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Sliding Cafeマスターのブログ

SONY MDR-Z1000

もの凄~く久しぶりにヘッドホンカテゴリーの記事投稿です。前回投稿が2009年8月3日の耳かけ式イヤホン記事でしたから約4年ぶりのヘッドホン記事投稿になりますね。

ヘッドホン系の話題はもう出し尽くしてしまった感もあり、4年も空いてしまったのですが、その間にもミックス、マスタリングで使えるヘッドホンはずっと探していました。2010年にソニーからマスタリングエンジニア向けに開発されたMDR-Z1000が発売され、ずっと気になっていたのですが、遂に去年このヘッドホンの購入しました。率直な感想としては、とても聴きやすくバランスの良いヘッドホンです。比較的低音は大きく出るようですが、決して低音が出過ぎているということは無く、スタジオのモニタースピーカーの出音とちょうど同じ位の低音バランスです。全体的な周波数バランスはとても良く、さすがマスタリングエンジニア向けに開発されただけのことはあります。

このヘッドホンを購入以降はスピーカーを鳴らしてミックス、マスタリングする時間が極端に減り、ほとんどの作業をMDR-Z1000で行っています。スピーカーででミックス、マスタリングする場合は、ある程度大きい音量で聴かないと正確なバランスが取れない(小さい音量では低音が出ない)ので、長時間大音量でスピーカーの音を聴いているとだんだんと耳が疲れてきて、最悪の場合、一時的な難聴の症状が出てしまっていました。難聴の症状が出てしまうと特に高音域が聴こえなくなり、どんな音楽を聴いても何か1枚布を被っているようなこもった音に聴こえてしまい、こうなってしまうともう仕事になりません。仕事が集中している時期は、常に難聴気味で苦労していましたが、MDR-Z1000で作業するようになってからは、小さい音量でもバランス良く聴こえるので、長時間作業をしても耳が疲れず、難聴で悩まされることも無くなりましたし、スピーカーでミックス、マスタリングするより断然良いサウンドに仕上がるようになりました。

ネットでMDR-Z1000のレビューを見ると、プロのエンジニアではなくリスナーの方達の間では(高級モデルということもあり)意外と酷評も多いようですが、そもそもこのヘッドホンはリスニング用ではなく、プロのエンジア向けに開発された、いわば”測定器”みたいな製品なので、リスニング用として評価するというのはそもそも畑違いではないかと思います。ですが、僕個人的にはリスニング用としても心地良く音楽を聴くことができるヘッドホンだと思います。装着感も素晴らしいです。

ミックス、マスタリング用としては、これほど優秀なヘッドホンはないのではないかと思います。

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コメント一覧

マスター
ご意見ありがとうございます
貴重なご意見ありがとうございます。

Z1000の4~5kHzの落ち込みについては、私は特に気になりません。また、エンジニアにもよると思いますが、私はマスタリングでは、4~5kHzは全く処理をしないか、シンバル、ハイハット等が耳に痛い場合には下げる帯域です。Z1000が4~5kHzが落ち込んでいるからといって、4~5kHzを持ち上げてしまうということは、絶対にありません。マスタリングで高域を持ち上げる場合は、もっと上の帯域の倍音成分です。具体的には、8kHz、あるいは10~15kHz、更に空気感の調整帯域となる16kHz以上となります。ですが、高域を持ち上げる調整は、余程音抜けが悪く、こもっていない限り、高域を極端に持ち上げる処理はしません。通常は、高域を持ち上げる場合でも0.5dB、1dB程度の微調整の範囲です。

ミックスの場合は、ボーカルやメインとなる楽器の音抜けを良くさせるため、目立たせるために4~5kHzは持ち上げる帯域となります。ミックスとマスタリングでは、4~5kHz付近の調整は違います。

どのような、ヘッドホン、スピーカーでもそれぞれ周波数特性が違いますので、要はエンジニアが1番使いやすく、調整しやすい製品を使えば良いと思います。その製品の周波数特性を把握していれば良い訳です。私にはZ1000が最も作業しやすいヘッドホンです。

Z1000が4~5kHzが落ち込んでいるというご指摘ですが、おっしゃるとおり、4~5kHzは最も耳に届きやすい帯域です。そのため、毎日長時間音を聴くプロのエンジニアの耳を疲労させないため、守るために、あえて4~5kHzを抑えた設計になっているのかもしれません。事実、今までスピーカー、他のヘッドホンではすぐに耳が疲れてしまい、正しい音質判断ができなくなっていた症状が、Z1000に替えて以降は、長時間作業をしても全く疲れなくなりました。プロにとっては、このポイントが最も重要です。そういった意味でもZ1000はプロのエンジニア向けの製品であり、一般リスナー向け製品と同列で比較するべきではありません。

話題は少しそれますが、スタジオの大定番モニタースピーカーのYAMAHA NS-10Mのツィーターが出過ぎるという理由で、ツィーターにティッシュペーパーを貼り付けて、高域を抑えているエンジニアもいます。またその状態でミックス作業することで、高域の抜けのよいミックスを作りやすいという訳です。


要するに、プロのエンジニアが使うスピーカー、ヘッドホン、その他音響機材はそれぞれエンジニアが最も使いやすい製品を使えば良く、時にはカスタマイズ等して職人の道具のように自分の身体の一部のようにすることが重要なのではないかと思います。

製品それぞれの周波数特性の影響を受けてしまって、仕上がりの音質が変わってしまうようでは、プロとは言えません。
通りすがり
確かにすばらしいヘッドホンですけど、ミックスやマスタ
リングに使用するには4KHz~5KHz付近の落ちこみが問題に
ならないでしょうか?
この帯域は人間の耳が敏感に反応するので、リスニング向け
にわざと抑えているんじゃないかと思いますが、だとしても
ちょっと抑え過ぎと感じます。
Z1000がデファクトスタンダードになって、Z1000に依存
するあまり耳に痛い録音が氾濫する、なんてことにはなって
欲しくないと一音楽ファンとして切に願う次第です。
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