という訳で、シンプル極まりない練習メニューですが、まずはシングルタンギングの練習から。
シングルタンギングなので「T」の発音で行います。発音のイメージとしては「タ」でも「ト」でも、あるいは「トゥ」でも自分の発音しやすいイメージで良いと思いますが、日本語の「た」ではなく必ず英語の「T」の発音をすることが重要です。日本語の「た」の発音よりも舌を素早く強く離すことがポイントです。強く”当てる”のではなく、素早く強く”離す”です。音の立ち上がりが早くてクリアーであること。
練習方法としては、まず譜例のFから始めて半音ずつ下がって低音のEまで降ります。
シングルタンギング練習(中音域~低音域)の模範演奏
次に、譜例のFから半音ずつ上がりタンギング可能な限界音域まで上がります。
シングルタンギング練習(中音域~高音域)の模範演奏
練習テンポは自分の演奏可能な限界のテンポで行って下さい。
<シングルタンギング練習の留意点>
1. 必ずメトロノームを使用すること
2. 英語の「T」の発音をすること
3. 全ての音が均等になること(音色、音程、音の立ち上がり等全て)
4. 舌の動きは小さく最小限で
5. 小さめの音量で練習すること
補足説明としまして、、、
16分音符の連続が2小節あるので少し長く感じられると思いますが、2小節続けるのには意味があります。自分の限界のテンポで練習するとおそらく2小節目の後半で一定のテンポをキープするのが難しくなってくると思います。また2小節目後半は舌がバテてくるので相当キツいはずです。2小節目後半のこのキツさが重要なんです。これによって正確なタンギング運動を行うための筋力が養われます。キツいからといって1小節に短縮せずに必ず2小節間辛抱して下さい。
もの凄く単調な練習ですし、音楽的な練習とは大分かけ離れたメニューに感じると思いますが、正確な演奏技術を養うためにはこのような地道な基礎練習は絶対に欠かせません。学習段階にある人、大学生などである程度練習時間を確保できるような人はしっかり時間をかけて練習を行って下さい。低音域~高音域までの全ての音域で練習を行うことによって、タンギング技術の向上だけでなく唇周りの筋肉強化にもつながり、結果的に耐久力も増します。毎日この練習を行っていれば、少しづつ限界テンポが上がってくるはずですので、スポーツのような感覚で’自己新記録更新’を目標に頑張ってみれば、この単調な練習も楽しくなると思います。
ただ、このような単調な練習を毎日ずっと継続しなければいけないということではなく、ある一定期間真面目に取り組んで身体に良い状態を覚え込ませてしまえば、後は多少手を抜いても技術力は維持できます。僕の場合は、大学4年間はこのような単調な練習を毎日4時間くらいやっていましたが、大学卒業以降は基礎練習にはそれ程時間を割いていません。
タンギングシリーズは少し長く続きそうですよ。
次回は「タンギング練習:ダブルタンギング」です。
<模範演奏について>
今回の模範演奏もRoland R-09であえて生々しい音で録音してあります。
ご自身の演奏録音との比較用としても活用してください。
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