウスピースでしたね。Heritageの意味は、「先祖伝来のもの」「(文化的)遺産」ということで、なるほど上手いネーミングですね。

実は大分前からヘリテージシリーズは気になっていたのですが、やはり極薄リムの特徴的デザインが引っかかって試すのはずっと躊躇していました。カップ下部を肉厚にしてあるということで、その形状だけを見て、ヘビータイプ(重量系)マウスピースなのか?と勝手に想像していたのですが(これも敬遠していた理由のひとつですが)、実際に重さを測ってみると、Heritage 10CSはなんと112gの超軽量マウスピースであることが判明。Marcinkiewicz ET2も随分軽いと思っていましたが(120g)、ET2よりも8g軽いんですね。しかしながらDenis Wick Heritage 10CSは軽量マウスピースを吹いているような感覚は全く無く、かなりしっかりとした吹奏感です。音色傾向としては、ヘビータイプ(重量系)マウスピースのようなパワー感がありつつも、非常に反応が良く軽快に吹ける感覚があります。まさに「極薄リム + ヘビーボトム」のデザイン形状そのままの音響効果が出ていますね。

この6日間使ってみた感じでは、いつまでも長く楽器を吹いていたいと思わせる程の心地良さがあり、大変気に入りました。とはいえ、Marcinkiewicz ET2の時と同じように、最低でも半年間は使ってみないと、本当に自分に適しているかどうかの判断は出来ないので、また半年後に報告したいと思います。

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