見出し画像

Sliding Cafeマスターのブログ

マスタリングについて

昨日、音楽レーベル会社に入稿完了した新曲ですが、今回はトラック数も少なくシンプルなアレンジなのでミックスはそれほど苦労せず比較的短時間で終わらせることが出来ました。ですが、マスタリングでは随分悩み8回もやり直しました。毎回のことですがマスタリングでの音質調整は試行錯誤することが多く、本当に時間がかかります。本当は短時間でパッと決めたいのですが、やはり音質調整の最終段なので、なんとかベストのサウンドに仕上げたいという気持ちが働き、何回もマスタリングをやり直してしまうという結果になってしまいます。

何度もマスタリングをやり直してしまう理由ですが、スピーカーやヘッドホン(いずれもプロ向けリファレンスモニター)でベストなサウンドに仕上げたはずが、イヤホンで聴いてみるとどうも自分のイメージした通りのサウンドで再生されないからです。一般リスナーの方はちゃんとしたオーディオシステムで聴く人は少なく、特にSpotifyやApple Musicなどの音楽配信サービスのリスナーは圧倒的にイヤホンで聴く人が多いのではないかと思います。そういう僕も最近はイヤホンで聴く方が多いですし。中には2万円以上する高級ヘッドホンで聴く人もいると思いますが、割合としては少ないでしょう。

で、そのイヤホンですが、間違いなく全世界で最も聴かれているイヤホンはAppleのEar Pods(有線)とAir Pods(ワイヤレス)でしょう。なので、音楽配信サービス向けのマスタリングにおいては、Ear PodsとAir Podsで心地よく聴けるように音質調整することが最も重要かと思います。なんですが、Ear PodsとAir Podsで心地よく聴けるように音質調整することは結構難しく、毎回マスタリングで苦労してます。Ear PodsとAir Podsの特性として2つとも低音がかなり出る(盛られてる?)んですよねー。こんな小さいイヤホンで充分過ぎるほどの重低音が出るというのは本当に凄い技術だと思いますが、その反動なのか中音域がメチャクチャこもった音質なんです。あとAir Podsに関しては高音域の伸びが無く、高音域の楽器がほとんど聞こえなかったりします。その点Ear Podsは高音域の伸びもあり高域楽器もクリアに聞こえるので、全体的な周波数バランスはEar Podsの方が良いです。いずれにしても、スタジオ向けスピーカーやスタジオ向けヘッドホンとは違う聴こえ方をしてしまうため、マスタリングの最終段階では必ずEar PodsとAir Podsでチェックしながら音質調整するようにしています。主にイコライザー(EQ)調整ですね。具体的には高域と低域のバランス調整。特に低域に関してはEar PodsもAir Podsもかなり重低音が出るので、低域が膨らみ過ぎていないかチェックしますが、ようやく最近になって低域のどの周波数を調整すれば良いのか分かって来ました。高域に関しては、Ear PodsもAir Podsもこもり気味の音質なので基本的にEQでブースト調整。ただしブーストし過ぎると高級ヘッドホンで聴いた時に耳に痛い音になってしまうので、高域調整については高級ヘッドホンと交互に聴きながら程良いポイントを探ります。最終的にEar PodsとAir Podsでバランス良く聴こえるようになるとスピーカーやヘッドホンで聴いても良い感じで聴けます。なので、Ear PodsもAir Podsはマスタリングにおけるリファレンスモニターと言えるかもしれません。

しかしながら自分自身で本当に納得のゆくマスタリングには至っておらず、まだまだ研究の余地は大いにあり。


2月5日リリースの新曲の方もよろしくお願いします。

SAHIME - “雅”(MIYABI) Remix & Remastered 2021
<収録曲>
1. SAHIME - “雅” (MIYABI) Remix
2. SAHIME - Remastered 2021

プロデュース:岩崎 浩 (mellowtone studio)
作曲:Ddvien Mintz
リミックス : Ddvien Mintz & 岩崎 浩
トロンボーン : 岩崎 浩
ミキシング & マスタリング : 岩崎 浩 (mellowtone studio)


[Spotify]
[Apple Music]
[You Tube]

<トラック説明>
- 世界初となるトロンボーン、雅楽、エレクトロニックの融合を試みた意欲作! -
1200年以上の歴史を持ち、神道や皇室に深い関わりのある日本の伝統音楽“雅楽”。非常に古い歴史を持つ楽器であり、初期は主に教会で使用され「神の楽器」と言われていたトロンボーン。東洋、西洋それぞれ“神”に深い関わりを持つこの2つの要素を融合させ、現代のエレクトロニックで大胆にリミックス。新たにリマスタリングを施したオリジナルバージョンも特別収録。

<SAHIMEの由来>
島根県のほぼ中央部、大田市と飯石郡飯南町にまたがりそびえる大山火山帯に属する火山「三瓶山(さんべさん)」の旧名「佐比売山(さひめやま)」にちなんで付けた曲名。石見国と出雲国の国境に位置する三瓶山は『出雲国風土記』が伝える「国引き神話」に登場する。国引き神話では三瓶山は鳥取県の大山と共に国を引き寄せた綱をつなぎ止めた杭とされている。『出雲国風土記』では、三瓶山は「佐比売山(さひめやま)」の名で記されている。「佐比売」の名は、1954年(昭和29年)に大田市に合併するまでの地名「佐比売村」として残っていた。




<お知らせ>
Sliding Cafe 1stミニアルバム「Open Up」絶賛配信中!

SpotifyにSliding Cafe公式アーティストページが出来ました。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「アレンジ、楽曲制作」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事